
SHOEIが2026年1月9日に発売する「e:DRYLENS(イー ドライレンズ)」をテストすることができたので、レポートをお届けしたい。曇り止め(防曇)シートとして機能するだけでなく、電子調光で明るさを2段階に調整してくれるというものだ。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●写真:長谷川徹 ●外部リンク:SHOEI
想像を上回る使い勝手のよさ
SHOEIが2026年1月9日にSHOEI Gallery(SHOEI Gallery Online Storeを除く)で先行発売する電子調光ドライレンズ「e:DRYLENS(イー ドライレンズ)」は、いわゆる防曇(曇り止め)シートである“ピンロックシート”やSHOEIドライレンズの進化版。冬場や湿度の高い梅雨時期などにシールドの曇りを防いで視界を確保するという基本性能に加え、液晶フィルムを用いた電子調光機能によって環境光の明暗差に対応できるというものだ。
そんな「e:DRYLENS」が12月12日に発表されたあと、さっそく製品をお借りしてテストすることができたのでお伝えしよう。コントローラーとの接続などがあるため、ディーラーでの取り付けが推奨されているが、今回はSHOEIから取り付け済みのシールドが送られてきた。
e:DRYLENSシートが適合するシールドはCWR-F2、CWR-F2Rで、適合するヘルメットはインナーバイザーを採用していない「X-Fifteen」「Z-8」「WYVERN∅」の3機種。
コントローラーは視界の外にシールドマウントあたりに隠れるので、ヘルメットを被っているときに意識することはまったくない。
さっそくX-Fifteenに装着してみると、見た目的には普通の防曇シートを裏面に貼りつけたシールドの、表面の端っこにチョコレートひと欠片くらいのコントローラーがプラスされた感じ。
操作はとてもカンタンで、コントローラーにあるボタンを短く押すとONになり、1.5秒以上押すとオートモードに。もう一度短く押せばOFFになる。『ライト→ダーク』あるいは『ダーク→ライト』は本当に瞬時で、ジワっと暗く/明るくなるなんてこともなくスパスパと明/暗が切り替わる。
視界の明るさはというと、OFF時はかなり明るめのライトスモークといったところで、SHOEIによれば光線透過率は約65%。ONにするとダークスモークになって光線透過率は約20%だという。
数値だけだと伝わりにくいかもしれないが、ライト時は昼間ならクリアシールドに近い視界に感じられるほか、SHOEIとしては非推奨だが夜間でも環境によってはさほど気にせず使える印象。夜間視力には個人差があるので断言はできないが、都内の街灯の明るさなら個人的にはほぼ影響なしといってよさそうに感じた。ただし、街灯の少ない/全くないエリアや、昼間であっても濃霧だったり灯りが全くないトンネル内だったりと視界が著しく悪い場合には、シールドを一時的に開けるか、eドライレンズなしのシールドに付け替えるか、あるいは走行をやめておいたほうがいいだろう。
一方、ONまたは自動調光でダークに切り替わると、こちらはJクルーズ3などSHOEIの一部ヘルメットが採用するインナーサンバイザーより少し明るい(取材後に直接比較したのだが写真を撮っていなかった。スミマセン……)視界になる。冬場の低い太陽が正面に来たとき“光源を直視しなければ眩しくない”という程度になっており、ライト時との明暗差が極端に大きくならないよう設定されている。
実際に走るときは、ほとんどの場面でオートモードを使用
試乗する際、最初は手動でON/OFFしてみたが、面倒臭くなってすぐにオートモードを使用。すると、晴天はもちろん曇天でも基本はダーク(ON)になり、眩しくない視界を提供してくれた。液晶フィルムを使用しているということだが色被りもなく、シンプルに眩しさをカットしてくれる。
ちなみに、従来のピンロックシートなどと同程度に、視界にほんのわずかな滲みは生じるが、これは防曇シートであれば普通に発生する現象だ。よく見れば気付く程度のものなので、気になるという方は少ないだろう。
トンネルや、木々が覆いかぶさった暗い峠道などに進入すると、コントローラー上部にあるセンサーが環境光を検知し、調光OFF(ライト)にしてくれる。感覚的には、空が4分の1くらい見えていればON(ダーク)になり、それよりも光量が下がるとOFF(ライト)になる感じだろうか。
オートモードの調光レスポンスはというと、トンネルなどで暗い場所から明るい場所に出たときには体感0.5秒よりもやや短い時間でON(ダーク)に切り替わり、明るい場所から暗い場所になったときは0.5秒かわずかに長い時間(0.6~0.7秒くらい?)でOFF(ライト)に切り替わる。ここで、前述のライト/ダークの明暗差を極端に大きくしていないことが生きてくる。
ダークモードがもう少し暗い設定だったら、トンネルに入った瞬間に何も見えなくなる時間が生じそうなものだが、まあまあ我慢できるくらいの視界は確保される。もう少しON→OFFのレスポンスをよくしてもいいような気はするものの、あまりレスポンスをよくすると断続的な木陰などに反応しすぎてしまうという面もあるのだろう。
じゃあトンネルに入る直前に手動でOFFにすればいいのでは、とお思いかもしれないが、コントローラーのボタンはあまり大きくないので、特に冬用グローブで毎回手探りして操作するのはちょっと面倒。そんなときは、外光センサーを手で覆ってしまうといい。環境光が暗くなる直前に左手でそっとコントローラーの上側を覆ってしまえば、望んだタイミングでダークモードを解除することができるからだ。
このほか、順光や逆光、時間帯、晴天/曇天などの状況に応じて使っていくことになるが、基本的にはオートモードにしておいて、ダークシールドが必要ないと思う場面(ずっと太陽が背中側にあるとか、雲が厚いと感じるときなど)にはOFFにしてしまうのがいいだろう。そのへんは個人差もあるのでお好みで。
普段はインナーサンバイザー付きのJクルーズ3を常用し、たまにX-Fifteen(シールドはクリアのまま)を使う筆者だが、たまに使う程度でもこの「e:DRYLENS」は買って取り付けておきたいと思った。レンズ本体とコントローラーで合計3万4100円は安いとは言えない金額だが、良好な視界を確保することは快適性の向上や疲労の低減に効くだけでなく、危険を察知しやすくすることでアクティブセーフティ(予防安全)にも効果的だ。
中年以降の年齢になると、暗順応/明順応に若い頃よりも時間がかかるようになるものだが、これを装着していれば視界確保に気を遣う時間が格段に減る。eドライレンズ本体をシールドの内側に貼付することで、風切音への影響はコントローラー部分だけと最小限だ。
SHOEIの対応3機種をお持ちのユーザーなら、多くの使用環境で購入検討に値するものだと思う。価格に納得できるなら間違いなくオススメだ。
コントローラーは両面テープで貼付され、細い電線がシールド外側のコントローラーと内側のeドライレンズをつなぐ。X-Fifteenが採用するCWR-F2Rに付ける場合、ティアオフボタンを外してしまうのでティアオフフィルムは使えなくなるので注意が必要だ。ユーザー自身によるe:DRYLENSコントローラーの取り付け・取り外しは非推奨なので、お手持ちのシールドへのe:DRYLENSシートおよびコントローラー取り付けを希望する場合は、購入時に店舗へシールドを持参してほしい。
e:DRYLENS 304 / e:DRYLENSコントローラー
e:DRYLENS 304 ●価格:2万7500円 ●適合シールド:CWR-F2シールド、CWR-F2Rシールド
e:DRYLENSコントローラー ●価格:6600円
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(SHOEI)
侍をモチーフとした伝統的かつ個性的なグラフィック Z-9のグラフィックモデル第3弾となる『ローニンズレスト』は、日本の伝統の戦士である侍をモチーフとしたユニークなモデルだ。側頭部には兜をかぶったドクロ[…]
力強いグラフィックパターンのニューカラーが4色追加されて魅力倍増! 『HORNET ADV RECOIL』は、ホワイトとブラックをベースとする全4色のカラーバリエーションが展開される。 メインカラーと[…]
アグレッシブ&コミカルでユニークなグラフィックモデル グラフィックモデルとして第2弾となる『Z-9 KABOOM』は、アメリカのコミックを彷彿とさせるグラフィックを帽体全面に描いたグラフィックモデルだ[…]
SHOEI最新作『Z-9』に早くも登場するオリジナルグラフィック 『Z-9 BURNSIDE』は、ストライプを基調としたシンプルなグラフィックが特徴だ。フェイスガードから頭頂部を通り、後頭部下端まで抜[…]
6月下旬~7月上旬:Kabuto「SHUMA SKALION」 走行開始30秒で涼しさを体感できるKabutoの「SHUMA」に、サソリとトライバル模様をあしらった新色「スカリオン」が追加された。ヘル[…]
最新の関連記事(ヘルメット | 試乗インプレッション/テスト)
念願のWYVERNシリーズ最新作の登場だ! ついに復活を遂げて、新発売となったSHOEI「ワイバーンØ」。歴代ワイバーンシリーズを愛用してきた筆者としては、どんな進化を遂げたのが期待しかない。そこで、[…]
疲れない、頭痛知らずのフィッティング技術! SHOEIの「Personal Fitting System(以下P.F.S.)」は、十人十色で異なるライダーの頭部形状に合わせたフィッティングを行う同社の[…]
CRF250ラリーが納車されたので、アドベンチャーヘルメットが気になっています。そこで今回はSHOEIの「ホーネットADV」を借りて使ってみました。 シールド付きなので、オフロードやアドベンチャーに乗[…]
[◯] バイザー付きではトップレベルのクルーズ性能だ 本作は、空力性能と高い使い勝手が特徴だ。前者に関しては、特許技術のウェイクスタビライザーや走行風を受け流す形状のバイザーなどを採用。また上下2段式[…]
SHOEIのヘルメットラインナップには4つの傾向があります。 スポーツ性能、多機能型、軽量コンパクト、クラシックの4つです。 筆者はこの中でも軽量コンパクトタイプをプライベートでも使っていますが、イン[…]
人気記事ランキング(全体)
136PSの1098cc並列4気筒ツアラー! 「Ninja 1100SX / SE」2027年モデルが11月14日登場 カワサキは、スポーツツーリングモデルの最高峰となる「Ninja 1100SX」お[…]
システムトータル出力880馬力、プラグインハイブリッドシステムを採用 918スパイダーの開発にあたり、ポルシェが掲げたコンセプトは「ポルシェ・インテリジェント・パフォーマンス(性能と効率性の高次元での[…]
名車YZF750Rの遺伝子!新色ネオンホワイトが放つグラフィック美学 ヤマハのスポーツヘリテージラインを牽引するXSR900の欧州2027年モデルにおいて、最大のハイライトとなるのが新色「Neon W[…]
最終戦仕様は“バガーレーサー風へ” 前戦・富士ラウンドで大幅な軽量化を行ったフロントカウルに続き、今回投入されたのがクロックワークス製のカーボンウインドシールドだ。本来は上側に反りのあるフレアタイプだ[…]
免許不要で20km/h! 特定小型原付「モペロ ミニカーゴ2」が予約特価で登場 スワロー合同会社は、ペダルを一切漕がずに移動できる特定小型原動機付自転車「モペロ ミニカーゴ2」を発表した。公式オンライ[…]
最新の投稿記事(全体)
鉄、ステンレス、銅、真鍮材、ニッケルめっき、クロムめっき部のサビや劣化を防ぎ、製品の美しさと品質を長期間にわたって保つことができる。 プロの技をライダーの手へ!三和メッキ工業との特別コラボ 今回のアイ[…]
大人気「エアロフィットシートバッグGT」がPFバックル仕様で新登場 ライダーから支持を集めるタナックスの「エアロフィットシートバッグGT」が進化。「エアロフィットシートバッグGT2」として登場した。大[…]
水平対向6気筒とダブルウィッシュボーンサスがもたらす独創の走り ホンダのプレミアムツアラーとして君臨するゴールドウイングの2027年モデルが北米で発表された。日本国内で展開されるモデル同様に低重心設計[…]
Z1から11年、新基準を打ち立てた カワサキが水冷6気筒のZ1300を発売したのは’79年だったが、この頃からすでにZ1系に代わる次世代フラッグシップが模索されていた。Zに改良を加えて世代交代を進めて[…]
ZGMF-X10Aを再現!フリーダムガンダムのグラフィックワーク 新大洲ホンダの原付二種スクーターラインナップに加わった「NS125FX フリーダムガンダムコラボ限定版」は、劇中機体の配色とメカニカル[…]
- 1
- 2



















































