
2020年に惜しまれつつ国内販売を終了した名車、セロー250。しかし、その血統は海を越えた北米の地で「XT250」として力強く生き延びていた。日常の足から週末の泥んこ遊びまで1台でこなす圧倒的な万能性。日本のライダーが喉から手が出るほど欲しがる、軽くてタフなデュアルパーパスの魅力に迫る。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:yamaha motorsports
重いバイクに疲弊する日々の”回答”は海を越えた先にあった
「休日に大型バイクをガレージから引っ張り出すのが、なんだか億劫になってきた」。そんな悩みを抱えるライダーは少なくないはず。車検費用やタイヤ代といった維持費の高さに加え、ちょっとした買い物や狭い路地でのUターンで感じるプレッシャー。せっかくのバイクライフが、気づけば我慢の連続になっていないだろうか。
そんな日々の不満を軽やかに吹き飛ばしてくれる存在が、ヤマハ「XT250」だ。かつて日本中の林道を駆け巡った「セロー250」の北米版とも言えるこのモデル。取り回しのしやすさと絶対的な安心感は、我々が日常でバイクに求める「気軽さ」という最高のメリットを提示してくれる。
あの「セロー」の血統。北米専用の巨大丸目ライトが冒険心をくすぐる
XT250を一目見て惹きつけられるのは、その愛嬌たっぷりのフロントマスク。国内版のセロー250よりも一回り大きな丸型の60/55Wハロゲンヘッドライトを採用し、夜間の視認性を向上。さらに、フレキシブルにマウントされた大型のウインカーが、北米仕様ならではのタフな道具感を演出する。
カラーリングは精悍な「ラジカルグレー」を採用。テールまわりのデザインは、あえて通常のバルブ式テールランプを使っていた頃のセロー250前期型を彷彿とさせる造形。この少しクラシカルで実用性重視のスタイリングが、たまらなく所有欲を刺激してくる。
圧倒的な足つきと軽さ。跨った瞬間、どこへでも行ける自由を手に入れる
このバイク最大の武器は、なんと言っても132kg(291ポンド)という驚異的な軽さ。そして、810mm前後(31.9インチ)に抑えられた低シート高が生み出す圧倒的な足つき性だろう。
さらにエンジンは信頼性抜群の249cc空冷4ストローク単気筒を採用。フューエルインジェクション(FI)の恩恵で、寒い朝でもセルボタンを一押しするだけで簡単に目覚める。気負うことなくスニーカー感覚で走り出せる機動力こそ、XT250が北米で長く愛される理由だろう。
週末は泥まみれになりたい。本格オフロード装備が林道への扉を開く
もちろん、XT250は単なる街乗りバイクで終わらない。アスファルトが途切れ、ダートが始まってからが本領発揮の見せ所。フロント21インチ、リア18インチのアルミホイールは、本格的なオフロード走行を前提とした比率だ。
最低地上高はたっぷり11.2インチを確保し、フロント8.9インチ、リア7.1インチのストローク量を持つサスペンションが、林道のギャップをなめらかに吸収してくれる。ハンドル切れ角はトライアルマシンのような51度を誇り、コンパクトなターンに寄与する。泥んこになって遊ぶ少年の心を取り戻せる最高の相棒といえよう。
日本導入を夢見て。僕らの好奇心を満たす究極の相棒
現地価格は5,499ドル、日本円にして約80万円。残念ながら現在のところ日本国内での正規販売はないが、北米の厳しい環境で「名車セローの魂」が今も新車として生産され続けているという事実は、日本のライダーにとってうれしいニュースだ。いつかまた、このジャストサイズのデュアルパーパスが日本の土を踏む日が待ち遠しい。
YAMAHA XT250(北米仕様)SPECS
| 項目 | スペック詳細 |
|---|---|
| モデル名 | 2025 XT250(北米仕様) |
| エンジン | 空冷4ストローク単気筒 SOHC 2バルブ |
| 排気量 | 249cc |
| 車両重量(装備重量) | 291 lb(約132kg) |
| シート高 | 31.9インチ(約810mm)※仕様によって32.7インチ |
| 最低地上高 | 11.2インチ |
| ホイールベース | 53.5インチ |
| タイヤサイズ | フロント:21インチ / リア:18インチ(アルミホイール) |
| ブレーキ | 前:245mmディスク / 後:203mmディスク |
| 現地価格 | 5,499米ドル(約80万円) |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(新型バイク(外国車/輸入車))
憧れのGPマシンをガレージに。所有欲を満たす特別なレーシング・カラー 「ハイエンドなスポーツバイクに乗るなら、誰が見ても特別な1台だとわかるオーラが欲しい」。そんなライダーの欲求を完璧に満たしてくれる[…]
排気量アップの恩恵。余裕のパワーと驚きの低燃費を両立 「お洒落なスクーターに乗りたいけれど、幹線道路の合流や上り坂ではパワー不足が不安だ」。そんな悩みを抱えるライダーにとって、ベスパのアップデートはこ[…]
タンク形状とサブフレームの刷新。2kg減が生み出す極上の一体感 「マシンのポテンシャルは高いが、タンクのホールド感にもう少し自然さが欲しい」。そんな従来モデルに対するライダーの微細な感覚に、KTMの技[…]
伝統と革新が交差する、息を呑むほど美しいシルエット 「外車はデザインが良いけれど、ポジションがキツそうで乗るのをためらってしまう」。そんな不安を抱えるライダーの前に新型モンスターを置けば、ひと目でその[…]
規制をクリアしつつ速さを追求。心臓部の全面改良 「最新の厳しい規制に対応すると、どうしてもパワーダウンしたりレスポンスが鈍くなったりするのでは」。そんなスポーツバイクファンの不安を、スズキの技術陣は真[…]
最新の関連記事(セロー250)
ヤマハ セロー250試乗レビュー この記事では、ヤマハの”二輪二足”をキーワードに誕生したマウンテントレールの元祖、セロー250の2020年モデルについて紹介するぞ。35年の歴史に幕を下ろした、最終モ[…]
セローを愛するユーザーたちへ 本イベントは、「とっておきの初心者用ゲームで、ライテク上達ポイントを手に入れて、10年後も20年後も、末永~く凛とした姿で走り続けよう!!」というメッセージを掲げ、セロー[…]
おお、デカ目! 北米セローはXT250の名で存続、極太タイヤのTW200は懐かしの四角ライト 日本国内では、2020年7月31日にセロー250ファイナルエディションの最後の1台が出荷されてから4年が経[…]
おお、デカ目! 北米セローはXT250の名で存続、極太タイヤのTW200は懐かしの四角ライト 日本国内では、2020年7月31日にセロー250ファイナルエディションの最後の1台が出荷されてから4年が経[…]
カモシカライダー 今回のバイク:ヤマハ セロー250 ヤマハが藪をかき分けて山を登るためのバイク「マウンテントレール」という概念を打ち立てたのがセローシリーズです。2005年にフルモデルチェンジをし、[…]
人気記事ランキング(全体)
【魅力1】30年ぶりの4気筒フルカウルに最新「Eクラッチ」を融合 「4気筒の高周波サウンドを響かせながら、風を切って走りたい」。そんなフルカウルファンの渇望を満たすCBR400R FOUR E-Clu[…]
繊維強化プラスチック×高密度リブで「軽さと強さ」を両立! まず注目したいのが、そのタフな骨格だ。 トッププレートには高強度の繊維強化プラスチックを採用。裏面には緻密な高密度リブ構造を巡らせることで、積[…]
【魅力1】新設計4気筒エンジンと「Eクラッチ」の融合によるイージースポーツ 「あの甲高いエキゾーストノートをもう一度味わいたい」。そんなライダーたちの熱い想いに応えるように、ホンダは完全新規の直列4気[…]
再現という行為の本質 第18回モンキーミーティングの会場には数多のモンキー系カスタムが集まり、綺羅星のごとく会場を埋め尽くしたカスタムモンキーの中に一際目を惹く1台があった。 それは伝説的名車であるホ[…]
青春のバイブル『バリバリ伝説』と憧れの「しび子ちゃん」 しげの秀一氏が描いた『バリバリ伝説』は、単なるモータースポーツ漫画にとどまらず、一つの時代を象徴するバイブルだった。アマチュアの峠の走り屋から、[…]
最新の投稿記事(全体)
綾織カーボンシェルで軽さと剛性、ルックスを大幅にアップ! 『GEOSYS-R』は、帽体素材をカーボンとしたことで、ジオシスシリーズのコンセプトである、オンロードでの長距離走行における快適性と、オフロー[…]
「いつかはハーレー」で終わらせない、現実の選択肢へ! WH:これまでウィズハーレーは、北海道ツーリングに同行させていただきましたし、全国のイベントでも玉木代表がハーレーに乗って走る姿を何度も拝見してい[…]
【主要諸元】 サイズ:全長 2130 全幅 820 全高1120 軸距 1492 シート高 775 [ローシート+ローサスペンション] (各mm) 車重:175kg(燃料ナシ) エンジン[…]
注目は「S.I.R.S.」の進化! 脳波と直結する超インテリジェント電子制御 今回の目玉は、ライダーの走りを全方位でバックアップする最新の電子制御システム「S.I.R.S.(スズキインテリジェントライ[…]
爽やかなブルーが街に映える「Z900RS」の新色 「Z900RSのスタイルと性能には文句のつけようがない。あとは、自分好みのカラーリングに出会うだけだ」。そんな風に購入のタイミングを見計らっていたライ[…]
- 1
- 2







































