ビッグバイクの中で、今もっとも人気が集まるヘリテイジクラス。往年のバイクが持つ魅力と現代の技術がもたらす性能が、高いバランスでユーザーニーズにマッチする。’22年ミドルモデルの注目は、火の玉カラーのアニバーサリーモデルも登場したカワサキZ650RSだ。
●文:ヤングマシン編集部(伊藤康司/田宮徹/宮田健一)
カワサキZ650RS/50thアニバーサリー:復刻Zシリーズの第2弾は軽快スリムなミドルモデル
大人気Z900RSに次ぐカワサキ名車復刻シリーズの第2弾。並列2気筒エンジンのスポーツネイキッドZ650をベースとし、900版と同じくZ1/Z2風の外装でまとめ上げたミドルヘリテイジだ。並列2気筒では流行の270度クランクではなく180度クランクで、鼓動感よりもスムーズな吹け上がりを楽しめるキャラクターとなっている。鋼管トレリスフレームはシートレール部分を改修して往年のフォルムを実現。ワイヤースポークを思わせるホイールは650用にサイズを最適化した専用品で、同様にヘッドライトも900よりもモダンなハウジング形状だ。900版と同じく火の玉カラーをまとったZ50周年記念車も設定されている。
ヤマハXSR700:モデルチェンジで各部の質感がグレードアップ
MT-07の使いやすさとスポーツバイクとしてのポテンシャルの高さはそのままに、レトロな装いでまとめあげたヘリテイジネイキッド。’22でモデルチェンジを行い、新排出ガス規制に対応すると同時に、丸1眼のヘッドライトやウインカーをLED化し、タンク&ラジエターのサイドカバーやライトステーをアルミ製に替えて質感が大きく高められた。車体は基本的に先代から踏襲しているが、フロントブレーキ径はφ282→298mmへと拡大。これに合わせてフロントフォークのアウター形状も変更されている。またタイヤ銘柄も新しくなった。車体色にはホワイトとブラックの2色が用意され、タンクにはRZ350風のストライプがあしらわれているのも話題のひとつだ。
カワサキW800シリーズ:空冷バーチカルツインの国産ネオクラ3兄弟
W1に始まるカワサキWシリーズのDNAを現代に受け継ぐ空冷バーチカルツインのネオクラシック。ベーシックなストリート/ビキニカウルとローハンドルでスポーティなカフェ/フロント19インチでもっともクラシカルな最上級版となる無印の3バリエーションで展開されている。そのエンジンは、’99年デビューのW650に採用されたベベルギヤとシャフトでバルブカムを駆動する独特のOHC機構。国内モデルは’22から新排出ガス規制に適合する型式認定を取得し、同時に車体色も3バリエーションそれぞれに新色が与えられた。
カワサキ メグロK3:半世紀の時空を超えて復活した伝説のメグロブランド
昭和39年に川崎重工の前身・川崎航空機工業に吸収された、戦前最後のオートバイメーカー・目黒製作所。最後のモデルである「500メグロK2」は、カワサキWシリーズの先祖となった。そのメグロブランドを時を越えて復活させたのが、このマシン。W800シリーズをベースに、燃料タンクには銀鏡塗装や小傷を自動修復するハイリーデュラブルペイントを施し、車体各部を熟練工の手作業で塗られたエンブレムや美しいクロームメッキなどで装飾した。’22モデルでは美しい車体色をそのままに新排出ガス規制に適合した型式認定を取得。グリップヒーター/ETC2.0車載器/センタースタンド/ヘルメットロックといったものは引き続き標準装備だ。
スズキSV650X:ビキニカウル装備のVツイン優等生カフェ
STDのSV650に対し、サイドスリット入りビキニカウル/セパレートハンドルタックロール入り専用ツートーンシートが与えられ、カフェレーサースタイルにまとめあげられたVツインスポーツモデル。’22モデルで新排出ガス規制に適合した。メーターは6段階の輝度調整が可能なモノクロLCDで、速度計/タコメーター/オド&トリップ/ギヤポジションほかがきれいにレイアウトされている。電子制御については、発進時や低回転走行時のスムーズさを補助するローRPMアシストと、ワンプッシュで始動可能なスズキイージースタートシステムを装備。車体色は’21モデルの継続で、ゴールドフレームとマフラーまで漆黒でまとめあげたボディの対比がシックなグラススパークルブラックの1色設定だ。
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