懐古系モデルが人気を集める一方で、オートバイのスタンダードスタイルであるネイキッドクラスは、電脳時代をストレートに反映した近未来デザインを続々と採用。’22も最新鋭となったMT-10を皮切りにサイバーな進化を続けている。後編では750cc以下のミドルモデルを紹介する。
●文:ヤングマシン編集部(伊藤康司/田宮徹/宮田健一)
ヤマハ MT-07:イメージ統一した新デザインで最新の排ガス規制に対応
兄貴分のMT-09と同イメージとなる、1灯の新型バイファンクションヘッドライトとY字をモチーフにしたポジションランプを組み合わせたフロントフェイスで、’21に生まれ変わった現行MT-07。エンジンは先代のものを基本的に踏襲し、FIセッティングや吸排気系の仕様変更でユーロ5に適合したほか、極低回転域のレスポンス特性を改善してトルク特性を滑らかなものとした。車体も先代のものをベースに、左右幅を32mm伸ばし高さを12mmアップしたアルミ製の新型テーパーハンドルバーとニーグリップ部も改められた新形状の燃料タンクで、アップライトかつホールド感の増したライディングポジションに変更。フロントブレーキのディスクを大径化して制動力をアップした。
カワサキ Z650/50thアニバーサリー:新型Z650RSのベース車両
ニンジャ650、さらに発売されたばかりのZ650RSともエンジン&基本骨格を共有するパラレルツインのスタンダードネイキッド。ミドルクラスの扱いやすさに加えて、兄貴分のZ900と同系イメージの最新Z顔やスマホ接続機能付きフルカラーメーターなどで魅力的な存在感を放っている。’22はZ900と同じく爽やかなホワイト×グレーの1色設定。欧州/北米では50周年記念カラーもラインナップされた。
ホンダ CB650R:直4のスポーツミドル
CB-Rシリーズの中堅にして、フルカウルのCBR650Rのネイキッド版にあたる直列4気筒スポーツモデル。トラクションコントロールやアシストスリッパ―クラッチを装備し、市街地からワインディングまで楽しめるキャラクターは、’21でショーワ製のSFFBP倒立フォークへのグレードアップにより、さらなるスポーツ性を身に着けた。’22欧州ではシルバーの新色が追加された。
スズキ GSX-S750:エンジンはGSX-R系
GSX-R750譲りの直列4気筒エンジンを公道向けにチューニングし、最終減速比もローギヤードとして鋭い加速を実現。3段階+オフのトラクションコントロールを装備するスポーツネイキッドだ。発進時の回転落ち込みを緩和するローRPMアシスト、ボタン一押しで始動するイージースタートシステムといったスズキおなじみの便利機能も搭載されている。
スズキ SV650:欧州はユーロ5対応
粘りある低回転と伸びのある高回転を発揮する90度Vツインエンジンを搭載したミドルネイキッド。そのエンジンはツインプラグ方式を採用する。登場は’16で、メーターはモノクロのフルデジタル液晶、トラクションコントロールは未装備。’22国内仕様はまだ新排出ガス規制の適合前だが、欧州では外見ほぼ変わらず’21で既にユーロ5適合済みとなっている。
〈参考〉パラツインでホーネットが復活か?!
’21年11月に開催されたEICMA(ミラノショー)で、ホンダはサプライズとして「The Hornet(Hornet Concept)」と題した1分弱の動画を公開。そこには外観シルエットと内部で2つのピストンが上下に激しく動く様子が映し出されていた。しかも排気音は低音でトルキーなもの…。かつてのホーネットは250/600/900と直4で展開されていたネイキッドだったが、ホンダはどうやら並列2気筒でこのブランドを復活させようとしている様子だ。実は以前よりホンダNC750系と異なるミドルクラスの並列2気筒を開発中と噂されており、復活が噂されるトランザルプがこのエンジンを搭載すると囁かれてきた。この新生ホーネットも、その新開発パラツインかもしれない!
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アーカイブ〈’21後期〉大型ネイキッド(〜750cc)
日本車大型ネイキッドクラス ラインナップ(〜750cc)
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