
ある日、いきなりバイクのホイールが動かなくなったらどうしますか? ええ、お察しの通り。私は今困っております。はい、 まさに「今」なのです。動かないんだ、ホイールが。出かけなきゃイケナイのに!!・・・というわけで今回は緊急企画。ライブ感たっぷりでトラブル解決レポート。現場からほぼリアルタイムでお送りします。それでは、さっそく行ってみましょう~!
●文:ヤングマシン編集部(DIY道楽テツ)
久しぶりにバイクを動かそうとしたら…
えっとですね。しばらくの間、愛車のヤマハDT50に乗れていなかったのですよ。で、久々に乗ってみようかと思いまして、駐輪場から引っ張り出そうとしたわけです。
そしたら。動かない。
ん? 何か石でも挟まってるのかしらん?と思って、もう一回押してみる。
やっぱり動かない。いやいやいや、そんなことある?
ブレーキレバーは普通にカッコンカッコン動く。ドラムブレーキのアームもスッコンスッコン動いている。つまり、操作感としてはまったく異常なし。後輪は普通に動く。タイヤに何か挟まっている様子もない。見たところ、車体のどこにも異常は見当たらない。
なのに。フロントホイールだけが回らない。文字通り、押しても引いてもビクともしない。虚しくフロントフォークが伸びたり縮んだりするだけ。
・・・一体、何が起こっているのでしょうか?? 今から出かけなきゃいけないのに!銀行に行きたいのに!!
ええい、悩んでいてもしょうがない。なんとかしてみますっ!
動かせないからココでバラす!
困ったことに、分解しようにもガレージまで持っていくことすらできません。だって、フロントホイールが完全ロックしているんですもの。無理やり持ち上げて運ぼうものなら、ぎっくり腰一直線ですよ。それはイヤン。
ぶっちゃけ、現時点では原因はまったく分かりません。一番疑わしいのは、やっぱりドラムブレーキ。
次点として、メーターギアの破損とかもあるのかな? ベアリングがいきなり完全に動かなくなるのは考えにくい。でも、ないとは言い切れないよね。何にせよ、この場から一歩も動けない状態で原因を探らねばならんのです。
まあいいや。開けてみりゃ、わかるでしょ。
というわけで、かなり雑な作業環境で申し訳ないのですが、無理やり車体を浮かせてフロントホイールを外してみることにします。
強引にフロントアップさせる
ジャッキで車体を持ち上げて、フロントを浮かせます。この時点でも、やっぱりホイールは回りません。
試しにスピードメーターケーブルを抜いてみますが、状況は変わらず。うーん。やっぱりブレーキか?
ナットを緩めて、アクスルシャフトを抜きます。
すると、ホイールそのものはアッサリ外れました。
ここでベアリングをチェック。…まったく問題なし。はい、ブレーキ確定ですね。
でも、ブレーキアームもちゃんと動くし、戻るし、それでこんなに固着する理由がわからない。何が起こってるんだろう? ブレーキシューのライニング剥離で噛み込んじゃってるのかしらん?
ブレーキパネルを外してみたら
ブレーキパネルは、さぞかしガッチガチに固着しているのかと思いきや、意外にもちょっとコジって、ギコギコやると抜けてきます。
ギコギコギコギコ
ちょっとずつ外れてきて・・・「ボコッ!」
ブレーキが外れt・・・ぎゃあ、サビてる!!
そんじゃ、ドラム内部はどーなってんのかなと覗いたら・・・
うっわ、もっとサビてる!! うっすらのサビどころか、ザリザリになってる始末。時間かけて、というより短期で一気に錆が発生したようなカンジですね、こりゃ。
ブレーキシューもサビ。ドラム内部もサビ。どちらも見事にサビ。でも、ブレーキのサビだけでホイールがまったく動かなくなるものなのか? なんか他にもありそうだな~と思いつつも、とりあえずサビ落としを開始します。
サビを落としたらあっさり復活したが?
ところがこのサビ、思ったより簡単に落ちました。
シュー側は、ブラシで擦るとあっさり落ちたし。
ドラムは内側なので磨きにくいけど、ワイヤーブラシで酷いとこをピンポイントで落として、全体は研磨パッドでぐりぐり擦ると概ね落ちてくれました。
ほい、こんなカンジでどうでしょう?
さて。これでどうかな?
ブレーキパネルが
スコっとな。あれ?簡単に入っちゃったよ? 回してみると・・・
クルクル回る!!
そのままホイールを組み込んで、手で回してみると…
やっぱりクルクル回る! おおおおおお!! めちゃくちゃ軽快に回るではないですか。問題ないどころか、快調そのもの。えええぇ~・・そうなんですか?
けっきょく、原因はサビによる癒着かい!!
というわけで、今回の原因はどうやらサビだったようです。ドラムブレーキ内部に発生したサビによって、ブレーキシューとドラムが癒着した。もしくは、サビの厚みやザラつきが引っかかって、ホイールをロックさせていた。そんな感じだったみたいです。
正直、ちょっと腑に落ちない部分もあります。だって、そこまで強烈に固着していた感じはなかったのですよ。でも、軽いサビの引っかかりや癒着が複数箇所で起きていたとしたら、今回のように「まったく動かない」状態になるのかもしれません。
いやあ、油断できませんね。たかがサビ、されどサビ。今回もまたひとつ勉強になりました!
なぜドラムブレーキはサビるのか?
考えてみれば、ドラムブレーキの中はサビる要素がたぶんにあります。ドラムは鉄。ブレーキシューにも金属成分が含まれているものもあります。そこに水分が入れば、当然サビますよね。雨が原因かもしれない。雨天走行の影響かもしれない。洗車後に水分が残っていたのかもしれない。
長期間動かさなかったことで、湿気が抜けずに内部でサビが育ったのかもしれない。原因をひとつに絞ることはできませんが、少なくとも今回は「ちょっと放置したあと」に発生したトラブルでした。ドラムブレーキって外から中が見えないので、気づきにくいんですよね。
レバーは普通に動く。アームも普通に動く。見た目も異常なし。なのに、ホイールだけが回らない。
これはちょっと焦りましたね~!!
同じ症状で困ったら、まずドラム内部を疑ってみるべし
「久しぶりに動かそうとしたらホイールが回らない」「ブレーキレバーは動くのにタイヤだけロックしている」「押しても引いてもフロントだけ動かない」。そんな症状が出たら、ドラムブレーキ内部のサビを疑ってみるのも手だと思います。これは後輪のドラムブレーキでも同じこと。ディスクブレーキと違ってドラムの中に隠れてしまっているので、原因も水も閉じ込めてしまうのが弱点なのでしょうね。
もちろん、ブレーキは重要保安部品です。少しでも不安があるなら、無理せずプロに任せるべし。
バイクごと移動できない場合でも、ホイール単体で外してバイク屋さんに持ち込むという方法もあります。自信がないままブレーキをいじるのは危険ですからね。ここは本当に慎重にいきましょう。
まとめ
いや~、原因がわかってよかったです。最初は、ベアリングか? メーターギアか? それとも何か重大なトラブルか?なんて思いましたが、フタを開けてみればドラムブレーキ内部のサビ。しかも、軽く掃除しただけで復活。拍子抜けといえば拍子抜けですが、こういう小さなサビが走行不能レベルのトラブルを起こすというのは、なかなか勉強になりました。
やっぱりバイクは動かしてナンボ。長期間放置すると、思わぬところが機嫌を損ねるものですねぇ。
同じような症状で困っている方の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。現場からは以上です! 銀行、いってきまっす!!
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