
ヤマハは欧州で、可変バルブ機構VVAを備えた水冷単気筒エンジンを搭載する新型オフロードモデル「WR125R」を発表した。欧州では2016年モデル以来の登場だ。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
MCショーで公開された「オフロードカスタマイズコンセプト」の回答か
ヤマハは、今春に開催された大阪モーターサイクルショーにて「オフロードカスタマイズコンセプト」なる謎のコンセプトモデルをサプライズ展示。これがさまざまな憶測を呼び、なんならWR200Rの登場やセロー200としてのバリエーション展開なども期待されたが、まずは欧州で新型となる「WR125R」発表となった。
このたび欧州で発表されたのは、アジア圏でWR155Rとして販売されているモデルを125cc版とし、さらにエンジンを最新ユーロ5+に適合するとともに外観デザインや一部装備などを変更した「WR125R」だ。
欧州においては2016年モデルまでラインナップされていたスモール・オフロードモデルであり、2026年モデルの発表で10年ぶりの欧州市場への復帰が宣言された形だ。
YAMAHA WR125R[2026 EU model]
エンジンは低回転/高回転向けの2つの吸気カムプロファイルが走行中に切り替わる“可変バルブ機構=VVA”を採用した水冷単気筒で、ベースはアジアンモデルのWR155Rと共有している模様。これに2つの触媒とO2センサー、キャニスターを備えている。WMTCモード燃費は43km/Lを誇り、計算上の航続可能距離は350kmを超える。
基本骨格もセミダブルクレードルフレームはWR155Rを踏襲しており、これに新たな外装デザインなどを組み合わせた。
デザイン上の特徴になっているのは縦目2灯のヘッドライトで、下側がデュアルレンズLED(1ユニットでロー/ハイビームを構成)、上側がバルブ式ポジションライト。テールランプは横長のLEDを採用しており、ウインカーは前後ともバルブ式だ。
メーターはスマートフォン接続機能を備えた多機能液晶タイプで、ヤマハが無料で提供する「MyRide」アプリに対応。ライディングデータの追跡や通知の表示が可能だ。
サスペンションはフロントにKYB製φ41mm正立フォークを採用し、リヤにはリンク式モノクロスサスペンションを装備。前21/後18インチタイヤ(ダンロップD605)を履き、前後ディスクブレーキにフロント①チャンネルABSを組み合わせる。
水平基調のデザインに無理なく調和しているシートは、日本人にはやや厳しいと思えるシート高875mmだが、日本仕様が登場するとしたらこのあたりは対策されそうだ。
欧州仕様の価格と発売時期については2025年中に詳細を発表するとしているが、「優れた燃費と競争力のある価格」というから楽しみだ。
カラーバリエーションはアイコンブルーとヤマハブラックの2色が用意される。
これが日本にWR125Rのまま導入されるのか、排気量の異なるWR155Rとして導入されるのか、はたまたこれまでにない排気量設定やデザインが採用されるのか──。MCショーでの匂わせ展示からは何かしらの形で日本仕様が登場すると思われるが、引き続き情報を収集していきたい。
YAMAHA WR125R[2026 EU model]
主要諸元■全長2160 全幅840 全高1195 軸距1430 シート高875(各mm) 車重138kg■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ(VVA搭載) 125cc 14.5ps/10000rpm 1.2kg-m/6500rpm 変速機6段 燃料タンク容量8.1L■キャスター/トレール=28°20′/117mm ブレーキF=φ267mmディスク+2ポットキャリパー R=φ220mmディスク+1ポットキャリパー タイヤサイズF=2.75-21 R=4.10-18 ※諸元は欧州仕様
YAMAHA WR125R[2026 EU model]Icon Blue
YAMAHA WR125R[2026 EU model]Yamaha Black
ヤマハWR125R ディテール
WR125R 走行写真ほか
【動画】2026 Yamaha WR125R: Rule the Trails
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