●まとめ:ヤングマシン編集部 ※本記事では原則として、記事作成/更新時点で車両メーカーから国内販売がアナウンスされている公道走行可能車両を対象としています。
RS660シリーズ概要:多彩な電脳、扱いやすさもあるミドルSS
ミドルクラスのスーパースポーツで、搭載するエンジンには並列2気筒を採用。コンパクトなエンジンにより、より軽さを追求できるだけでなく、インテークやエキゾーストなどエンジン周りのコンポーネント配置の自由度も比較的高められる。なお本モデルのエンジンはRSV4のエンジンの前側バンクを切り出したような造りとなっていて、各部にRSV4のレーシング技術を自然と応用。100HPで十分、とある意味割り切った最高出力も特徴だ。
また270度位相となっており、アプリリアによれば点火順序が90度Vツインエンジンに近いことを採用理由に挙げている。同社はVツインをスポーツバイクに採用していた過去があり「90度Vツイン独特のフィーリングやサウンドを再現するため」とのこと。
ミドルクラスとしては頭ひとつ抜けた、多彩な最先端電子デバイスの装備も特徴だ。アプリリアが6軸慣性プラットフォームと呼ぶジャイロスコープや、トラクションコントロールにクルーズコントロールなどなど。多彩な電子制御を搭載している。ブレーキにはマルチマップコーナリングABSを採用。軽量かつコンパクトながら、横Gやフロントブレーキの握り具合、バンク角といった車体の状況を多角的にキャッチ。ブレーキを最適化してくれる、高度なABSだ。また、ストリート用に3つ、サーキット用に2つと計5種類のライディングモードを用意。中でも”Indivisualモード”は、電子制御機能を自由にカスタマイズできる。
アプリリアはRS660をただ速いバイクとしてのみならず、バイクに乗る歓びと楽しさを再発見できるようなものに仕立てたと言う。RS660は、各種電脳などによる高いスポーツ性と、軽量でパワーがありすぎない扱いやすさを両立させた新しいミドルスーパースポーツだ。
国内投入は2020年に発表し2021年にデビュー。エクストリーマ、STDは2023モデルのまま販売中。リミテッドエディションは2022年に発売され、現在もラインナップに掲載中。
2023 RS660[STD]:モダンで洗練されたデザイン
RS660のスタンダードモデル。デザインは凝縮感・塊感がありつつ、曲面を用いるなどしてダイナミックさも与えている。スポーツモデルに求められる空力性能を確保しつつ、美しボディラインでモダンかつ大人びた印象も演出しているのはアプリリアならでは。
当初はアシッドゴールドを含めて3色の設定だったが、2023モデルから新色2色展開に。レーシングブラックは黒がベースで赤をアクセントに。トリビュートは紺/白/赤の3色の配色。こちらはスポーティーでありつつ、軽快さもあるカラーだ。
アプリリアの人気6モデルに2023年ニューカラーが追加 アプリリアが2023年モデルとしてニューグラフィックを導入した6モデルは下記のとおり。なお、エンジンなどの主要諸元に変更はない。 RSV4 FA[…]
2023 RS660 エクストリーマ:特製エキゾーストとカーボンパーツ
RS660の上級仕様。最大の特徴はSCプロジェクトのエキゾーストを装備していること。SCプロジェクトとはマフラー等のカスタムパーツを製造するイタリアのメーカーで、自社の敷地に構えるサーキットでのテストライドやMOTOGP参戦といったレースシーンでの実践経験を活かした製品開発を得意とする。
この本格志向のエキゾーストに見合ったバイクとするため、車体側にも様々な工夫が凝らされている。たとえば、逆シフト対応クイックシフトソフトウェアを組み込むことで、本格的なタイムアタックでの使用に耐えうる構成に。車体色にはイタリアンなチェッカーフラッグのパターンを取り入れることで、SCプロジェクトのロゴマークとの統一感を演出。
またもうひとつの大きな特徴として、カーボン製のアンダーカウルとフロントフェンダーを採用。これはエキゾーストとデザイン面で調和するのみならず、3kgの軽量化に貢献している。
SCプロジェクトとアプリリアのレース思想を体現した、より”走り”に振ったモデルといえる。
RS660 エクストリーマの写真をまとめて見る(全10点) ひと目で特別仕様車とわかる個性的なカラーと特別装備 RS 660は、軽量コンパクトなミドルサイズの車体に、100psを発生する270度クラン[…]
2022 RS660 リミテッドエディション:王者記念の限定車
RS660もう一つの上級仕様。アメリカ国内選手権Moto America(モトアメリカ)中間排気量部門で2021年のチャンピオンを獲得しているRS660。本モデルはその勝利を記念して、1500台限定で生産されたものである。
アメリカの国旗を彷彿とさせる星やストライプを車体色として施し、アメリカでの勝利を象徴するモデルとする。フューエルタンクにはシリアルナンバーが刻印。またシングルシート仕様とすることで、レプリカモデルとしての趣も強く感じさせている。
RS660シリーズの主要諸元
RS660シリーズ
RS 660 series | |
エンジン | 4ストローク 水冷並列2気筒 DOHC 4バルブ |
総排気量 | 659 cc |
最高出力 | 100 HP (73.5 kW) / 10,500 rpm |
最大トルク | 67.0 Nm (6.83 kgm) / 8,500 rpm |
燃料供給方式 | 電子制御燃料噴射システム、Φ48 mm ツインスロットルボディ、 ライド・バイ・ワイヤ エンジンマネージメントシステム |
トランスミッション | 6速 アプリリアクイックシフト(AQS) アップ&ダウンシステム |
クラッチ | 機械式スリッパーシステム付湿式多板クラッチ |
電子制御マネージメント | 6軸IMU、APRC機能 : ATC(トラクション・コントロール)、AWC(ウィーリー・コントロール)、 AEM(アプリリア・エンジン・マップ)、AEB(アプリリア・エンジン・ブレーキ)、ACC(アプリリア・クルーズ・コントロール) 、5種のライディングモード(プリセット 3種・カスタム 2種) |
フレーム | ダブルビームアルミ製フレーム |
サスペンション(F) | KYB製テレスコピック倒立フォークΦ41 mm リバウンド、 スプリングプリロードアジャスタブル ホイールトラベル120 mm |
サスペンション(R) | アルミニウム製スウィングアーム モノショックアブソーバー リバウンド、 スプリングプリロードアジャスタブル ホイールトラベル130 mm |
ブレーキ(F) | 320 mm径デュアルディスク、ブレンボ製ラジアルマウント32 mm 対向4ピストンキャリパー、ラジアルマスターシリンダー、メタルメッシュホース |
ブレーキ(R) | 220 mm径ディスク、 ブレンボ製34 mm 2ピストンキャリパー、 メタルメッシュホース |
ABS | マルチマップ コーナリングABS |
ホイール(F/R) | (F)3.5J x 17 (R)5.5J x 17 軽量アルミホイール |
タイヤ(F/R) | チューブレス ラジアル (F)120/70 ZR 17 (R)180/55 ZR 17 |
全長/全幅 | 1,995 mm / 745 mm |
ホイールベース | 1,370 mm |
シート高 | 820 mm |
車両重量 | 装備重量:183 Kg ( RS 660 EXTREMA:180 Kg ) |
燃料タンク容量 | 15 L |
RS660シリーズ:関連リンク
RS660シリーズを購入したい! 車両販売情報はこちら
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
- 1
- 2