最新テクノロジーに基づいたオートバイのスタンダードスタイルと呼べるのがネイキッドカテゴリー。そのデザインも電脳時代をストレートに反映したトガり系でまとめられ、ストリートを切り裂いていく尖兵だ。
●文:ヤングマシン編集部(伊藤康司 田宮徹 宮田健一)
大型ネイキッドカテゴリー:ヘリテイジとは一線を画したパワフルさや最新装備も
アップライトなライディングポジションと露出した車体各部のメカニズムで、バイクという乗り物の基本スタイルを持つネイキッドカテゴリー。ヘリテイジカテゴリーのマシンとエンジンや車体のベース部分を共用しながらも、こちらはその最新技術をストレートに反映した「ストリートファイター」とも呼ばれる尖ったスタイルをまとうモデルが多くなってきた。
と同時に、ヘリテイジたちとは一線を画したスーパースポーツ的な要素を強く採り入れたパワフルモデルたちも目立つようになっている。その筆頭が、YZF‐R1のエンジンと車体をベースにするヤマハMT‐10や、スーパーチャージャーを搭載したカワサキZ H2、GSX‐R譲りのエンジンとSFアニメのようなデザインが魅力のスズキGSX‐S1000といったマシンたちだ。
ヘリテイジにはちょっと似つかわしくないフルカラーTFTメーターも、こちらのスタイルなら無問題。最新の電脳装備も積極的に採り入れられ、スマートフォンとの接続機能も、もはや珍しくないものとなってきた。また、ミドル帯の排気量も充実。日常ユースにも対応したスタンダードなカテゴリーだ。
ヤマハMT-10/SP:YZF-R1ネイキッドがよりアグレッシブに
YZF-R1と共通コンポーネントを持つハイパーネイキッド。’22でフルモデルチェンジを受け、ユーロ5適合となると同時に、パワーアップや電子制御面の大幅進化と、車体面ではロングになったスイングアームや顔が小ぶりとなった新デザインの採用を行った。特に電子制御面では、新たにライドバイワイヤや6軸IMUを採用することで、バンク角対応型トラクションコントロール/ヤマハ初・可変速度リミッター/上下方向両対応クイックシフターといった走りを高める魅力的な装備を獲得。メーターもカラーTFTディスプレイとなった。上級版のSPは、アップデートされた電子制御の前後オーリンズサスペンションのほか、アンダーカバーを追加装備。日本発売は’22年10月26日だ。
カワサキZ H2/SE:カワサキネイキッドの頂点
バランス型のスーパーチャージャーを装備し、最高出力200psを発揮するモンスターネイキッド。吸気ダクトを左前方のみに設けるアシンメトリーデザインが、アグレッシブな個性を強調している。IMUを搭載した電脳装備は、トラクションコントロール/パワーモード/コーナリングABS/ローンチコントロール/上下対応クイックシフター/クルーズコントロール/スマホ接続機能など充実のかぎり。上級版のSEはショーワスカイフックテクノロジーをベースとした電子制御サスペンションとブレンボの最上級キャリパー”Stylema”まで装備している。
カワサキZ1000:3年ぶりに車体色変更
ニンジャ1000SX系の自然吸気1043cc直列4気筒エンジンを心臓に持ち、アグレッシブなデザインと4本出しマフラーが特徴のパワフルネイキッド。’22国内モデルは3年ぶりのニューカラーとなるメタリックカーボングレー×エメラルドブレイズドグリーンとなって発売されたが、型式的には’22年11月から適用される新排出ガス規制には未対応だ。
スズキGSX-S1000:サイバーなデザインとデバイスが魅力のネイキッド
歴代でも評価の高いK5=’05年型GSX-R1000ベースの直列4気筒エンジンを心臓に持つスポーツネイキッド。’21でモデルチェンジし、スズキ二輪車では初採用となる縦2連のLEDモノフォーカスヘッドライトを持った新スタイルに変身した。エンジン/フレーム/足まわりの基本部分は先代から継承しつつもブラッシュアップ。最新の排出ガス規制に適合すると同時に電子制御スロットルを得たことによって電脳装備面が大幅に進化している。SDMS=スズキドライブモードセレクターや双方向クイックシフターが新たに追加されたほかトラコンも従来の3段階+オフから5段階オフへと細かくなり、ビギナーからベテランまでスポーツライディングを楽しめるマシンに仕上がった。
ホンダCB1000R/ブラックエディション:全身黒バージョン登場
旧CBR1000RRベースの直列4気筒エンジンを専用設計のスチールバックボーンフレームに搭載した、ネオカフェ風味のスポーツネイキッド。’21モデルでユーロ5準拠の国内新排出ガス規制適合と同時に、馬蹄形の新型ヘッドライト/ラジエターシュラウド/エアクリーナーカバー/シートレールまわりのデザイン変更を受けてモデルチェンジ。同時にハンドルスイッチやヘッドセットを通じた音声でスマホアプリの操作を行えるボイスコントロールシステムも新採用された。’22ではホイールナットなど細部まで全身を黒で統一したブラックエディションが追加設定された。
ヤマハMT-09/SP:グラフィック変更&シアンホイール採用
’21で歴代初となるフルモデルチェンジを実施。排気量を888ccに拡大して全域パワーアップしたほか、6軸IMUと電子制御スロットルを新採用。電脳装備もトラクションコントロール/スライド/ウイリー/ブレーキコントロールなど大幅に進化した。新作フレームはヘッドパイプ位置を下げたほか剛性を最適化し、ハンドリングと汎用性を向上。上級版となるSPは、フロントKYB製/リヤオーリンズ製サスペンションとなるほか、クルーズコントロールも追加で標準装備となった。カラーリング/グラフィックを変更した’22モデルは、シアンカラーのホイールが新鮮だ。
カワサキZ900シリーズ:Z50周年記念車含め3グレードラインナップ
エンジンやフレーム基本設計などをネオレトロのZ900RSと共有するスポーツネイキッド。電子装備面では、トラクションコントロールやパワーセレクトを統合制御するライディングモードを備え、カラーTFTパネルのメーターにはZ900RSにないスマートフォンとの接続機能「カワサキライディオロジー」も標準で搭載されている。’22国内モデルは、STDが爽やかなイメージのホワイト×グレー。さらに往年のZ1100GPや400GPを彷彿とさせる鮮烈なファイアクラッカーレッドのZ50周年記念車、およびオーリンズ製リヤサスペンションとブレンボ製M4.32ブレーキキャリパー&ラジアルポンプマスターシリンダーを装備した、上級版のSEの3グレードがラインナップされている。
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
充実の電子制御やパワーアップに加え、SPは二輪市販車で世界初採用のサスペンションも ヤマハは、同社の最高峰スーパースポーツ「YZF-R1」のエンジンを仕立て直して搭載したMTシリーズの最高峰モデル「M[…]
[◯] ショーワ電子制御サスペンションが進化。200psが手の内に 「Z H2 SE」は、同系エンジン搭載のニンジャH2 SXの電子制御サスペンション仕様=SE+とは異なり、同じショーワ製ながらリヤに[…]
恐竜顔と4本出しマフラーは健在 ニンジャ1000SXと異なり、シンプルな装備で戦うスーパーネイキッド「Z1000」にニューカラーが登場。圧倒的な迫力を持つ「Sugomi」スタイリングが特徴で、1043[…]
'21 スズキ GSX-S1000 [◯] あのドン突きが解消。クイックシフターも優秀だ GSX-S1000は、タイトな峠道でリッターバイクとは思えないほど軽快に振り回せること、そして第2世代GSX-[…]
切削加工を施したブラック塗装ホイールや、各所にブラックアルマイト加飾を追加 ホンダは、CBR1000RR系のエンジンを搭載するスポーツネイキッドモデルのCB1000Rに、精悍なグラファイトブラック仕上[…]
最新の記事
- 【2024年11月版】50万円以下の250ccバイク おすすめ11選! コスパで選ぶ軽二輪
- バイクの冬眠に向けて。デイトナのメンテナンス/保管用アイテムをAmazonでチェック!【ブラックフライデー前】
- ホンダのタフ・スクーター「ADV350」がマイナーチェンジ! スマホ連携TFTメーター獲得【海外】
- CB400スーパーフォアに代わり、首都高パトロールに黄色のBMW! 「F900XR」を12月上旬より黄バイとして運用
- スズキ「Vストローム250SX」と「Vストローム250」は何が違う? 身近な兄弟車を比較!
- 1
- 2