
我が家のトランポ(100系ハイエース)がエンジン不調になりました。原因のひとつは、25万キロも走るあいだ放置していたスロットルボディー。アイドリング不調の原因が、まさかそこにあったなんて…。でもね、真っ黒に汚れたスロットルボディーが、たった5分足らずでキレイになるなんて、普通思わないじゃあないですか? でも実は、本当の敵はほかに潜んでいたりして。というわけで今回は、クルマ素人が悪戦苦闘しながら挑んだ、100系ハイエースのメンテナンス記録です。どうぞご笑覧ください~!
●文:ヤングマシン編集部(DIY道楽テツ)
始まりは車検の不合格
ごめんなさい。25万キロもの間、放置してしまい申し訳ありませんでした・・・! でもね。車ってエンジンが丈夫すぎるから、知らず知らずのうちに「放置」しちゃったりしていませんか?
我が家のハイエース(100系ガソリンエンジンRZH112V)は、走行距離25万キロにして、ついに車検に落ちました。原因は排ガス検査で、CO値が基準値の0.3%超過。それだけでなく、以前からアイドリング回転数が低くなっていて、ついに一時停止や交差点でエンストする症状も出てきていたのです。
整備工場に持っていったら「もう寿命ですから買い替え時ですよ」と言われてしまい、そんじゃあ自分でなんとかしてみよう!と、あれこれ調べて「O2センサー」なるものを交換したところ、アイドリングの乱れがずいぶんと良くなって、エンストもしなくなったのが前回までのあらすじ。
第二容疑者:スロットルボディーの汚れ
それで一件落着かと思いきや・・・まだなんとなく調子が悪いんですよね?? チョークが効いているときはいいのですが、問題はエンジンが温まったそのあと。なんとなく、アイドリングが低いんですよ。エンジンの回転もなんとなく不安定だし。
それと、アクセルをパーシャルで走っている時がなんとなく・・・ホンッとなんとなくですけど、パワーがないというか不安定というか。スパークプラグもエアクリーナも新品、そして前回O2センサーも交換しているので次の容疑者はコレです→「スロットルボディーの汚れ」
というのも、いろいろ調べた結果、どうしても答えはスロットルボディーの掃除に行き着いてしまうんですよ。ちなみにスロットルボディーといえば、フューエルインジェクション(燃料噴射装置)の手前にある、空気の通路を開閉するバルブのこと。
え、空気しか通ってないのに? そのスロットルボディーが「汚れる」とは一体なぜでしょう? ちなみに筆者はクルマのことはよくわかりません。バイクも、キャブレターぐらいしかわかりません。フューエルインジェクションなんて未知の領域。
うん、こうなったら考えて居てもしょうがない。答えは現場にある!ってことで、実際に見てみました。
エンジンルーム、ガパっとな。
あったね。これがフューエルインジェクション。
で、その手前がスロットルボディー。向かって左がエアクリーナーボックス側なので、空気の流れは(↓)こう。
すると、スロットルボディー手前に2本のホースが繋がってるのが見えますね。
で、そのホースはというと、エンジンのシリンダーヘッドに繋がっております。・・・あっ、これは≪ブローバイガス還元ホース≫だっ!!
ブローバイガス(Blow-by gas)とは、自動車などのエンジン内部で、圧縮・燃焼工程の際にピストンとシリンダーの隙間からクランクケース(エンジンオイルが溜まる下部)へと漏れ出してしまう未燃焼ガスや燃焼ガスのこと。それが大気解放されると環境汚染の原因になる可能性があるので、こうして吸気通路に戻すことによって燃やしてしまおう!というのが≪ブローバイガス還元ホース≫なのです。
なるほど納得、そりゃ汚れるわ!!
スロットルボディー拝見←汚れてた!
で、肝心のスロットルボディーにたどり着きました。
中を覗いてみると・・・。
おお!?
黒い。見事に黒いぞっ!!
このスロットルボディーというシロモノ、円形の扉がシャフトでぱかぱかと開閉する仕組みなのですが、開け始めに空気が流れ込む場所で、かつ重力に引っ張られる下側が真っ黒。
ブローバイガスに含まれる燃焼室からのカーボン、そして加圧減圧で発生するオイルミスト、それらが付着してベトベトのヌルヌル。・・・調子悪くなるわけですよ。だって、バルブのヘリが汚れるということは、微妙なコントロールが必要なパーシャル時において、汚れがもとで乱流ができたり、設計通りの空気を吸えないわけですからして。そりゃ、コンピューターが計算した燃料とうまくバランスとれないのもうなづけます。
・・・なぁんて言ってみたところで。どれもこれも25万キロも放置したワタクシの不徳のいたすところ。一度も掃除してやらなかったバチですよね。まじでゴメン、ハイエース!!
キャブレタークリーナーでいいですか?
汚れは確認できた。当然、掃除をするのです。本来なら、専用のクリーナーを使うべきところなのでしょうが、そんなものは持ってなかったので、バイクで使うキャブレタークリーナーを使ってみることにしました。
登場、AZ(エーゼット) 強力キャブレタークリーナー! スロットルボディーが閉じている状態で吹き付けていきます。
せぇの・・・
ブシャーッ!! うっわ。予想外の勢い! 一瞬でスロットルボディーが泡だらけになっちゃいました!
だけどその白い泡が
みるみるうちに真っ黒になっていく・・・すっげぇ、めっちゃ効いとるやん!
ちょっと(というかかなり)汚れがドロドロしちゃっているので、ここはひとつ完璧に落としてやろうってことでパーツクリーナーも用意しました。汚れをウエスで拭き取りながら、パーツクリーナーを吹きつつ汚れを落としていくと・・・。
スロットルボディーの中身が
ほら! こんなにキレイになりました~っ!!
掃除に要した時間は5分もかかってません。ホントにあっという間。「スロットルボディーの掃除」というとすごい大変そうなイメージだっただけに、キャブレター掃除からするとあっけなすぎて物足りないぐらいだったのです。
・・・だけどね。大変なのは、その「前」でした。
もう”旧車”になった100系ハイエースは注意を
ちょっと時計を巻き戻しますね。スロットルボディーにアクセスする前の状態です。
スロットルボディーを剝き出しにするためには、手前のこのゴムのエアインレットホース(コネクティングチューブ)を外す必要があるのです。
二本のホースバンドを外せばカンタンに外れるよね?←と、思っていたのが運の尽き。コネクティングチューブはゴムなのですが、経年劣化で硬化してもうカッチンカッチン。ビクともしない。とてもじゃないけど外れないので、その手前のエアダクト(鉄のパイプ)を外せばいいのかと思いきや、それも取り付けボルト外しても微動だにせず。
けっきょく、運転席の下のメンテナンスホールをあけて、エアクリーナボックスに繋がるほうのコネクティングチューブも緩めて、無理やりマイナスドライバーを突っ込んで力任せにヒネって曲げて、なんとか「ボコッ!!」と外したのでした。
どれもこれも、ゴム製のコネクティングチューブが経年劣化して、固く硬化していたのが原因。ふたつあるけど両方ともカチカチだから、まるで全部金属製みたいに硬くて、動かなくて、そりゃ外れませんわな。
本来は「ぽこっ」と外れるべきとこが外れないだけで、ここだけで実に二時間(!)も苦戦したのでした。しかも、コネクトチューブのはじがひび割れていたりして。そのヒビが内部まで到達してないからギリギリセーフでしたが、このヒビが広がって二次エアを吸ってしまうのは時間の問題なので、できるだけ早いうちに新品を手に入れて交換する必要があります。
同じ症状で困っていて、同じような作業をやってみようかと思っているみなさんは、ぜひともこのコネクトチューブを手に入れる用意をしてください。もし手に入らないなら、それなりの覚悟と道具を用意してください。
外れないです、マジで!!!!
ハイエースを排エースにしないために
スロットルボディーをきっちり清掃して、コネクティングチューブも使えるようにして、エアダクトも錆を落として塗装して、元通り組み立てました。バラす時はすごく手間がかかったくせに、ちょっと柔らかくなるだけで「ぱこっ」と一瞬で組めてしまうというオチ。
ちなみに、ハイエースのコンピューターが燃料の濃さを記憶してるそうなので、スロットルボディーの掃除の後にバッテリーの端子を外してしばらく放置して、1回データをリセットさせてからエンジンをかけることによって、新しい混合気の状態をコンピューターに覚え込ませるという工程が必要だそうで(もちろんやっておきました)
そんなこんなで、エンジンを始動すると・・・
我が家のハイエースのアイドリングは、ほぼ完調と言えるほどに調子を取り戻して、それどころか、高回転や中回転を含むエンジン全域において、体感できるほどのフィーリング改善をなし得たのです。
そんなに影響がある部品だったのか・・・! ぶっちゃけた話、自分がやった作業でそこまでの効果があると思わなかったので、かなり驚いております。
ちなみにフォロワー様からの情報で、アイドリング時の空気量を調整している心臓部のISCV(アイドルスピードコントロールバルブ)の確認もしたほうがいいかもよ?とのことなので、まだやり残してる作業があるならば、次回の車検までにその作業をやってみたいところですね。
また続編をレポートいたします。私は車の整備の素人ではありますが、同じような症状で悩んでる方の参考になれば幸いです。この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!
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