快適性と走る楽しさを両立したスポーツツーリングクラス。’21の3代目ハヤブサに引き続き、’22年も新型モデルが各社から続々と登場。ツーリングブームとともに目が離せないカテゴリーだ。
●文:ヤングマシン編集部(伊藤康司/田宮徹/宮田健一)
カワサキ ニンジャH2 SX/SE:前車追従型クルーズコントロールでハイウェイ移動は楽々
カワサキならではのバランス型スーパーチャージドエンジンを搭載するスポーツツアラーが’22でモデルチェンジ。ECUを含むシステムコアを入れ替えて、エンジンパフォーマンスアップや電子制御の強化等さらなる進化を果たした。なかでも注目は、国産車初となるボッシュ製のミリ波レーダー支援システム=ARASの採用。これにより前車追従型クルーズコントロール/死角検知/前方衝突警告といった先進安全装備を獲得した。他にも坂道発進を容易にするビークルホールドアシスト/エマージェンシーストップシグナルなども追加。カラーTFTメーターはスマホ連動でボッシュがベースを開発したアプリ「カワサキSPIN」に対応している。ショーワのスカイフックテクノロジーを採用した電子制御サスペンションとブレンボキャリパーを装備した上級版のSEも引き続き設定される。
スズキ GSX-S1000GT:電脳装備を一気に強化。デザインもサイバー風味だ
シンプル装備が特徴のひとつだったフルカウルスポーツのGSX-S1000Fが、ユーロ5対応に伴い車名も「GT」に代えて大幅に進化。Fでは未装備だったクイックシフター/フルカラーメーター/スマホ接続機能といった電子制御装備をたっぷり採用し、グランドツアラーとしてライバルに肩を並べる存在となった。やはり’21でモデルチェンジとなったネイキッドのGSX-S1000とはエンジンやメインフレームといった主要コンポーネンツを共用するが、タンデム快適性を高めるための新作シートレールやハンドルやステップへの振動対策など外装以外にも各所に手が加えられている。メーターがフルカラーなのもこのGTのみだ。
カワサキ ニンジャ650/KRTエディション:90万円強でスマホ接続など機能充実
68psの扱いやすいパラツインと”ちょうどいい”サイズ感で、日常域からツーリングまで楽しめるフレンドリーさが魅力のニンジャシリーズ中堅モデル。’20のモデルチェンジでシリーズ共通の逆スラント顔のカウルやスマホ連携機能を持ったフルカラーTFTメーターなどでブラッシュアップを果たしたほか、欧州仕様ではユーロ5に対応。国内仕様も’21年12月発売の’22モデルにて、WMTCモードの燃料消費率表示こそ23.6→23.0km/Lとなったが、最高出力&最大トルクは従来と同じままで新排出ガス規制適合となった。車体色はSTDのカラー&グラフィックが変更され、KRTエディションは従来色が継続。車両本体価格はどちらの色も共通で、’21から1万1000円アップの91万3000円だ。
ホンダ CBR650R:スポーツ性能とツーリング性能がバランス
100万円強で買えるフルカウル4気筒スポーツとして人気のモデル。アグレッシブなデザインのカウルに、ショーワ製のSFF-BP倒立フォークとラジアルマウントのブレーキキャリパーをフロントに採用するなど、CBR650Fに「R」な部分をしっかり組み込んだパッケージングが魅力だ。直4エンジンはアッパーカウル左右のダクトから吸気するラムエアシステムを備え95psを発揮。オン/オフ2段階のトラクションコントロールも備え、ワインディングを中心にスポーツライディングを手軽に楽しませてくれる。欧州で発表された’22モデルはカラーチェンジのみで、グラフィックを変更したレッドと、オレンジのハイライトが入ったマットブラックの2色が用意されている。
ヤマハ ナイケンGT:フロント2輪がスポーツ性能に大きな安定感をプラス
バンク角に応じて傾くフロント2輪にリヤ1輪を組み合わせたヤマハ独自のLMW(リーニングマルチホイール)フラッグシップ「ナイケン」。旋回時に最適な舵角を生み出すLMWアッカーマンジオメトリー技術でスポーツツアラーとしての性能を存分に発揮する。エンジンは先代MT-09系の並列3気筒で排気量は845cc。2段階+オフのトラクションコントロール/3段階パワーモード/クイックシフターといった電子制御装備を備えている。GTは大型スクリーン/専用シート&タンデムグリップ/グリップヒーターなどを標準装備とした上級仕様。国内仕様の’22モデルはこのGTのみが受注生産で発売された。仕様/諸元/車体色は従来と同じ。
ホンダ VFR800F:ホンダ伝統の90度V4
往年のRC30やRC45のDNAを受け継ぐホンダ伝統の90度V型4気筒エンジンやプロアームに加え、バルブ休止機構のハイパーVTECを特徴とするスポーツツアラー。インターセプターカラーの現行型は’18に登場し、トラクションコントロールやETC2.0車載器も標準装備だ。
※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
カワサキモータースジャパンは、海外で発表されたばかりの「Ninja H2 SX / SE」および「VERSYS 650」について、2022年初夏に日本国内へ導入すると発表した。価格や日本仕様のスペック[…]
電子制御が進化し、スマートフォン接続には専用アプリ「SUZUKI mySPIN」を初導入 スズキは新型スポーツツーリングモデル「GSX-S1000GT」をついに国内正式発表。先に欧州などで発表されてい[…]
KRTエディションは継続、ニューカラーはグリーンの差し色が効いた白×灰だ! カワサキは、649ccの並列2気筒エンジンを搭載するカウル付きスポーツバイク「ニンジャ650(Ninja 650)」をモデル[…]
路面追従性の向上と軽量化を両立するSHOWA製の倒立フォーク「SFF-BP」を採用 ホンダは並列4気筒エンジンを搭載するフルカウル・ロードスポーツモデル「CBR650R」の2021年モデルを発表。主な[…]
トリシティ125、155に続くLMWシリーズ第3弾として、2018年9月に受注開始となったヤマハのナイケン。初の派生モデルである“GT”は、大型のハイスクリーンや厚みを増した専用シートをはじめ、グリッ[…]
最新の記事
- 【2024年11月版】50万円以下の250ccバイク おすすめ11選! コスパで選ぶ軽二輪
- バイクの冬眠に向けて。デイトナのメンテナンス/保管用アイテムをAmazonでチェック!【ブラックフライデー前】
- ホンダのタフ・スクーター「ADV350」がマイナーチェンジ! スマホ連携TFTメーター獲得【海外】
- CB400スーパーフォアに代わり、首都高パトロールに黄色のBMW! 「F900XR」を12月上旬より黄バイとして運用
- スズキ「Vストローム250SX」と「Vストローム250」は何が違う? 身近な兄弟車を比較!
- 1
- 2