日本独自クラスとして根づいてきたが、国内のバイク人気低下と環境規制強化のダブルパンチで、10年以上も閑散としていたのが小型二輪(251-400cc)クラス。しかし’21年のGB350/S新登場&SR400の生産終了が大きな話題となり、この2機種を中心に再び賑わいを取り戻した。本記事では同クラスに属するヘリテイジ/ネオクラシック/アドベンチャーモデルを紹介する。
●文:ヤングマシン編集部(伊藤康司/田宮徹/宮田健一)
ホンダGB350/S:雑味のない鼓動感を徹底追求
インドで’20年秋の発売直後から大人気となったハイネスCB350をベースに開発され、熊本製作所生産によりSTDが’21年4月、Sが7月にデビュー。日本でも、低価格もウケてヒットを生んだ。鋼管製フレームにシリンダーが直立したバーチカルシングルエンジンを搭載したシンプルなネオクラシックモデルで、最大の特徴は不快な振動を徹底的に排除しながら高められた雑味のない鼓動感。STDはシーソー式チェンジペダルやスチールパイプ製グラブバーなどで普段使いの利便性も高め、Sは専用のライディングポジション/サイドカバーデザイン/タックロール風シートなどで、スポーティな雰囲気をプラスしてある。フロントフォークブーツカバーはSのみが装備。STDとSで意外と相違点は多いぞ!
ホンダCB400SF/SB:クラス唯一の4気筒は10月末で生産終了
’92年の初代デビュー以来、400ccクラスの代表格となってきたのが、水冷並列4気筒エンジンを鋼管製フレームに搭載した、リヤツインショックの伝統的ネイキッドスタイルを持つCB400スーパーフォア(SF)。これをベースに、フレームマウントのハーフカウル仕様としたのがCB400スーパーボルドール(SB)だ。現行型のエンジンは、スロットル開度やギヤ段数を加味した制御により回転数に応じてバルブ駆動数が2⇔4に切り替わるハイパーVTECレヴォ仕様。SBのみグリップヒーターとETC2.0車載器を標準装備する。ともに’22年10月末で生産終了となる。
ヤマハSR400ファイナルエディション:43年の長い歴史に幕を下ろしたレトロ系
’78年の初代発売以来、数々の改良やキャストホイール仕様の導入、ディスク→ドラム→ディスクという前ブレーキの変更などが施されたが、空冷SOHC2バルブ単気筒エンジンの基本部、キックのみの始動方式、一部をオイルタンクとして使う鋼管フレームといった根幹は継承されてきた。’10年型では燃料供給がFI化されたが、依然として前後フェンダーはスチール製で、ハンドルスイッチも’70~’80年代デザインのまま。’21年3月にファイナルエディションおよび1000台限定のリミテッド仕様が発売され、これで国内向けは生産終了となった。すでにメーカー完売だ。
ホンダ400X:フロント19インチのミドルクロスオーバー
エンジンと車体の基本部をCBR400Rと共用。デビュー当初はより共通部品が多かったが、’19年の熟成で差別化が図られ、前輪は17→19インチ径となり、リヤサスのストローク増も図られた。’22年1月にも改良され、CBR400Rと同じくフロントフォークがショーワ製SFF-BPに変更されたことで倒立に。前ブレーキはアキシャルマウントキャリパーのままダブルディスク化され、スイングアームの剛性最適化やフロントホイールの軽量化も施された。さらに400Xのみ、ヘッドライト配光が最適化され、ウインカーにポジションランプ機能が追加された。
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