
昨今のアドベンチャーバイク市場は、電子制御満載の大型モデルから、扱いやすいミドルクラスまで幅広い展開が行われているが、海外に目を向ければ、魅力的なパッケージを持ちながら国内未導入という「お宝」がまだ存在する。今回は、日本の道でも真価を発揮しそうな注目の3モデルをピックアップしよう。
●文:ヤングマシン編集部
カワサキ KLR650:質実剛健を貫くビッグシングルのタフガイ
カワサキの北米市場におけるロングセラー「KLR650」は、まさに質実剛健を地で行くモデルだ。心臓部には100mmという巨大なボアを持つ652cc水冷単気筒を搭載。
最高出力41psと数値こそ控えめだが、わずか4500rpmで5.4kgf・mの最大トルクを絞り出す設定は、未舗装路を粘り強く進むのに最適なキャラクターと言える。特筆すべきは23Lもの大容量燃料タンクで、広大な大地を走り抜ける圧倒的な航続距離を確保している。
昨今のトレンドであるトラクションコントロールや電子制御サスといったライダーアシストを一切排し、信頼性を第一に掲げる設計思想は、現在のハイテクブームとは一線を画す独自の魅力がある。一方で、足つき性に配慮したシート高815mmの「S」モデルや、サイドケースを標準装備した「アドベンチャー」グレードなど、実用的なラインナップ展開も魅力だ。
国内ではヴェルシスシリーズとの兼ね合いで導入の可能性は低いが、このシンプルでタフな「道具感」は、北海道のような広大な地を旅するライダーにとって、最強の相棒になるはずだ。
粘り強い100mmボアビッグシングルと23Lタンク KLR650の心臓部は、水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒エンジンだ。排気量は652ccで、ボア径はなんと100mmにも達する超ビッグシングルと[…]
カワサキ KLE500:ラリースタイルで復活した快活なツインアドベンチャー
かつての「KLE400」などの名称を継承する「KLE500」。パワーユニットにはエリミネーター500譲りの451ccパラレルツインを採用し、低回転のトルクと高回転の伸びを両立。フロント21インチ、リヤ17インチのスポークホイールを履き、フロントには210mmのストロークを誇るKYB製φ43mm倒立フォークを装備するなど、オフロード走行を強く意識した造り込みがなされている。
注目すべきはそのハンドリング特性だ。ダイヤモンドフレームに高回転型のエンジン、そしてリヤ17インチホイールの組み合わせは、テールスライドをコントロールするような快活な走りを予感させる。上級仕様の「SE」では、4.3インチTFTカラー液晶や大型スクリーン、金属補強されたハンドガードを装備し、ラリーレプリカとしての完成度を高めている。
日本国内への導入や、免許制度に合わせた400cc化については現時点で不明だが、軽量な車体と元気なエンジンの組み合わせは、日本の林道やワインディングでも最高の楽しみを提供してくれるに違いない。
ラリースタイルのアドベンチャーモデル爆誕! カワサキが欧州&北米で2026年モデルとして発表した「KLE500」シリーズは、「LIFE’S A RALLY. RIDE IT.」というスローガンを体現す[…]
ヤマハ トレーサー7/GT:電子制御と足まわりを強化した実力派ツアラー
欧州で高い支持を得るヤマハの「トレーサー7」および上級版「トレーサー7 GT」。定評のある689cc並列2気筒CP2エンジンに電子制御スロットルを採用しており、3段階のライディングモードやトラクションコントロールも可能。さらに、φ41mm倒立フォークやラジアルマウントキャリパーを採用しており、足まわりの剛性とコントロール性も高い。
ツーリング性能も抜かりない。クルーズコントロールを装備したほか、ハンドル位置を高くワイドに設定し、より快適なアップライトポジションを実現。GT仕様では大型スクリーンやパニアケース、グリップヒーターなどが標準装備され、長距離走行の準備は万全だ。
5インチTFTディスプレイはスマホ連携によるナビ表示にも対応し、現代のツアラーに求められる機能を網羅している。18Lに増量された燃料タンクも心強い。日本市場においても「ちょうどいいサイズ感」のスポーツツアラーとして、導入を待ち望む声は根強い。
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