
ドゥカティが持てる技術のすべてを注ぎ込み、一切の妥協を排して作り上げる限定シリーズに、ついにブランド創業100周年を祝う記念碑的モデル「スーパーレッジェーラV4チェンテナリオ」が登場した。単なる「パニガーレV4の豪華版」だと思ったら大間違いだ。これは、公道走行可能な市販車の枠を完全に踏み越えた、もはや「ナンバー付きのMotoGPマシン」と呼ぶべき異次元の存在なのである。
●文:ヤングマシン編集部)
世界初!カーボンフォーク&カーボンセラミックブレーキの衝撃
今回の目玉は、何といっても足まわりだ。驚くなかれ、フロントフォークのアウターチューブにはカーボンファイバーを採用(オーリンズ製NPX 25/30 Carbon)。さらに、ブレーキシステムには市販車として世界で初めてカーボンセラミックディスク(ブレンボ製340mm)を投入してきた。
これらによるバネ下重量の軽減は凄まじい。スチールディスク比で1枚あたり450gの軽量化、慣性モーメントは40%も低減。指先ひとつの入力で、まるで脳が路面と直結したかのような異次元のハンドリングをもたらすという。
驚異のパワーウェイトレシオ「1.47kg/hp」
心臓部には、ボア×ストロークを変更し排気量を1103ccへと拡大した専用の「デスモセディチ・ストラダーレR 1100」を搭載。
- 公道仕様:228hp
- レーシングキット装着時:247hp
車重は乾燥重量でわずか173kg、キット装着時には167kgまで絞り込まれる。その結果、パワーウェイトレシオは前例のない数値を叩き出した。カーボン製のフレーム、スイングアーム、ホイールといった「黒い外骨格」が、この暴力的なパワーを支える。
ディテールに宿る「100年」の重み
スタイリングを彩るのは、新色「ロッソ・チェンテナリオ」。マット仕上げの深い赤は、1940年代のドゥカティ初期モデルへのオマージュだ。さらに、かつての伝説的モデル「750 F1」を彷彿とさせるトリコローレ仕様も100台限定で用意される。
| 項目 | スーパーレッジェーラV4チェンテナリオ | (参考) パニガーレV4 S |
| 最高出力 | 247hp (キット装着時) | 216hp |
| 装備重量 | 167kg (キット装着時) | 187kg |
| フレーム | フルカーボンファイバー | アルミフロントフレーム |
| フロントフォーク | カーボンアウター加圧式 | アルミ/電子制御 |
26名限定の「MotoGP体験」という究極の付加価値
さらに驚くべきは、オーナー向け特典だ。26名の幸運なオーナーは、ドゥカティの現役MotoGPマシン「Desmosedici GP26」を自ら操縦できるという。これこそ、ドゥカティがファンに提供する究極の夢だろう。
まさに「限界は出発点に過ぎない」という彼らの哲学を具現化した一台。世界500台限定、日本への割り当ては極少となるはずだ。価格は……もはや野暮な質問だろう。これは「バイク」ではなく、100年の歴史が到達した「奇跡」なのだから。
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