最先端の電脳装備と爆発的な高回転パワーで究極の速さを追求するスーパースポーツは今年でカテゴリー30周年。リッタークラスは限界のさらに向こう側へ挑戦し、ミドルクラスが新たな流れとして多くのライダーを魅了する。
●文:ヤングマシン編集部(伊藤康司/田宮徹/宮田健一)
ミドルSSの大躍進が訪れそうな予感
レースでの戦闘力に先鋭化を続けるリッタースーパースポーツは、想定速度300km/h以上、価格ももはや230万円以上は当たり前、300万円超も珍しくなしと、一般ライダーから離れた存在となりつつある。そんな中で最近注目を集めているのがミドルスーパースポーツクラスだ。国産では税込で100万円を切るヤマハYZF‐R7が発売となり話題となった。ホンダのCBR600RRやカワサキZX‐6Rも、リッタースーパースポーツより台数的には好セールス。カテゴリーの主役がそろそろ入れ替わるかも。
ヤマハYZF-R7/WGP 60thアニバーサリー:税込100万円切りの本格スーパースポーツ
MT-07の並列2気筒エンジンとフレームをベースに、フルカウル/セパレートハンドル/倒立フォークが与えられたミドルスーパースポーツ。73psの扱い切れるパワーと税込100万円を切るリーズナブルな価格で、エントリー層からサーキットを含めた本格スポーツ走行を楽しめるモデルとした。エンジンの最高出力&トルクはMTそのままに、アシストスリッパークラッチを新装備したのに加え、2次減速比をロングにして伸び感を向上。車体は倒立フォークやセンターブレース追加などで剛性を高めたほか、量産車では初となる純ラジアルマウントタイプのブレンボ製マスターシリンダーが採用された。
カワサキ ニンジャZX-6R/KRTエディション:排気量ちょい多めの636cc
レースレギュレーションに縛られない636ccの排気量設定で、ツーリングシーンなどに余裕をもたせた600スーパースポーツ。’22STDモデルはユーロ4仕様のまま新色のグレー×ブラックにカラーチェンジした。ライムグリーンのKRTエディションは’21からの継続色だ。
ホンダCBR600RR:脳化で復活したミドルスーパースポーツ
生産終了となっていた先代モデルをベースに、トラクションコントロールや電子制御スロットル/フルカラーメーター/全灯火LED化など、大幅に電脳化して2020年に復活。アッパーカウルサイドにウイングレットも装備している。新排出ガス規制には未対応で、今秋以降の去就は不明のままだ。
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