
不動車の復活は「見た目より走りが優先」で、機能面の改善が最重点課題だ。だが、その目的を果たして車検も通して公道復帰が叶えば、見た目が気になるのも当然。この1100カタナは10年以上不動だったものの室内保管が幸いして外装パーツはとてもきれいで(ガソリンタンク内部はサビでグチャグチャだったが)、レストアレベルの補修はまったく不要。そこで点サビが残念なブラッククロームメッキ仕様の純正マフラーやタンデムステップホルダー部分のサビは高性能ケミカルで対処することにした。サビトルキラーやサビキラーPROは建築関係でも信頼の厚いBAN-ZIのオリジナル製品で、機能回復に合わせた現状最善の見た目を目指す際に最適なアイテムである。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:BAN-ZI
完全消滅は難しくても「現状最善」を目指そう。高性能ケミカルを使ったサビ落としに注目!!
BAN-ZIを代表する「サビキラーPRO」(右)は、サビが発生した金属の上からそのまま塗ることで、赤サビを黒サビに転換して進行を止めるとともに、シルバーやガンブラックに塗装できる便利な特殊塗料として建築業界や自動車補修業界で大人気。ワイヤーブラシや剥離剤でサビを落とす必要がないので、タッチアップペイント気分で使える手軽さがバイクユーザーにも好評だ。
「サビンラップ」(左)は粘性の高いシリコーン溶液を主成分としたスプレー塗料で、高い撥水性を発揮する防錆被膜を形成する。
1980~1990年代初頭、マフラー表面処理に使われることが多かったブラッククロームメッキ。通常のクロームメッキと同様、クローム被膜のクラックから水分が浸入すると、内側から点サビが発生する。
マフラー表面の汚れや油分はあらかじめ取り除き、水洗いした場合は水分が乾燥してからサビトルキラーをスプレーする。濡れた状態でも反応するが、水分で希釈されると効果が薄まるので乾かした方が良い。
サビトルキラーは液体状態で反応するので、乾燥が早まる高温時や炎天下での使用は控えた方が良い。また一度に広範囲にスプレーしても乾燥してしまうので、範囲を区切って塗布するのがお勧めだ。
スプレー時は透明で、赤サビと反応したチオグリコール酸塩が赤紫色に変色するのだが、ブラッククロームは変色具合が分かりづらいのが難点。スプレーだけでは付着していない部分もブラシで塗り広げる。
たっぷりウェット気味にスプレーすることで、赤紫色に変色した様子を確認できる。サビが進行していると赤紫色が焦げ茶から黒色に変色する場合もある。このマフラーはそこまでひどい状態ではないようだ。
5~10分間反応させた後、水道水で洗い流す。赤紫色に変色した時点でサビとの反応が終わっているので、放置時間を長くするほどサビがよく落ちるというわけではない。流れ落ちた液は中性なので安全。
ナイロンブラシで塗り広げただけで強く擦っていないにもかかわらず、カサブタ状の赤サビがほとんど落ちている。物理的に剥がすというより、サビトルキラーでサビが溶けて流れたような印象だ。
クロームメッキのサビが落ちるとクレーター状の窪みとなり、メッキ表面は滑らかな状態には戻らない。しかしカサブタ状に隆起した状態より見栄えは格段に良いので、再度サビトルキラーでサビ取りを行う。
サイレンサーより素材が厚いためか、それとも温度が高いおかげか、エキパイ部分の点サビは軽度で、一度のサビトルキラー施工でほとんど目立たなくなった。強く擦っていないので傷も皆無で満足度は高い。
スプレー~水洗いを2セット繰り返しても、三度目のスプレーでもなおサビトルキラーは赤紫色に変色する。ガラスや樹脂に塗っても色は変わらないので、色が変わるのはスプレー部分にサビがある証拠だ。
再メッキしたわけでもクレーター状のメッキ剥離が修復されたわけでもないが、見違えるほど美しくなったブラッククロームメッキマフラー。表面が傷つかず、メッキならではの光沢が回復しているのが素晴らしい。
サビトルキラーは防錆効果がないため、サビを落とした後は表面処理が必要。ここで活躍するのがシリコーン塗料のサビンラップだ。ツヤ出しや離型剤用の一般的なシリコーンスプレーと比べて「濃い」のが特徴。
サビンラップをスプレーした部分は分厚い被膜ができ、粘性のある仕上がりとなる。きれいなウエスで塗り広げると防錆機能と美観を両立した透明感の高い被膜となり、耐熱温度が200℃なのでマフラーにも使える。
未塗装樹脂パーツやカウルスクリーン、ヘルメットのシールドのツヤ復活や防汚、撥水にも使えるサビンラップ。名称としては塗料だが、皮膜は永続的なものではなく、持続期間は数ヶ月ほどとなる。
マフラーのサビが目立たなくなったら、タンデムステップホルダーが気になってきた。部分塗装するにも通常の塗料だとサンドペーパーや剥離剤でサビを落とさなくてはならない。だがサビキラープロなら……
シリコンオフで脱脂するだけでサビの上から塗装できるのだ。プロ用の大容量品もあるが、サンメカ向けにはブラシ付きキャップの50gが扱いやすい。水性なので気になる臭いもなく、手軽にペイントできる。
通常のサビ転換剤はサビ部分しか使えず、転換剤の上に塗装することも難しかった。だがサビキラープロには特殊顔料が含まれているため塗装として使えて、さらに別の塗料で上塗りできるのも特長だ。
建築系や船舶系のユーザーが多いためカラーバリエーションはシルバーとガンブラックの2色だが、1100カタナのフレーム色から大きく外れていないので違和感は少なく、サビも気にならなくなった。
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