
F1荒法師のあだ名で親しまれたナイジェル・マンセルですが、素顔はゴルフ好きで人の善いおっちゃんというのが定説。ゴルフが大好きでセミプロ級の腕前だとか、家族仲がめっちゃいいとか、微笑ましい情報もたくさんあります。が、実は大のバイク好きというのも、わりと有名なエピソード。それを知ってか知らずしてか、BMWがマンセルにちなんだカスタムバイクをワンオフで作り上げていました。
●文:石橋 寛(ヤングマシン編集部) ●写真:RM Sotheby’s
マンセルのライオンハートを表現したカスタム
ベースとなったのはBMWのトップエンドを飾るクルーザー、R18。同社の最大排気量となる1803ccのボクサーユニットを搭載し、低くロングな車体は1731mmというロングホイールベースとなっています。また、345kgの巨体ながら、使いやすいリバースギヤが装備されるなど取り回しもさほど苦労しないとして、日本国内での支持も厚め。
ノーマルはヘリテージラインの牽引役だけあって、クラシカル&レトロな雰囲気を醸し出しているものの、マンセルのリクエストは「ライオンハートを表現してほしい」だったとか。そこで、イギリスのBMWディーラーが、有名ビルダーのスティーブ・バートにカスタムを依頼。スタイリッシュ&レーシーで、いかにもマンセルが乗っていそうなスーパークルーザーが仕上がりました。
BMWのヘリテージクルーザー、R18をナイジェル・マンセルの走りをイメージしてフルカスタムしたイル・レオーネ・エディション。
フェラーリファンが喜ぶイル・レオーネ・エディション
スティーブはこのマシンに、「イル・レオーネ・エディション」と名付けており、言うまでもなくフェラーリファンのティフォシがマンセルに付けたニックネーム「レオーネ(ライオン)」にちなんだもの。レッド5だとかイル・レオーネだとか、さすが誰からも愛されたマンセルらしくさまざまな呼び名があるものです。
さて、レッド5を背負ったイル・レオーネはカスタムシーンのマスターピースと呼ぶのがふさわしく、そのディテールはため息がもれるほどの完成度。リアフェンダーは2/3に短縮され、シングルシート風のデュアルシートに変更、それに伴って独特なラインを構築するタンクとのマッチングも完璧です。
また、25mm厚のステンレスで作られたハンドルポストと、フラットなガッツバーハンドルはライディングスタイルをよりアグレッシブで快適なものへとアップグレード。なお、このポジションを活かすために、メーターはサイドに移設されています。
あえてハンドシフト&フットクラッチを採用
さらに、ヘリテージを強めに主張しているのが、シーケンシャル ハンド シフトとフット クラッチの組み合わせ。精緻なアルミ削り出しパーツがクオリティの高さとメカニカルな魅力をおおいに引き立てています。そのほか、バンテージが巻かれたワンオフのマフラーや、ゼッケンプレートを模したサイドカバーなど、魅せるポイントは数知れません。
スティーブのカスタムには、マンセルの息子、グレッグもコミットしており、父親同様にバイク愛を炸裂させたのだとか。実際、試乗はマンセルでなくグレッグが行い、シートやハンドルポジションなどにリクエストを寄せたとのこと。そして、しばらくの間、ナイジェル・マンセル・コレクションとして収蔵した後、さるコレクターに売却。それが巡りめぐってオークションに出品されました。
落札価格は2万1000ポンド(約420万円)と、イギリスでの新車価格1万8000ポンド(約360万円)を上回ったものの、法外なプレミア価格とは呼べない差額。カスタム全体をみれば、とてもこの金額では完成しないものだけに、かなりのお買い得だったのではないでしょうか。きっと、手に入れたオーナーはヘルメットもマンセルのレプリカをかぶって、ライオンのような走りを楽しんでることでしょう。
カットされたリヤフェンダーや、バンテージを巻いたエキゾーストなどでR18のクラシカルな印象が一気にレーシーなものに変わりました。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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