
花粉&黄砂とともに春の訪れを告げる新シーズン体制発表会も終了し、公式テストもひと段落しました。2月27日のMotoGP開幕に向けて胸高鳴りますが、同時に気になるのがヘルメットなどレーシングギアのサポート状況。シェア1位はSHOEIが奪取しましたが、新規格が義務化される2026年の趨勢やいかに?
●文:風間ナオト(ヤングマシン編集部) ●写真/外部リンク:ホンダレーシング, ヤマハ発動機, ドゥカティ, アプリリア, KTM, アライヘルメット, SHOEI, オージーケーカブト, AGV Japan, アルパインスターズ, HJCヘルメット, シャーク, KYT Japan, SUOMY HELMETS JAPAN, スコーピオン, LS2 Helmets, ミシュランタイヤ
- 1 SHOEIが1名増、「X-Fifteen マルケス9」はまさにリアルレプリカ
- 2 2026年から義務化の新規格に、世界で初めて認証を受けたアライヘルメット
- 3 イタリアン3名をサポートするAGV。日本ではお得なプログラム2種を展開
- 4 国内販売が始まったアルパインスターズ。マルティンは旧デザインで復活!?
- 5 着用ライダー1名減のHJC。クアルタラロレプリカは2025年モデル販売中
- 6 ザルコとフェルナンデスが使用するフランスのシャークは現状キープの2名
- 7 バスティアニーニ継続に加え、Moto2王者のモレイラ昇格でKYTは1名増
- 8 脳損傷リスクを軽減するMips搭載のカブト。ミルレプリカは数量限定販売
- 9 バニャイアがひとり被るSUOMY。カモフラ模様は愛犬からのインスパイア
- 10 スコーピオンはリンスが契約3年目。AirFitシステムでタイトなフィット感
- 11 2027年以降は人数が大幅増加!? 有望ライダーを数多くサポートするLS2
SHOEIが1名増、「X-Fifteen マルケス9」はまさにリアルレプリカ
WSBK(スーパーバイク世界選手権)で3度頂点を極めたトプラック・ラズガットリオグル(プリマプラマックヤマハ)のMotoGP参戦で1名増、4名のSHOEIがシェアトップに立ちました。
ディフェンディングチャンピオンで8回目の最高峰クラス王者を狙うマルク・マルケス(ドゥカティレノボチーム)、前年ランキング2位の弟アレックス(BK8グレシーニレーシング)、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナエンデューロVR46レーシングチーム)も継続で、『X-SPR Pro 02(X-Fifteen 02)』で2026年シーズンを戦います。
『X-Fifteen マルケス9』。写真ではグレーになっている頭部エアアウトレットが、量産仕様では帽体と同じ色のルミネッセントレッドになるそう
人気のレプリカモデルは2月19日に『X-Fifteen マルケス・モテギ5』『X-Fifteen エーマルケス・セブンティスリー・ブイスリー』、3月25日に『X-Fifteen マルケス9』『X-Fifteen トプラック』が出荷。5月には『X-Fifteen ディジャ2』のニューカラーもラインナップに加わります。
『マルケス9』はスペインのノンアルコールビール、エストレージャ・ガリシア 0,0、ドゥカティのタイトルスポンサーであるレノボなどのマークも入ったまさにリアルレプリカ。
2026年1月に発売、ヘルメット製造技術を活かした数量限定のGFRP製キャリーケース、『X-CORE』をあわせてゲットすればマルクになった気分がさらにアップするかも?
『X-Fifteen ローソン』や『X-Fifteen ガードナー(TC-1)』『X-Fifteen レイニー』など、これから登場を待つレジェンドライダーのレプリカも古くからのGPファンには堪りません。
リバリー画像のマルク・マルケス。3月25日出荷予定の『X-Fifteen マルケス9』はスポンサーのマークも入ります
2026年から義務化の新規格に、世界で初めて認証を受けたアライヘルメット
アライの顔となった小椋藍。章仁副社長によると「お任せで一部に毎回アドリブ的なアレンジ」が施されているとか
2025年9月に発売となった『RX-7X FIMレーシング #2』。新規格『FRHPhe-02』適合のレーシング仕様
最高峰クラス2年目となる小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)、2027年にファクトリーチームへ昇格するのでは? といわれるマーベリック・ビニャーレス(レッドブルKTMテック3)の2名とレギュラーライダーの数は控えめながら信頼感はいまだ抜群のアライヘルメット。2025年からレーシングスーツをダイネーゼに戻したKTMのテストライダー、ダニ・ペドロサが、アライを被り続けるのも高い安全性がゆえでしょう。
2026年シーズンから義務化となるFIM(国際モーターサイクリズム連盟)が制定した新たな規格『FRHPhe-02』の公認をまだ受けられていないメーカーもある中(2026年2月24日時点)、アライは2023年に世界初認証。その際にはホルヘ・ビエガスFIM会長から「ライダーの頭を護ることを向上させるという取り組み」を称賛されたそう。
本格レーシング仕様の『RX-7X FIMレーシング #2』は、帽体に強靭かつ軽量な『PB-SNC2』を採用。アライ製品すべてに共通する“衝撃をかわしやすい”丸く滑らかなフォルムが追求されています。
イニシャルである“A”の文字と藍色に本人のこだわりが反映されている小椋モデルは大人気。ビニャーレスレプリカもマーベリックという名前の由来となった映画『トップガン』からイメージしたデザインで好評販売中です。
ホルヘ・ロレンソをコーチに迎えたマーベリック・ビニャーレス。今季こそ異なる4メーカーでの勝利達成となるか?
イタリアン3名をサポートするAGV。日本ではお得なプログラム2種を展開
セパンテスト前日にアプリリアとの2年の契約延長を発表し、現地で“アルバローザ”こと愛機RS-GPとの結婚式(?)を挙げた2025年ランキング3位のマルコ・ベッツェッキ(アプリリアレーシング)、ホンダのコンセッション(優遇措置制度)ランクアップ(DからC)に貢献したルカ・マリーニ(ホンダHRCカストロール)、荒っぽいライディングをもうちょっと控えてほしい(笑)フランコ・モルビデリ(プルタミナエンデューロVR46レーシングチーム)のイタリアン3名をサポートするAGVが、現状維持のシェアNo.2。
お高いイメージがあるAGVですが、ユーロギア ダイネーゼ&AGVジャパン事業部は、すべてのユーザーが月々の負担を抑えながら理想のアイテムを手に入れられるように金利手数料を見直し、金利0%を実現。
これは全国のダイネーゼストアおよびオンラインストアにて最大36回の分割払いで購入する際に金利手数料をユーロギアが負担するもので、メンバー登録(無料)、毎月の支払い額が3,000円以上あることが利用条件となっています。
あわせて成約時点で満25歳以下のライダーが対象の『U25プログラム』も実施。全国のダイネーゼストアにてダイネーゼおよびAGV全商品を常時10%OFFで購入できます。なお、これらのプログラムはセール・アウトレット品は対象外なので、お買い物の際は忘れずに。
“アルバローザ”こと愛機RS-GPとの結婚(?)を祝したスペシャルカラーでセパンテストに臨んだマルコ・ベッツェッキ
ホンダの優遇措置ランクアップに貢献したルカ・マリーニ。競争力が向上したマシンでさらなる好成績を目指します
国内販売が始まったアルパインスターズ。マルティンは旧デザインで復活!?
2027年のヤマハ移籍が噂される2024年チャンプ、ホルへ・マルティン(アプリリアレーシング)、ドゥカティファクトリー加入が囁かれるペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリーレーシング)、鈴鹿8耐制覇にも意欲を見せているジャック・ミラー(プリマプラマックヤマハ)が使用するアルパインスターズが、同率2位を堅持。
度重なる怪我のみならず、360万円以上するというトレーニング用自転車を盗まれるなど、散々な1年を過ごしたマルティンは、「Back to pink!」とピンクのラインがあしらわれた2024年のデザインに戻し、捲土重来を期します。
2025年9月に日本でも正規販売が始まった『スーパーテックR10』は、3K高密度カーボン外層、UDカーボンコンポジット層、ガラスファイバー/ナイロンファイバー層、アラミドファイバー層からなる多層複合構造を採用し、SG・PSC・MFJ規格に適合。空力効率と安定性を両立するエアロフォルム帽体は、レーシングスポイラーとウィングレットにより空気抵抗をさらに4.54%低減。水平視野220°、垂直視野57°を確保し、ライディング時の最大視野を得ています。アジアンフィット内装となっているのも嬉しい点。
散々な1年を過ごしたホルへ・マルティンはタイトルを獲得した2024年デザインに。ピンクのラインがあしらわれる
ジャック・ミラーの2026年モデルはフレアパターン。MotoGPでの活躍はもちろん、鈴鹿8耐制覇にも意欲を見せる
着用ライダー1名減のHJC。クアルタラロレプリカは2025年モデル販売中
ホンダファクトリー加入が取り沙汰されているファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジーヤマハMotoGP)、最高峰クラス7年目を迎えるブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリーレーシング)のふたりが、最高峰の舞台で韓国ブランドをアピール。ミゲール・オリベイラがWSBKに転向(ヘルメットもNOLANにチェンジ)したため、着用ライダーは1名減のふたり。
クアルタラロは、自身の愛称“エル・ディアブロ(悪魔)”の顔が頭頂部に描かれたパープルを基調としたヘルメットでテストに登場。SG・JIS・ MFJの公認を受けた『RPHA12』ベースの『RPHA12 クアルタラロ 2025』は、日本国内でも販売中(MotoGPライダーは『RPHA1 V2』を着用)です。
ビンダーは、母国である南アフリカ共和国の国旗をイメージしたデザイン。ライダーの個性やこだわりが盛り込まれた意匠が多い中、ナショナルカラーのヘルメットはもはや珍しい存在かも。
パープルを基調としたテスト用ヘルメットでセテストに登場したファビオ・クアルタラロ。2025年レプリカも販売中
南アフリカ国旗をイメージした、ナショナルカラーのヘルメットで走り続ける母国の英雄、ブラッド・ビンダー
ザルコとフェルナンデスが使用するフランスのシャークは現状キープの2名
2025年のフランスGPで自身初、ホンダ陣営に久しぶりの優勝をもたらしたヨハン・ザルコ(ホンダLCRカストロール)、こちらもMotoGPクラス初優勝を飾った小椋の同僚、ラウル・フェルナンデス(トラックハウスMotoGPチーム)の2名が使用し、フレンチメーカーのサポートライダー数は現状キープ。
『Aeron(アーロン)GP FIM RACING #2』へと進化したレーシングトップモデルは、特許を取得している可動式のエアロシステムが特徴で、フラッグ効果を80%低減し、軸方向の力を抑制。乱気流を50%、空気抵抗を5%軽減し、最高速度と高速時の安定性向上につなげています。また、『FRHPhe-02』規格準拠にあたり、バイザーロックシステムも強化されているそう。現在、日本で正規販売されていないのが残念なところ。
ザルコがテストで被ったデザインは、彼のシグネチャーモデルを再現したもので、オフシーズン限定とのことです。
ザルコが被っている『Aeron GP FIM RACING #2』は自身のシグネチャーモデルを再現したオフシーズン限定カラー
2025年オーストラリアGPでMotoGPクラス初優勝を飾ったラウル・フェルナンデス。小椋の同僚であり、ライバル
バスティアニーニ継続に加え、Moto2王者のモレイラ昇格でKYTは1名増
エネア・バスティアニーニ(レッドブルKTMテック3)継続に加え、2025年のMoto2チャンプ、ディオゴ・モレイラ(ホンダLCRプロホンダ)が最高峰クラスに昇格し、1名増えてふたりとなりました。
インドネシアのメーカーですが、研究開発と設計はイタリアを拠点にしており、いわばSUOMYとは兄弟ブランド。レプリカモデルを含む『KX-1 RACE GP』は、KYTプロショップおよびKYTショップで入手が可能。ECストアでも購入できます。
スポイラーに描かれた犬のイラストがかわいいバスティアニーニのヘルメットは、ドゥカティからKTMに移籍したタイミングで、ドゥルーディパフォーマンスからスターラインデザイナーズへとデザインの委託先を変更。モレイラはmrdレーシングデザインズに頼んでいるようです。
犬のイラストがかわいいエネア・バスティアニーニのヘルメット。KYT製品はKYTショップやECストアで入手が可能
最高峰クラスに昇格した2025年のMoto2チャンプ、ディオゴ・モレイラ。グラフィックはmrdレーシングデザインズ
脳損傷リスクを軽減するMips搭載のカブト。ミルレプリカは数量限定販売
2020年王者のジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)は、『F-17(エフ・イチナナ)V RACING-E』で2026年シーズンに挑みます。
カブトが先駆けて搭載する“Mips(Multi-Directional Impact Protection System)”は、頭部への斜角衝撃から生まれる回転運動が脳に伝わるのを防止し、脳損傷のリスクを軽減する安全技術で、ミルの2025年シーズンシグネチャーモデル『F-17 Mips ジョアン・ミル』をはじめとするレプリカ、カーボンシェルのプレミアムモデル『F-17R Mips』にも採用されています。
いずれもテストライダーとしてメーカーを支えるミケーレ・ピッロ(ドゥカティ)とアレイシ・エスパルガロ(ホンダ)は、ともに2025年にワールドカード参戦しているので、今季も実戦でその勇姿を見ることができそうです。
オフシーズン用ヘルメットでRC213Vを駆るジョアン・ミル。本番仕様ともどもスターラインデザイナーズの意匠
桜吹雪が舞う、和テイストが美しいアレイシ・エスパルガロのヘルメット。このカラーのモデルも発売されるかも?
バニャイアがひとり被るSUOMY。カモフラ模様は愛犬からのインスパイア
アプリリアと契約締結か!? と移籍情報で周囲が騒がしいフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティレノボチーム)が、MotoGPクラスでただひとり被るSUOMY。
スターラインデザイナーズによるグラフィックは、本人インタビューによると「愛犬のダックスフント、ターボの体にある斑点を表現。毛からインスパイアされたカモフラージュ柄」だそう。
気になる“ペッコ”レプリカは、SUOMY公式ECサイトなどで好評販売中。中でも『S1-XR GP バニャイア ワールドチャンピオン ゴールドリミテッドエディション』『S1-XR GP PECCO モンスターレプリカ』は残りわずか(2026年2月24日時点)だそうで、2月中は毎週金曜日(19時頃公開、21時スタート)に何らかのキャンペーンがアウトレットサイトで実施される模様です。
日本導入については不明ですが、海外ではバニャイアの2025年レプリカもリリースされるよう。
愛犬ターボの斑点と毛をモチーフにしたカモフラージュ柄が施されています。2025年デザインからの正常進化版
スコーピオンはリンスが契約3年目。AirFitシステムでタイトなフィット感
韓国キドスポーツがアメリカで設立したスコーピオンの広告塔は、契約3年目のアレックス・リンス(モンスターエナジーヤマハMotoGP)。
FIM承認の『EXO-RACE AIR』が採用する、エアポンプでチークパッドを調整する“AirFitシステム”は、よりタイトなフィット感を実現。高速走行時のブレやリフトを最小限に抑えます。出したり引っ込めたり長さの変えられるリアスポイラーも特徴です。
最近はスペシャルヘルメットを投入するライダーが多いですが、アラゴンにルーツを持つというリンスも2025年のアラゴンGPで地元の小学生たちがデザインしたヘルメットで走りました。
2027年以降は人数が大幅増加!? 有望ライダーを数多くサポートするLS2
トレーニング中のアクシデントで左大腿骨を折り、チームの体制発表会、オフィシャルテストと公の場に姿を現していないフェルミン・アルデゲル(BK8グレシーニレーシング)ですが、LS2継続と見て問題ないでしょう。
日本で正規販売されているレーシングモデル『THUNDER C GP』は、MFJ2022規格公認。リアスポイラー『RS-1』もオプションで取り付け可能となっています。
2025年のMoto2ランク2位、マヌエル・ゴンサレス、Moto2で2勝を挙げているセナ・アギウス(ともにLIQUI MOLY Dynavolt インタクトGP)らをサポートするなど、すでに他カテゴリーでは存在感を示しているスパニッシュメーカーなので、2027年以降は最高峰クラスでも人数が増えるかもしれませんね。
2025年秋のバレンシアテストで走行するフェルミン・アルデゲル。LS2は多くの若手有望ライダーをサポートする
【使用ヘルメット一覧】
■ホンダHRCカストロール
- 10. ルカ・マリーニ(AGV)
- 36. ジョアン・ミル(オージーケーカブト)
■ホンダLCR
- 5. ヨハン・ザルコ(シャーク)
- 11. ディオゴ・モレイラ(KYT)
■モンスターエナジーヤマハMotoGP
- 20. ファビオ・クアルタラロ(HJC)
- 42. アレックス・リンス(スコーピオン)
■プリマプラマックヤマハ
- 7. トプラック・ラズガットリオグル(SHOEI)
- 43. ジャック・ミラー(アルパインスターズ)
■ドゥカティレノボチーム
- 63. フランチェスコ・バニャイア(SUOMY)
- 93. マルク・マルケス(SHOEI)
■BK8グレシーニレーシング
- 54. フェルミン・アルデゲル(LS2)
- 73. アレックス・マルケス(SHOEI)
■プルタミナエンデューロVR46レーシングチーム
- 21. フランコ・モルビデリ(AGV)
- 49. ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(SHOEI)
■アプリリアレーシング
- 72. マルコ・ベッツェッキ(AGV)
- 89. ホルヘ・マルティン(アルパインスターズ)
■トラックハウスMotoGPチーム
- 25. ラウル・フェルナンデス(シャーク)
- 79. 小椋藍(アライヘルメット)
■レッドブルKTMファクトリーレーシング
- 33. ブラッド・ビンダー(HJC)
- 37. ペドロ・アコスタ(アルパインスターズ)
■レッドブルKTMテック3
- 12. マーベリック・ビニャーレス(アライヘルメット)
- 23. エネア・バスティアニーニ(KYT)
【メーカー別レギュラーライダー数】
- SHOEI:4
- AGV:3
- アルパインスターズ:3
- アライヘルメット:2
- HJC :2
- シャーク:2
- KYT:2
- オージーケーカブト:1
- SUOMY:1
- スコーピオン:1
- LS2:1
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