
中国の五羊ホンダから、あの名車のDNAを受け継ぐ新型「ズーマーe:」が発表されたのは2023年のこと。 当時はペダルありの電動モペットということで衝撃を受けたが、なんとこのほど発売された2026年モデルはペダルなし。新規格施行により装着義務が撤廃されたのだ。免許不要で乗れる手軽さはそのままに、航続距離は最大105kmへ進化し、本来の無骨なスタイルを取り戻した中国の最新モデルを紹介しよう。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:五羊ホンダ
最大のトピックは「ペダルの廃止」。法改正の恩恵で本来の無骨なスタイルへ原点回帰!
スクーターといえばいまやプラスチックのカウルで覆われているのが当たり前だが、その真逆をいったのがホンダのズーマー。外装を削ぎ落とした「裸の鋼管フレーム」を採用し、機械が持つ本来の美しさをむき出しにした無骨なスタイルに、特徴的な丸型2灯のヘッドライトが組み合わさることで、圧倒的な個性を獲得。当時の若者を中心に高い人気を誇った2000年代を代表する50ccの名車だった。
そのルックスを踏襲しつつ、国内未発売ながら、ペダル付きの電動車として2023年に中国で復活したのが、ズーマーe:だ。電動版の初代となるそのモデルでは、当時の電動自転車の国家規格に適合させるため、自転車のような「ペダル」が装備されていた。しかし、2026年モデルではそのペダルがすっぱりと姿を消している。
その背景にあるのは、中国における電動自転車の強制的な国家規格(新国标)の改訂だ。製品の実用性向上や生産コスト削減、消費者の選択肢拡大を目的として「ペダルの装着義務」が撤廃されたのだ。
この規制緩和の恩恵をフルに受け、新型ズーマーe:はペダルを廃止。アイコニックな丸目2灯LEDヘッドライトと、むき出しの鋼管フレーム(裸露钢管车架)の美しさがより一層際立つことになった。スカスカのシート下スペースも含め、私たちがよく知る「50ccガソリン時代のズーマー」そのもののシルエットを取り戻したのだ。ワイドなオールテレインタイヤ(加宽全地形轮胎)を履いたその姿は、どんな街の風景にも映える出色のデザインだ。
免許不要モデルらしからぬガチすぎる足回り
スタイリングの進化だけではない。EBという日本でいえば特定小型原付に近い、免許不要の区分ながら、2026年モデルはクラス以上の安全装備を誇っている。旧モデルではフロントがディスク、リアがドラムブレーキという構成だったが、新型では「前後ディスクブレーキ(前后碟刹)」を採用。
さらに驚くべきことに、トラクションコントロールシステム(TCS)まで標準装備してしまったのだ。雨上がりのマンホールや白線など、不意にリアタイヤが滑りそうになる路面でも、システムが瞬時に介入して転倒のリスクを減らしてくれることだろう。
車体重量はわずか54.5kg。シート高は728mmと極めて低く設定されており、小柄な人でも両足がベッタリと地面に届くほどの足つきの良さ。これに5段階調整可能なリアサスペンションが加わることで、石畳や段差の多い道でも、乗り心地の悪化を防いでくれる構成だ。
航続距離は余裕の105km! スマートフォン連携で鍵すら不要に
「電動モデルは充電が面倒」という悩みも、新型ズーマーe:は過去のものにする。標準版(48V/24Ah)でもWMTC航続距離80kmを誇るが、今回追加された高配版(48V/30Ah)では、なんと105kmまで航続距離を伸ばしている。これなら毎日の通勤や通学に使っても、充電は週に1回程度で済む計算だ。バッテリーは取り外して自宅のコンセントで充電できるため、駐輪場に電源がないマンション住まいでも全く問題ない。
さらに、専用アプリ(Wi LINK)を使えば、スマートフォンがそのまま鍵になる。近づくだけでロックが解除され、離れれば自動で施錠。メカニカルキーを取り出す煩わしさから完全に解放される。クルーズコントロールやUSB充電ポートまで完備しており、現代のライダーが求める機能がすべて詰まっているのだ。
圧倒的なコスパで日本上陸を熱望!
これだけの重装備と所有感を満たすデザインでありながら、現地での価格は標準版で5999元(約15万円)。この価格設定は、まさに破格としか言いようがない。単なる移動手段を、毎日のちょっとした冒険に変えてくれる2026年モデルのズーマーe:。
日本では法規の違いにより、そのままの仕様で原付として走らせるのは難しいだろう。しかし、ペダルの呪縛から解放されて本来の姿を取り戻したこの魅力的な車体を、日本の公道でも味わってみたいものだ。
Wuyang-Honda ZOOMER e: (2026model) COLORS
【Wuyang-Honda ZOOMER e:】●フロストホワイト
Wuyang-Honda ZOOMER e: (2026model) SPECS
| 全長X全幅X全高 | 1700 X 765 X 1030mm |
| ホイールベース | 1220mm |
| シート高 | 728mm |
| 車両整備質量 | 54.5kg |
| 最高速度 | 25km/h |
| WMTC航続距離 | 80km (48V/24Ah標準版) / 105km (48V/30Ahハイグレード版) |
| モーター最大出力 | 400W |
| バッテリータイプ | 新能安リチウムイオンバッテリー |
| 電圧/容量 | 48V/24Ah (標準版) / 48V/30Ah (ハイグレード版) |
| ブレーキ方式 | 前後ディスクブレーキ |
| サスペンション | 5段調整式サスペンション |
| タイヤ | 航続タイヤ (ワイド全地形タイヤ) |
| 安全装備 | TCS |
| スマート装備 | Wi LINK (ロック解除方式: メカニカルキー解除、APP解除、Bluetooth感知解除、SMK解除) |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(新型スクーター)
各1000台限定の「精致国風」!クマドリ風グラフィックを纏う特別仕様スクーター ホンダは中国・重慶市で開催された「2026中国摩博会(CIMAMotor)」において、350ccスクーターカテゴリーの限[…]
ベスパ生誕80周年記念の第3弾!限定30台の「プリマベーラ 80th」が登場 1946年4月23日の特許出願から80年を迎えたベスパの歴史を祝うスペシャルエディションの第3弾、「ベスパ プリマベーラ […]
欧州の砂漠8000kmを走破した本物。ADX 250が体現する「リアルクロスオーバー」の骨格 SYM ADX 250は、車検のない日本の軽二輪クラス(126〜250cc)の税制・登録メリットに適合させ[…]
30馬力オーバーの強心臓が切り拓く高速クルージング ハオジュエ(豪爵)の最新鋭ビッグスクーター「TVL350」最大のウリとなるのが、完全新設計の339cc水冷4ストローク4バルブ単気筒エンジンだ。最高[…]
日立のトラコンとボッシュのABSを標準装備!原二クラスの枠を破壊した「ADX125 Plus」 中国で発表された新型スクーター「ADX125 Plus」(現地名:ADX Plus)のスペックシートを眺[…]
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
各1000台限定の「精致国風」!クマドリ風グラフィックを纏う特別仕様スクーター ホンダは中国・重慶市で開催された「2026中国摩博会(CIMAMotor)」において、350ccスクーターカテゴリーの限[…]
CB1300SF SPをオマージュ! 102万円で登場した「CB500SF クラシックカラーエディション」 ホンダは中国の重慶市で開催された「2026中国摩博会(CIMAMotor)」において、CB5[…]
スペックで勝負する時代の終焉 “スペックの高さこそがスポーツバイクの存在意義”と、多くのライダーが疑わなかったレーサーレプリカブーム。その全盛期ともいえる1989年に、カワサキが発表した「ゼファー」は[…]
重慶ショーで衝撃の初公開! ホンダ「CBR500R FOUR レーシングカラー」カスタムコンセプト ホンダは中国・重慶市で開催された重慶モーターサイクルショーにおいて、4気筒スポーツモデルの可能性を示[…]
Rebel 250(レブル250)のエンジンが予想以上…… 今や250ccクラスのバイクにおいてナンバーワンの人気車と言っても過言ではないRebel 250。ノーマルの時点から既にカスタムされているよ[…]
人気記事ランキング(全体)
136PSの1098cc並列4気筒ツアラー! 「Ninja 1100SX / SE」2027年モデルが11月14日登場 カワサキは、スポーツツーリングモデルの最高峰となる「Ninja 1100SX」お[…]
スマホはポケットやバッグにしまっておくだけ! 「M26」は、Apple CarPlayおよびAndroid Autoに対応したバイク用ディスプレイオーディオだ。 スマホとワイヤレス連携させることで、ス[…]
オートバイにもドリンクホルダーが欲しい! クルマなら、コンビニで買ったペットボトルや缶コーヒーをドリンクホルダーにポンと置けばいい。しかし、オートバイはそうはいかない。バッグにしまうのもひとつの方法だ[…]
218ps&15000rpmへパワーアップ! ドゥカティは、第7世代スーパーバイクの進化型となる「パニガーレV4」および「パニガーレV4 S」のMY2027を公表した。ヨーロッパ市場での2027年3月[…]
各1000台限定の「精致国風」!クマドリ風グラフィックを纏う特別仕様スクーター ホンダは中国・重慶市で開催された「2026中国摩博会(CIMAMotor)」において、350ccスクーターカテゴリーの限[…]
最新の投稿記事(全体)
スーパースポーツだけじゃない!様々なタイプのバイクで楽しめる サーキットというとスーパースポーツのようなモデルばかりと思われがちだが、サーキットエクスペリエンスには多種多様なバイクが参加している。スー[…]
教習所の記憶蘇るCB400SF。同じシリーズとは思えない楽!スムーズ!無駄なし! CBと聞くと、私はもう教習車のイメージが一番! コロナ禍で、一生懸命に通っていた教習所で乗っていたバイクです。紆余曲折[…]
C.サロンのソノート・ヤマハカラーがモチーフ! ヨーロッパヤマハは、ハーフカウルのスポーツヘリテージモデル「XSR900 GP」の2027年モデルを公表した。新たに設定されたカラーリング「レジェンドブ[…]
ガレージ作業の悩みを解消!プロクオリティを誇るワークマン「Wonderシリーズ」 愛車のメンテナンスやカスタムを楽しむDIYライダーにとって、作業着の性能は作業効率を大きく左右する。油汚れやツールの引[…]
Where West Coast Style Meets Harley Soul. カスタム車両の販売とFXR/ダイナなどのクラブスタイル&フリスコスタイルを最も得意とする同店らしく、その空間[…]
- 1
- 2









































