最先端の電脳装備と爆発的な高回転パワーで究極の速さを追求するスーパースポーツは、今年でカテゴリー30周年。リッタークラスは限界のさらに向こう側へ挑戦し、ミドルクラスが新たな流れとして多くのライダーを魅了する。
●文:ヤングマシン編集部(伊藤康司/田宮徹/宮田健一)
誕生30年を経てなお先鋭化し続けるリッタースーパースポーツ
1992年の初代ファイアーブレード・CBR900RR誕生から始まった、“スーパースポーツ”カテゴリーの歴史は今年で30年。それを記念して、国産最強の218psを誇るホンダCBR1000RR-Rは往年のトリコロールカラーをまとった特別仕様車も仲間に入れて、より戦闘力を強化するマイナーチェンジを実施。一方、’21でモデルチェンジを果たしたカワサキZX‐10R&RRは、’21年こそ惜しくもSBKでの連覇記録をヤマハにストップさせられてしまったが、最新デバイスのポテンシャルも高く、’22年の巻き返しを狙う。
ホンダCBR1000RR-Rシリーズ:ファイアーブレード30周年記念車が初代トリコロールを纏って復刻
ホンダの最強スーパースポーツが’22モデルでマイナーチェンジ。最高出力218psはそのままに中速域の出力特性を変更したほか、ドリブンスプロケット丁数を3丁増やした43丁とし、各ギヤでより力強い加速力を手に入れた。電子デバイスはトラクションコントロールであるHSTCの制御を熟成。車体各部の剛性バランスも見直された。上級版のSPもあり、オーリンズ製の電子制御セミアクティブサスとブレンボ製ブレーキシステムを装備する。またこのSPには、初代ファイアーブレード’92 CBR900RR誕生から30周年を記念したグレードが新登場。特別カラーリングとタンク上面/スマートキー/サイレンサーに記念ロゴがあしらわれ、液晶メーターもキーオン時に特別仕様のムービーが表示される。トップブリッジにはシリアルナンバー入りだ。
ヤマハYZF-R1シリーズ:クロスプレーンの超レーシースーパースポーツ
MAX200psとクロスプレーン位相クランクによる独特のトルク感が特徴のYZF-Rシリーズ旗艦で、’21にユーロ5対応のマイナーチェンジを受け、’22はカラーチェンジ。機械調整式サスペンションのSTDはブルーとブラックの2色を設定したほか、WGP参戦60周年を記念しYZR500をモチーフにした特別カラーモデルも期間限定でラインナップ(受注終了)。オーリンズ電子制御サスペンション&カーボン外装のMは、ブルーの面積を増やしてヤマハレーシングスピリットをより強調している。
スズキGSX-R1000R:現形式の生産期限が迫る
可変バルブタイミング機構=SR-VVTやフィンガーフォロワーバルブなど、モトGP譲りのメカニズムが自慢となるスズキのリッタースーパースポーツ。国内仕様はショーワのバランスフリー倒立フォークとIMUを活用したコーナリングABSを装備する上級版のRのみが設定されている。’22モデルは本年の秋に生産期限を迎えるユーロ4仕様エンジンのまま、ブルー×シルバー/マットグレーのニューカラーとブラックの継続色の計3色で登場した。特にマットグレーはGSX-S1000などにも採用されたスズキ車のトレンドとなっている新色だ。
カワサキ ニンジャZX-10Rシリーズ:SBK常勝マシンを熟成
’21モデルで、ユーロ5に対応すると同時に、エンジン&車体の熟成とLEDヘッドライト/一体型ウイングレットを持つ最新外装を手に入れてモデルチェンジしたカワサキのリッタースーパースポーツ。203psに強化されたエンジンは、6軸IMUによって各種電脳装備も充実した。ツーリングに役立つクルーズコントロールがあるのも、スーパースポーツとしてはユニークだ。’22モデルはSTDが従来のエボニーに代わる新色のグレー×ブラックとして色変更。ライムグリーンをベースにグラフィックが入るKRTエディションと単色ライムグリーンのレースベース用RRは、’21からの継続色を採用した。
カワサキ ニンジャH2カーボン/H2R:国内向け新車は店頭在庫のみ
スーパーチャージャーを搭載し、公道版のカーボンで231ps、クローズドコース専用のRでは310psを発揮する超モンスタースーパースポーツ。どちらも’21モデルでメーカー出荷は完了しており、店頭在庫のみが購入可能。次年度以降の国内導入予定はないとされている。将来のお宝化は確実だ。
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