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●文:ヤングマシン編集部(伊藤康司 田宮徹 宮田健一) ※情報更新日:2022年8月10日
ヤマハYZF-R7/WGP 60thアニバーサリー 概要
MT-07の並列2気筒エンジンとフレームをベースに、フルカウル/セパレートハンドル/倒立フォークが与えられたミドルスーパースポーツ。73psの扱い切れるパワーと税込100万円を切るリーズナブルな価格で、エントリー層からサーキットを含めた本格スポーツ走行を楽しめるモデルとした。エンジンの最高出力&トルクはMTそのままに、アシストスリッパークラッチを新装備したのに加え、2次減速比をロングにして伸び感を向上。車体は倒立フォークやセンターブレース追加などで剛性を高めたほか、量産車では初となる純ラジアルマウントタイプのブレンボ製マスターシリンダーが採用された。
’22 ヤマハYZF-R7 [STD]
主要諸元
【’22 YAMAHA YZF-R7】■水冷4スト並列2気筒DOHC4バルブ 689cc 73ps/8750rpm 6.8kg-m/6500rpm ■188kg シート高835mm 13L ■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ■クイックシフター(アップ/オプション) ●色:ディープパープリッシュブルーメタリックC ヤマハブラック ●価格:99万9900円
【カラーバリエーション】ブルー×ブラックと単色ブラックの2パターン。リヤフェンダーのリフレクター以外に大きな違いはない。
スタイリング
エンジン/メインフレーム/スイングアームはMT-07のものをベースとしつつ、前後サスと三つ又の変更でスーパースポーツらしい前下がりの車体姿勢を実現。トレール90mmを維持しつつキャスター角を24.8°から23.7°と立てて、前後分担荷重は49.4%:50.6%から50.7%:49.3%へ。これにより、軽快性と直進安定性の両立が図られた。
最大バンク角53°を実現する車幅はYZF-R1~R15までの間でもっともスリム。タイヤはブリヂストンのバトラックスハイパースポーツS22を履いて、スポーツ走行に対応する。
ライディングポジション
R1やR6ほどではないがしっかり低いセパレートハンドル。ステップも高い位置。シートも程よい腰高感とスーパースポーツらしい前傾ライディングポジションが取れつつ、公道での扱いやすさにも幾分か配慮。両足指まで地面に着き、引き起こしは軽い。[身長170cm/体重58kg]
エンジン/シャーシ/足まわり
【MT譲りのエンジン】270度クランクのCP2ことクロスプレーンクランク並列2気筒、排気量689cc/最高出力73psのMT-07エンジンを採用。トラクションコントロールやパワーモードなどは装備していないが、十分なパワーと扱いやすさで評価が高い2次減速比の変更と、同エンジンでは初となるアシストスリッパークラッチにより、高揚感あるスポーティな走りを実現する。
MT-07と同じ基本骨格に、スポーツ走行対応のためセンターブレースを樹脂からアルミへ変更。各部の締結剛性を最適化した。これによりピボットまわりのねじり剛性や全体の剛性バランスが強化された。
フロントの足まわりはKYB製のフルアジャスタブルφ41mm倒立フォーク/アドヴィックス製ラジアルマウントブレーキキャリパーで強化している。
主要装備
M字ダクト奥に新開発の小型LEDヘッドランプを配し、その周囲から新気をエアクリーナーへ送風。ライト脇にはLEDポジションも配置。
R1/R6に迫る本格的雰囲気のコクピット。かなり肉薄なトップブリッジは穴開けも検討されたが、強度確保のためにリブ加工のみになったという。
ピストンが斜めのセミタイプではなくまっすぐとなっているブレンボ製の純正ラジアルマスターシリンダー。量産車に搭載されるのは世界初だ。
’22 YZF-R7 WGP 60thアニバーサリー
ヤマハのWGP参戦60周年を記念し、YZR500をモチーフにした白×赤の特別カラーがYZF-Rシリーズ各車に設定。R7では限定400台の生産。車両価格はSTDから5万5000円高だ。
主要諸元
【’22 YAMAHA YZF-R7 WORLD GP 60th ANNIVERSARY】■水冷4スト並列2気筒DOHC4バルブ 689cc 73ps/8750rpm 6.8kg-m/6500rpm ■188kg シート高835mm 13L ■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ■クイックシフター(アップ/オプション) ●色:シルキーホワイト ●価格:105万4900円
足まわり
ホイールはゴールド仕上げ。フルアジャスタブルのφ41mm倒立フォーク&ラジアルマウントキャリパーを採用する。
R1の肉抜きを連想させるリブ入りトップブリッジ。サスペンションアジャスターのゴールドカラーと60周年記念エンブレムが光る。
主要装備
60周年カラーはダクト上の黄色ゼッケンが共通イメージを醸し出す。
60周年カラーは、’80年にYZR500として初めてアルミフレームを採用したOW48をモチーフとする。この年には前後サスにも新技術を投入したほか、フロントブレーキにアルミ製キャリパーを装備し、YPVS(ヤマハパワーバルブ)改良による全回転域のパワーアップと、冷却系見直しによる信頼性向上を果たした。ケニー・ロバーツの3年連続王座を支えたマシンの1台だ。
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