バイクにまつわるさまざまなパーツを取り扱うPLOT(プロト)と言えば、量販店ではお馴染みのブランドネーム。バイクを整備しようと、いざ分解を試みたら、特殊工具がないため分解できない…、といった経験を持つサンデーメカニックが『モトメカニック』誌の読者には数多いはず。メンテビギナーを脱却するには、さまざまなハンドツールが必要不可欠だが、さらに一歩先の作業を実践できる専用工具があれば、無理せず確実なメンテナンスに臨めることを知っておこう。
●文/写真:たぐちかつみ(モトメカニック編集部) ●外部リンク:PLOT
一歩先の作業を可能にするPLOTのサービスショップツールズ
愛車と楽しく付き合うためには“バイクのコンディション維持”が何よりも重要。わかってはいても、なかなか実行できないのがメンテナンスで、さらに二の足を踏んでしまうのが“日常の一歩先”にあるメンテナンス内容だろう。
モトメカニック編集部は、日常メンテからエンジン分解などの重整備も、ほぼ自身の手で行うDIY派の集まりだ。最初は誰もがビギナーで、いつしかさまざまなメンテにチャレンジ。
時には悩み、壁にぶつかることもあるが、そんなときに心強い味方となってくれるのが、特殊工具や専用工具と呼ばれる、通称「SST(サービスショップツールズ)」の存在だった。
今回はPLOT社が取り扱う特殊な工具や専門的な工具を紹介する。整備項目や自分の腕をひとつ上にステップアップするにはもってこいのアイテムたちだ。
ショックドライバービットセット
専用工具や特殊工具の“入口的な工具”のひとつに、ショックドライバーやインパクトドライバーと呼ばれる商品がある。ボルトの頭をナメてしまう前に、最初からこれを使って確実に緩めるように心かけよう。
フレックスプレート オイルじょうご
エンジンオイル交換や冷却水を抜き取る時に、そのままドレンボルトを抜くと周辺が汚れてしまうことがある。自在に折り曲げることができるこのフレックスプレートがあれば、隙間でも押し込むことができるガイドになる。
フォークシールドライバー
インナーチューブ径Φ40〜50ミリ(大型モデル用倒立フォークサイズ)に対応した、フォークシールドライバーセット。分割ウエイトに打ち込みシートをセットして組み合わせ、インナーチューブ表面を滑らせて打ち込む。
サイレンサープラグ
Φ30〜50ミリ内径のマフラー排気口に差し込むことで、雨水の侵入を防止。保管時などは虫の浸入を防ぐことができるプラグ。じつは、レーシングバイク用エアファンネルキャップとしても利用できる優れものだ。
ブレーキフルードストッパーセット
ブレーキキャリパーの分解メンテナンス時にあると便利なのがこの工具。ブレーキホース内のフルード漏れを最小限にできるフルードストッパー。ピンチタイプはバンジョーやフレアリングパイプ用。差し込み栓もある。
スパークプラグキャッププライヤー
熱い部品や熱い箇所にある部品を掴むときにも利用できるのがこのタイプのプライヤー。決して奥まった部分にはないが、ホンダ4ミニのプラグキャップの抜き取り時などには、見るからに大活躍しそうだ。
キャリパーピストン脱着ツール
ディスクブレーキメンテナンスの第一歩は、ブレーキキャリパーのエアブロー(掃除)で、その次がキャリパーピストンの揉み出しクリーニング。そんな作業時に威力を発揮するのがこの工具だ。使い道はピストンの脱着のみにあらず!!
フロントブレーキロック
停車中のバイクのスタンドが外れて転倒するトラブルは意外と多い。それはメンテナンス中やトランポでバイクを移動する時も同様。ディスク&ドラムブレーキに関わらず、このツールでブレーキレバーをロック。色違いもある。
バルブコアドライバー
単純なエアチェックだけではなく、エア圧が低下していたときなどは、バルブコアを抜き取り、ゴムシート部分の汚れを指先で除去してから締め付け直してエア注入。バイク乗りなら絶対に所有すべき特殊工具だ。
シックネスゲージ
4ストロークエンジンのメンテナンス時には必要不可欠なシックネスゲージ。一般的にタペットクリアランスは0.08〜0.15mm(エンジンタイプや仕様で異なる)の範囲。入りにくいときに1枚だけ取り外せるタイプは便利だ。
リムロック
リムロックと呼ばれるこの商品は、特殊工具ではないが、オフロード車の駆動輪のタイヤチューブ内側に組み込むビードストッパー。最近のオフロード車には組み込まれていないケースが多い。エア圧を下げて荒地走行するときには必需品。
ヘックスソケット4in1
3/8sq(9.5ミリ角)のソケットレンチと組み合わせて利用する段付きヘックスソケット。アクスルシャフトの固定に便利でさまざまなサイズがオールインワン。モデルによってはフロントフォークのダンパーシートホルダーにも利用可能。
サビプロテクト 防錆コーティング
常にバイクは美しくありたい。サビの発生をできる限りなくしたいと考えると重要なのが防錆コート。洗車した後の各種メッキ部分に塗布磨きする(ウエスに吹き付けて拭うのがベスト)ことでサビの発生を防止できる。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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