
2026年FIM世界耐久選手権“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第47回大会が7月3~5日に開催された。例年より約1か月前倒しとなったことで、従来の“真夏の祭典”とは一変。梅雨空の元、肌寒ささえ感じるウェットコンディションに翻弄された今年の鈴鹿8耐。さっそくレース展開を振り返ろう。
●文/写真:ヤングマシン編集部(佐藤寿宏)
ホンダが強さを見せた雨の決勝レース
今年の鈴鹿8耐は、例年より1ヶ月早く開催されたこともあり、梅雨も明けておらず予想された通り雨の鈴鹿8耐になりました。
気温もそれほど高くなく、体力的には、レースをやるほうも取材するほうも楽だった気もしますが、雨は雨で疲れますね。知り合いのカメラマンは、長靴で動き回ったから、すごく疲れたと言っていました。
昨年、自分自身の書いた原稿を見ると“連日40度越え、路面温度が70度に迫ろうかという暑さ”とか記しておりました。外にいるだけで危険な状態でしたが、それに比べればいいのかもしれません。
しかしレース後に選手や関係者と話をしていると、「8耐やった感じがしないよね」「これから8耐がある感じだよね」「夏をどう過ごしていいか分からない」という言葉が飛び交いました。
前評判通りの強さを発揮した#30 Honda HRC。高橋巧は5連勝、最多勝利数を8勝に更新した。
決勝レースは、今年も#30 Honda HRCが強かったですね。ヨハン・ザルコが負傷し、ソムキアット・チャントラが選ばれましたが、雨となった決勝は、高橋巧とジョナサン・レイの2人で走り切り、巧は5連勝を達成、最多勝利数を8に更新しました。
一方、ジョニーも速かったですね。昨年、一線を退き、今年はHRCのテストライダー契約を結びましたが、まだ39歳?ですからね。
8耐の翌週には、ワールドスーパーバイク(SBK)イギリスラウンドにスポット参戦し、SBKでは低迷しているHondaでは一番の速さを見せていました。まだまだ実力は一線級ですね。
ジョナサン・レイも安定した速さを見せていました。2012年にTSR、2019年にカワサキでの優勝に続き3勝目を挙げました。
ジャック・ミラーがファステストラップをマーク
ウエットとなったことで、優勝もあるかと思われた#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAMは、ジャック・ミラーがファステストラップをマークするなど速さを見せましたが、惜しくも2年連続2位となりました。
最後にヤマハが追い上げている最中にセーフティーカー(SC)が入ったことで、HRCとの差が決定的になってしまったことが炎上しておりましたが、現場で写真を撮っていた身からすると、賢明な判断だったと思います。
それほど雨量も多かったですし、あれからリスタートしていたら、大惨事が起きる可能性が高かったですからね。
今年は西コースも路面が張り替えられたのですが、ドライではグリップが上がりラップタイムが上がっていますが、ウエットだと水はけがよくなく、今回はオイルも出ていたので、なおさらSCを入れたのは正解だったと思います。
今シーズン限りでの引退を表明している中須賀克行。最後の鈴鹿8耐は2位フィニッシュ。
それよりも最初のSCのときに、S字にいたのですが、ヨシムラSERT Motulのグレッグ・ブラックがオフィシャルに対して“ココにオイルが出ている!”とアピールしていたのを撮っていました。そのときS字はオイル処理されず、130Rだけでした。
再開後に、SANMEI Team TARO PLUSONE with SDGの中村竜也が、そこでオイルに乗って転倒してしまいます。
序盤に関口太郎も同じところでオイルに乗って転倒しているのでSANMEI Team TARO PLUSONE with SDGとしては、踏んだり蹴ったりでした。グレッグの指摘でオイル処理していれば、中村の転倒はなかったはずなんですけどね。
これがセーフティーカーラン中にグレッグ・ブラックがオイルが出ている場所をアピールしている場面。
今年のコンディションを踏まえ、来年はどうなる?
3位には#37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMが入り、日本車以外で初めて表彰台に上がりましたが、今年は、#5 F.C.C. TSR Honda Franceや#1 YART Yamaha Official EWC TeamなどEWCのトップチームの速さが目立ちました。
#76 AutoRace Ube Racing Teamもスタートから浦本修充がトップを快走するなど存在感を見せましたね。
ピット作業でマシンが倒れたり、ペナルティがあり後退しましたが、こちらも日本車以外で初めてトップを走り、浦本は日本人最速のベストタイム3番手を記録しました。全日本最終戦にも、ぜひ出て欲しいですね。
スタート直後にトップに立ちレースをリードした#76 AutoRace Ube Racing Team浦本修充。
雨の鈴鹿8耐は悪くはないですし、これもレースなんですが、お客さんはやっぱり大変ですよね。
2014年には、スタート直前に雨が降り始めてディレイになったり、2009年もかなり雨の時間がありましたが、8時間ウエットとなると1997年以来になるんですかね。
1997年はコカ・コーラではなく、スプライトクール、という当時展開していたブランドがレース名になっているのですが、雨ということで涼しかったので“クールなレース”だったと話した記憶があります。
レースがスタートした際、雨はほとんど止んでいたが、オイルを出してしまったマシンがあり、難しいコンディションに。
巧も表彰台で「個人的意見ですが」と前置きして、「もっと暑くてもドライがいい」と言っていましたね。
確かに雨よりはドライのほうが、8耐らしいですよね。来年も同じような日程になるという噂は小耳にはさみましたが、果たしてどうなるのでしょうか!?
あ、そうそう、巧が記者会見で、全日本最終戦に出させて欲しいとアピールしていましたが、コチラもぜひ実現させていただきたいものです。
レース終盤、雨は強くなり逆バンクで転倒があるとセーフティーカーが入り、そのままチェッカーまでSCランは続いた。
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