ニンジャZX-25R登場からはや1年余り。4気筒エンジンの追撃車は出現しないが、2気筒や油冷シングルは血気盛ん。本格オフも台頭する中、爆売れを続けるレブルの存在感が際立つ。ジャンルに捉われない”本気度”こそが、250クラスの勝負の分かれ目かも…。
●文:ヤングマシン編集部(伊藤康司/田宮徹/宮田健一)
- 1 126〜250cc軽二輪クラスの潮流:身近さと本気度のバランスで人気を競う
- 2 カワサキ ニンジャZX-25Rシリーズ:独走するマルチクォーターの雄叫び!!
- 3 ホンダCBR250RR:トータルコントロールで250SS最速を狙う!
- 4 カワサキ ニンジャ250:クォーターSS最軽量! カワサキ久々のレッドも登場
- 5 ヤマハYZF-R25:スポーツ心を満喫させる攻めのライポジ
- 6 スズキGSX250R ABS:SSスタイルながら街乗りもツーリングも得意!
- 7 スズキ ジクサーSF250:軽量ハイパワーを実現する伝統の油冷エンジン
- 8 アーカイブ〈’21後期〉126〜250cc軽二輪(スポーツ&ツーリング)
126〜250cc軽二輪クラスの潮流:身近さと本気度のバランスで人気を競う
普通二輪免許で乗れ、かつ車検の不要な250クラス。それだけにビギナーのスポーツバイクの登竜門的なポジションにも捉えられがちだが、こと近年は状勢が変わってきた。その火付け役は、クラス唯一の4気筒エンジンを搭載するニンジャZX‐25Rといえるだろう。1万7000rpmのレッドゾーンまで一気に吹け上がり、つんざくような高周波のエキゾーストサウンドは格別。すでに発売から1年以上経過し、「そろそろ4気筒エンジンの派生モデルも…」と期待も高まる。
しかしライバルSS勢も黙っておらず、CBR250RRのパワーアップ&足まわり強化をはじめ、スズキは独自の油冷エンジンで新境地を切り開く。エンジンやシャーシを共有するネイキッドも新色投入など抜かりない。オフロードはセローが歴史に幕を下ろしたのは残念だが、よりスポーティなCRFやKLXが気炎を上げる。
ロードもオフも”身近だけど本格的”というトレンドに変化はない。そんな中で爆売れを続けているのがレブル250。絶対的な人気の理由は、クラスで唯一のクルーザーだから…だけではないハズ。その存在感が物語る。
また、150ccクラスも活況。普通二輪や普通AT免許が必要ながら、やはり高速道路を使えるアドバンテージは大きいし、タンデム時の余裕も違う。従来のカテゴライズとは異なるクラスレスな魅力により、今後は”スモール軽二輪”とも言えるこのクラスが拡大する可能性は大きく、期待も高まる。
カワサキ ニンジャZX-25Rシリーズ:独走するマルチクォーターの雄叫び!!
現行250クラスで唯一の4気筒エンジンを搭載。かつてのZXR250系よりショートストローク化し、インコネル製の排気バルブやメッキシリンダー、軽量鋳造ピストン等が投入され、レッドゾーンの1万7000rpmまで淀みなく回る。ライドバイワイヤのスロットル/パワーモード/トラクションコントロール等の電子デバイスでエンジンを制御し、超ショートサイレンサーは4気筒ならではの高周波サウンドを響かせる。ショーワ製SFF-BPのフロントフォーク/リンク装備のホリゾンタルバック式のリヤサスペンション/ラジアルマウントのフロントブレーキキャリパーなど足まわりも充実する。ベースモデルのニンジャZX-25Rに対し、SEはアップダウン対応のクイックシフター/USB電源ソケット/フレームスライダー/スモークウインドシールド/ホイールリムテープを標準装備する。
ホンダCBR250RR:トータルコントロールで250SS最速を狙う!
250SS最速の座を死守すべく、’21年モデルで高圧縮化に対応する新形状ピストンや浸炭コンロッド等を採用し、従来型より3psアップ。エンジン内部は摩擦ロスやポンピングロスを徹底的に排除し、アシスト&スリッパークラッチも装備する。倒立フォークのアウターを5mm延長してセットアップの自由度を持たせるなど、レース参戦時の備えも十分。オプションでシフトアップダウン対応のクイックシフターも用意。’22年は新色が登場。
カワサキ ニンジャ250:クォーターSS最軽量! カワサキ久々のレッドも登場
250フルカウルスポーツを復権したニンジャ250は、3代目となる’18年のフルチェンジで大幅にパワーとトルクを増し、軽量化を果たした。ニンジャH2からフィードバックしたトレリスフレームや、エンジン背面のスイングアームマウンティングプレートが最適な剛性を発揮。フロントシートもケーブルを引いて簡単に外せ、シート下収納は二段式でETC車載器のセットやシャックルロックも収容できる。
ヤマハYZF-R25:スポーツ心を満喫させる攻めのライポジ
フロントカウルの中心に設けたM字型のエアダクトなど、ヤマハSSスタイルを継承し、鍛造ピストン/オールアルミ製ダイアジルオフセットシリンダー/浸炭コンロッド等の技術を惜しみなく投入したエンジンを搭載。φ37mm倒立式フロントフォークや、ロングスイングアームのモノクロスサスペンションが走りを支える。大胆に肉抜きされたトップブリッジが、ワークスマシン・YZR-M1を彷彿させる。
スズキGSX250R ABS:SSスタイルながら街乗りもツーリングも得意!
GSX-R1000の流れを汲むSSフォルムだが、同クラスでは大柄な車体を採用し、セパレートながら高さのあるハンドルや低いシート高がゆったりとしたライディングポジションを生むGSX250R。OHC2バルブの水冷2気筒エンジンは低中速で豊かなトルクを生むロングストロークで、日常使いやツーリングを快適にこなせる。前後ブレーキディスクはアグレッシブなペタル形状。ABS非装備モデルは生産終了した。
スズキ ジクサーSF250:軽量ハイパワーを実現する伝統の油冷エンジン
スズキ独自の油冷SEPエンジンは、単気筒ながら水冷並列2気筒のGSX250Rを2ps上回る26psを発揮し、低回転域では粘りあるトルクを実現。高剛性なφ41mmのフロントフォークやバイブレ(インド生産のブレンボ)のフロントブレーキキャリパーなど足まわりも充実。大型のリヤグリップや厚みのあるパッセンジャーシートはタンデムも快適で、ワイドなLEDヘッドランプも豪華な面持ちだ。
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アーカイブ〈’21後期〉126〜250cc軽二輪(スポーツ&ツーリング)
車検不要の軽二輪(126〜250cc)クラスにおいて、ニンジャZX-25Rの登場により軽量スポーツマシンの価値観が大きくシフトした’21年。オフロード車も本気度を増すなか、レブル250が好調に販売を伸ばすのはクラス唯一のアメリカンだからか? 本記事ではスポーツ&ツーリングモデルを紹介する。
●文:ヤングマシン編集部
手軽さよりも本気度。求められる”存在感”
国内において”車検不要の最大排気量”である250クラスは、広いユーザー層の人気を集め、かつては”お手軽”から”マニア向け”まで多様なカテゴリーで多種のバイクが存在した。
しかし近年の主流は”身近な本格派”。その最右翼が直4搭載のニンジャZX-25Rで、超高回転まで一気に吹け上がる感覚を多くのライダーが”普通に味わえる”のは、現代スポーツバイクの僥倖。この盛り上がりにライバルメーカーも追従し、4気筒モデルの増加が望まれる。
とはいえ他のSS勢もブラッシュアップ。CBR250RRは多岐に渡ってエンジンに手を入れてパワーアップを図り、スズキは独自の油冷エンジン搭載のジクサーで対抗。またネイキッドも含め、新色が余さず投入されているのも活況でなにより。
オフロードでは戦闘力を高めたCRF250L/ラリーのモデルチェンジも、お手軽から本格へのシフトの一例。また、レブル250の衰えない人気を見ると、手軽でありながらも他にない存在感が求められているのだろう。
その他、ジクサー150やADV150といった”スモール軽二輪”とも言えるクラスも増加している。イザという時に高速道路に乗れる強みもあり、これらの売れ行き次第では「ビッグハンターカブ150」といったモデルの現実化も夢ではない…かもしれない。
日本車126〜250cc軽二輪(スポーツ&ツーリング)
日本車126〜250cc軽二輪クラスの最新潮流
- ニンジャZX-25Rの’22新色が登場
- レブル250いまだ好調
- 今後の期待はカワサキ250cc4気筒第2弾か?!
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