
カワサキとビモータの技術が結集した新しいモデル「Tesi H2 TERA」。Z H2譲りの200馬力スーパーチャージドエンジンと、進化した独自のハブセンターステアリング(TERA)はどんな走りを見せるのか? 元MotoGPライダー青木宣篤氏がサーキットで徹底テスト。その驚きの完成度と走りの真価に迫る。
●まとめ:伊藤康司 ●写真:真弓悟史 ●外部リンク:カワサキ
サーキット激走も無問題! 新時代のアドベンチャー
2019年にカワサキがイタリアのビモータと資本提携し、最初に登場したのがNinja H2のエンジンを搭載した「TESI H2」。そのハブセンターステアリングをさらに進化熟成させた“TERAシステム”を装備するアドベンチャーバイクがTESI H2 TERAで、Z H2のスーパーチャージドエンジンを搭載する。
ハブセンターステアリングは、ビモータ社のCOO(最高執行責任者)であるピエルルイジ・マルコーニ氏が、かつてボローニャ大学の卒業論文で執筆したものが原型(TESI =テージは卒業論文の意味)。バイクで一般的なテレスコピック式フロントフォークとは異なり、前輪の操舵と衝撃吸収の機能を切り離すことで、加減速時のフロント周りのリフトやダイブを無くし、キャスター角やトレール量を常に安定させる画期的なシステムだ。
「一般的なテレスコピックフォークのバイクと違って、タイヤがグリップしてハンドル操作した時の“重み”が、接地感としてしっかり伝わってくるからね。この車格のバイクをこの速さ(サーキット走行)で走らせているのに、これほど安定しているのは凄いコト。普通のバイクならあんなにスロットル開けられないし、ブレーキもかけられないよ! 操舵と緩衝(衝撃吸収)を切り離しているハブセンターステアリングならではだね。
じつは僕、(ビモータ×カワサキの)前作のTESI H2に乗ったことあって、開けられるし止まるんだけれど、接地感が希薄で“このバイクは直線番長かな”って思った。でも今回のTERAは、あれから4~5年でセットアップがかなり熟成されたように感じるね。
エンジンは 現行モデルのZ H2でしょ? 良いよね~、スーパーチャージャー(笑)。ドッカンターボのような唐突さが無くて、NA(自然吸気)エンジンの特性を、そのまま上に持っていくようなパワーの出方がめちゃくちゃ面白い。その速さを足周りがしっかり受け止めているから、凄くバランスが良いね。
それとこのブロックタイヤ、サーキットをガンガン走ってもまったく平気。TERAは雰囲気だけじゃなくて、どこでも攻略できる“本物のアドベンチャー”だね!(青木宣篤)」
bimota Tesi H2 TERA
【ライダー:青木宣篤】1971年生まれ。ポケバイ、ミニバイクを経て1989年に史上最年少で国際A級昇格。1993年からWGP250、1997年にWGP500でルーキーオブイヤーを獲得。モトGPにプロトンKRで参戦、スズキのMotoGP開発ライダーとしても活躍し、長年にわたって知見を蓄えてきた。
bimota Tesi H2 TERA 主要諸元
主要諸元■全長2125 全幅910 全高1390(1438 =スクリーン・ハイポジション) 軸距1455 シート高820(mm) 車重244kg(装備) ■水冷4スト並列4気筒スーパーチャージドDOHC4バルブ 998cc 200ps/1万1000rpm 14.0kg-m/8500rpm 6段リターン 燃料タンク容量19L ■タイヤF =120/70ZR17 R =190/55ZR17 ■価格638万円
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