![[絶版車DIYメンテ] 1981 ヤマハXT250:ドライブチェーンを最新のシールタイプに交換](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/785c7a71f6d4591e8192e38d299b0161.jpg)
絶版車とはいえ車重が軽い250ccクラスなら、ドライブチェーンはノンシールでも十分…。そんな昭和な思考は令和の時代には通用しない。フリクションロスが少なく伸びにくいシールチェーンは、排気量を問わず有効なのだ。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:江沼チヱン製作所
現在の高性能ドライブチェーンに交換決定。サビに関係なく旧ドライブチェーンは怖い
モトメカニック編集部の友人が個人売買で購入してきたヤマハXT250。走行距離が少なく保管状態も悪くなく、未再生原型車としての魅力に溢れている。過度なお化粧は控えたいが、駆動系の要である40年モノのドライブチェーンは交換が必要だ。
XTの純正チェーンはノンシールタイプで、経年劣化が心配なゴムシールは使っていない。この個体は保管状況が良かったおかげで、汚れや細かなサビはあるものの、プレートやローラーに目立つ大きなサビはない。
とはいえノンシールゆえ、コマ同士をつなぐピンとプッシュの隙間に水分が容赦なく浸入し、見えない部分で腐食が進んでいる可能性がある。こうしたチェーンは伸びの進行が早く、さらに突然切断するリスクもある。
交換するチェーンは何を選ぶべきかといえば、これは迷うことなくシールチェーン一択だ。「距離を乗るわけではないし、ノンシールより値段も高いし…」という後ろ向きな意見もあるが、チェーンメーカーが公表している寿命目安はノンシールの約5000kmに対して、シールチェーンは約1万5000〜3万kmと圧倒的に優位(参考・江沼チヱン製作所ホームページ)。
価格面ではシールチェーンの方がたしかに高価だが、ノンシールの5割増し程度で(520SRX2と520SRの比較)、寿命が3〜6倍であることを考慮すれば、じつはコストパフォーマンスはシールチェーンの方が圧倒的に高い。シルバーチェーンは絶版車の雰囲気を損なうことがなく、シンプルな見た目もおすすめだ。
今回使用した江沼チヱン製作所のシールチェーンには、フラッグシップのThreeDを筆頭にいくつものシリーズがある。チョイスしたSRXシリーズは、街乗りからツーリングまでオールマイティに使えるバランスの良さが特長のストリート用シールチェーン。そんなEKチェーンの交換を安全確実に行うために開発されたのが、EKチェーンツール・CRT50A改である。
左クランクケースカバーは、フライホイールカバーからスプロケットカバーまで一体のワンピースタイプ。チェンジペダルを先に外してからカバーボルトを取り外す。
オフロード走行が多いと泥団子が詰まったようになるスプロケット周辺は、驚くほど汚れが少ない。チェンジシャフト周辺の堆積物はチェーンルブと土のようだ。
純正チェーンはノンシールのクリップ留めなので簡単に取り外すことができる。真っ赤というほどではないが、つぶさに観察すると全面的に腐食が進んでいる。
クランクケースから突き出したチェンジシャフトには、金属製の薄いワッシャーと樹脂製のスペーサーが挿入されている。シャフトの損傷を防ぐ目的なのだろう。
組み付けるとこのようになる。ドライブチェーンの真下にあるチェンジシャフトを泥や跳ね石から守り、根元のオイルシールのリップを保護する効果もある。
オンロードツーリングに使いたいというオーナーの意向で、ドライブスプロケットは純正より1T多い17Tがチョイスされている。XAM製なので品質も確かだ。
ドライブシャフトには泥系の汚れが付着し、根元のオイルシールにも影響があるかもしれない。エンジン外側から抜けそうなので、実際に漏れ出したら交換しよう。
リヤサスのストロークに応じてチェーンに適正な張りを与えるテンショナー。ジュラコン製ブロックの摩耗はわずかで、まだ使用できる上に現在も純正部品が購入できる。
チェーンアジャスターはトレールモデルでは一般的なスネイルカム方式。チェーンプーラータイプと違って、左右の引き具合が明確に分かり、合わせやすいのが特長だ。
別機種用に用意してあった102リンクのチェーンを使用する。XTの純正は98リンクだが、ドライブスプロケットが1T多いので、1周させてからカット位置を決めた。
付属のジョイントにQXリングをセットしてグリスを塗布する。このグリスがピンとブッシュ間の唯一の潤滑剤になるので、しっかり塗っておくことが重要。
奥側から手前にジョイントを通して、QXリングをセットする。繰り返しになるが、付属のグリスは外側ではなく、できるだけピンとブッシュの隙間に押し込み利用しよう。
いかにも剛性の高いフレームにプレートホルダーを取り付け、継手プレートを圧入する。貫通したピンがホルダーに接触すれば圧入完了なので分かりやすい。
カット&リベットピンにパーツを組み替えて、ジョイントピンの頭を潰しながらかしめて開いていく。ピン先端を割らないよう、カシメすぎ防止ガイドを採用している。
右がカシメ前で左がカシメ後。ピン先端の丸穴を押しても広がる量はわずかで、これで抜けることはない。カシメすぎて先端が割れるとプレートが抜ける恐れがある。
スネイルカムの左右の引き量を合わせて、チェーンにテンションをかけてアクスルナットを締める。絶版車にとっても、シールチェーンは装着する価値のあるパーツだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
電気系統トラブルに有効なヒーロー電機の製品 バイクの電装系の中で意外にトラブルが多いのがウインカー関連だ。電球切れはもとより、スイッチ接点のサビやウインカーリレーの故障もあり得る。昨日まで何ともなかっ[…]
高回転高負荷に耐える強力な油膜を形成 オイル交換自体は難しい内容ではないが、以前整備したのがいつなのかわからない放置車や友人からの預かり車両、購入したばかりで初めてオイルドレンボルトを外す際は、いろい[…]
ボルトやナットが落ちないナットグリップ機能も魅力 ソケット外周のスプリングとスチールボールを組み合わせた、コーケンならではのナットグリップソケットと、六面式ボールジョイント機構を組み合わせたソケット。[…]
虹色に輝くスチールスプロケットが個性的 フットワークパーツのプロショップであるアドバンテージのGSX1100Sカタナ用530 コンバートキット。XAM製ドリブンスプロケットは軽量で耐久性に優れたスチー[…]
空冷4ストロークシングル250ccエンジンで驚異の軽さを実現 1970年代の250ccモデルは、兄貴分の350ccや400ccと車体を共有した車種も多く、どちらかといえばオマケ的なクラスでした。しかし[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
電気系統トラブルに有効なヒーロー電機の製品 バイクの電装系の中で意外にトラブルが多いのがウインカー関連だ。電球切れはもとより、スイッチ接点のサビやウインカーリレーの故障もあり得る。昨日まで何ともなかっ[…]
昭和は自分でバイクを直せた時代? 筆者の肌感ですが、昭和の頃は、バイクも車も自分で直してしまう人が今よりずっと多かったものです。ドライブ中にエンジンが故障しても道端で直したり、ツーリング先でトラブルが[…]
虹色に輝くスチールスプロケットが個性的 フットワークパーツのプロショップであるアドバンテージのGSX1100Sカタナ用530 コンバートキット。XAM製ドリブンスプロケットは軽量で耐久性に優れたスチー[…]
PACKOUTシリーズの工具収納システムに連結できるコードレスワークライト M12 PACKOUT シングルワークライトは、ミルウォーキーツールのM12バッテリープラットフォームに対応したコードレスL[…]
今回の超音波洗浄はエンジンの汚れ落とし これまで超音波洗浄機は、「チェーン」や「キャブレター」などの洗浄に使ってきました。 数々の汚れを落としてきたその実力はすでに折り紙つき。それでいて扱いはとても簡[…]
最新の関連記事(江沼チヱン EK CHAIN)
精密鍛造加工によるLシリーズ専用プレートと穴あきピンによる軽量化の追求 2024年4月に販売を開始した「ThreeD LUXE(リュクス)」は、バイク用シールチェーンを世界に先駆けて実用化した江沼チヱ[…]
精度向上と新たなシール開発で、今なお進化を続けるチェーン技術 芸術家であり科学者でもあったレオナルド・ダ・ヴィンチが15世紀に考案し、19世紀に現在とほぼ同様の形態で実用化されたローラーチェーンは、バ[…]
EKチェーン最高峰のThreeD(スリード) 江沼チヱン製作所が開発した「ThreeD(スリード)」は、チェーン専門メーカーとしての80年以上の歴史と技術を余すところなく注いだ次世代型チェーンとして、[…]
チェーングリスを定期的に吹き付けていれば、側面でも簡単にはサビないもの… バイクを押し歩きした時の“妙な抵抗感”には要注意だ。その理由は様々だが、実は、前後ブレーキの引きずりではなく、ドライブチェーン[…]
ZETA スペシャライズドハンドルバー 原付二種ツアラーとして利用するユーザーが多いCT125だからこそ、様々な装備の可能性を追求したいと開発されたのが、オフロードスペシャリストのダートフリークが開発[…]
人気記事ランキング(全体)
免許返納後の「買い物の足」問題、もう悩まなくていい 高齢の親を持つ世代にとって、運転免許の自主返納は避けて通れない悩ましい問題だ。車さえあれば遠くのスーパーにも行けるし、特売日でまとめ買いをしても楽に[…]
“水冷”と、その存在感から「ウォーターバッファロー」の愛称も 1971年の東京モーターショーにGT750が出品された当時、観客はラジエーターの大きさや、フィンの見えないシリンダーブロックに目を丸くした[…]
新型CB1000Fは魅力的だけど、付きまとう足つきの悩み 2025年11月に待望の発売を迎えたホンダ・CB1000Fと、上級グレードのCB1000F SE。1980年代の名車CB750Fをモチーフにし[…]
電子制御で快適性向上、新型YZF-R7発売 大型スーパースポーツモデルの2026年仕様となる新型YZF-R7を5月29日に発売。最新モデルでは、長距離走行の疲労を大幅に軽減する電子制御スロットル連動の[…]
第1位:ホンダ CB1000F/SE 717票 堂々の1位に君臨したのは、ホンダが誇る新世代フラッグシップ「CB1000F」だ。往年の名車CB750FやCB900Fの熱き血統を受け継ぎつつ、現代の技術[…]
最新の投稿記事(全体)
AGV K1 S 3万円台で買えるフルフェイスの日本専用ソリッドカラー このたび導入される日本別注カラーは、シンプルなソリッドカラー(単色)の5色がそろう。メタリックな質感で見る角度によって表情が変わ[…]
進化した走りに見合う質感を求めて 最高出力が従来の111psから116psへと5ps向上し、クイックシフターやクルーズコントロールなどの先進装備を標準搭載した2026年モデルのZ900RS。スポーツ性[…]
第1位:ホンダ CB1000F/SE 284票 堂々の第1位は、伝説のCB750Fをモチーフにした新フラッグシップ、CB1000F。スーパースポーツ譲りのエンジンを搭載し、最新の電子制御を纏いながらも[…]
Kabuto KAMUI-5 VELTA シンプルなデザインだからTPOを選ばずに愛用できる 『KAMUI-5 VELTA』は、力強いラインでシンプルに構成したグラフィックで、左右の側面にまたがる「K[…]
公道専用のバイク乗車用エアバッグベスト「T-SABE」 バイク用ライディングギアの企画・製造・販売を行うタイチから、公道専用のバイク乗車用エアバッグベスト「T-SABE(ティーセーブ)」が登場した。 […]
- 1
- 2


![江沼チヱン製作所|SRXシリーズ|[絶版車DIYメンテ] 1981 ヤマハXT250:ドライブチェーンを最新のシールタイプに交換](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/EKchain_02-768x288.jpg)

![江沼チヱン製作所|チェーン交換|左クランクケースカバー取り外し|[絶版車DIYメンテ] 1981 ヤマハXT250:ドライブチェーンを最新のシールタイプに交換](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/EKchain_04-768x512.jpg)
![江沼チヱン製作所|チェーン交換|スプロケット|[絶版車DIYメンテ] 1981 ヤマハXT250:ドライブチェーンを最新のシールタイプに交換](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/EKchain_03-768x512.jpg)
![江沼チヱン製作所|チェーン交換|チェーン取り外し|[絶版車DIYメンテ] 1981 ヤマハXT250:ドライブチェーンを最新のシールタイプに交換](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/EKchain_06-768x512.jpg)
![江沼チヱン製作所|チェーン交換|チェンジシャフト|[絶版車DIYメンテ] 1981 ヤマハXT250:ドライブチェーンを最新のシールタイプに交換](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/EKchain_07-768x512.jpg)
![江沼チヱン製作所|チェーン交換|組み付け|[絶版車DIYメンテ] 1981 ヤマハXT250:ドライブチェーンを最新のシールタイプに交換](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/EKchain_08-768x512.jpg)
![江沼チヱン製作所|チェーン交換|ドライブスプロケット|[絶版車DIYメンテ] 1981 ヤマハXT250:ドライブチェーンを最新のシールタイプに交換](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/EKchain_09-768x512.jpg)
![江沼チヱン製作所|チェーン交換|ドライブシャフト|[絶版車DIYメンテ] 1981 ヤマハXT250:ドライブチェーンを最新のシールタイプに交換](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/EKchain_10-768x512.jpg)
![江沼チヱン製作所|チェーン交換|テンショナー|[絶版車DIYメンテ] 1981 ヤマハXT250:ドライブチェーンを最新のシールタイプに交換](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/EKchain_11-768x512.jpg)
![江沼チヱン製作所|チェーン交換|チェーンアジャスター|[絶版車DIYメンテ] 1981 ヤマハXT250:ドライブチェーンを最新のシールタイプに交換](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/EKchain_12-768x512.jpg)
![江沼チヱン製作所|チェーン交換|102リンクのチェーン|[絶版車DIYメンテ] 1981 ヤマハXT250:ドライブチェーンを最新のシールタイプに交換](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/EKchain_13-768x512.jpg)
![江沼チヱン製作所|チェーン交換|グリス塗布|[絶版車DIYメンテ] 1981 ヤマハXT250:ドライブチェーンを最新のシールタイプに交換](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/EKchain_14-768x512.jpg)
![江沼チヱン製作所|チェーン交換|QXリングをセット|[絶版車DIYメンテ] 1981 ヤマハXT250:ドライブチェーンを最新のシールタイプに交換](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/EKchain_15-768x512.jpg)
![江沼チヱン製作所|チェーン交換|継手プレートの圧入|[絶版車DIYメンテ] 1981 ヤマハXT250:ドライブチェーンを最新のシールタイプに交換](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/EKchain_16-768x512.jpg)
![江沼チヱン製作所|チェーン交換|ジョイントピンかしめ|[絶版車DIYメンテ] 1981 ヤマハXT250:ドライブチェーンを最新のシールタイプに交換](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/EKchain_17-768x512.jpg)
![江沼チヱン製作所|チェーン交換|カシメ前後|[絶版車DIYメンテ] 1981 ヤマハXT250:ドライブチェーンを最新のシールタイプに交換](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/EKchain_18-768x512.jpg)
![江沼チヱン製作所|チェーン交換|アクスルナット締め|[絶版車DIYメンテ] 1981 ヤマハXT250:ドライブチェーンを最新のシールタイプに交換](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/12/EKchain_19-768x512.jpg)






































