【マン島TT 2026】雨に泣いた異例の幕切れ。半数が中止の波乱も、マイケル・ダンロップが通算36勝の金字塔! 山中正之も執念の完走

【マン島TT 2026】雨に泣いた異例の幕切れ。半数が中止の波乱も、マイケル・ダンロップが通算36勝の金字塔! 山中正之も執念の完走

決勝ウィークに入ってから連日の雨天に見舞われた2026年のマン島TTは、6月6日の最終日のレースが雨のため中止となって終了した。予定されていた10レースのうち5レースしかフィニッシュできなかった今年のマン島TTの後半をレポートしよう。


●文と写真:山下剛(ヤングマシン編集部) ●外部リンク:ISLE OF MAN TT RACES

シニアTTは赤旗中断で1周目の順位がレース結果に

今年のマン島TTはつくづく悪天候に翻弄された。サイドカーTTは車体の空力に問題があり、予選も決勝も中止になったことはすでにお伝えしたが、結果としては2レースを予定していたスーパーストックTTも雨のために延期の末キャンセルとなり、まったくスタートできずじまいだった。

このほかにスポーツバイクTTレース2が中止となり、サイドカーを除く8レースのうち5レースしか消化できないまま、今年のマン島TTは幕を閉じたのだ。

主催者は気象庁と連携を組みつつ、天気予報をもとにしてレース日程を幾度となく組み直し、その都度変更を繰り返したが、そのほとんどが雨によって阻まれた。

そして6月3日、主催者は悪天候が予想される翌4日をレースのない休息日とし、5日にはスーパースポーツTTレース2、スポーツバイクTTレース1、シニアTTの3レース、6日にスーパーストックTTレース2をスタートさせる日程を発表した。

5日のマン島は連日の雨の隙をついた晴れ間で、スポーツバイクTTレース1までは計画どおりにレースが進んだが、歯車が狂ったのはシニアTTだった。ディーン・ハリソン選手(CB1000RR-R)がリーダーとなってレースを引っ張っていた2周目、後続ライダーが11マイルストーン付近でクラッシュしてコースに赤旗が掲示された。しかし18時すぎのスタートだったレースには時間的余裕がなく、そのまま中止となってしまった。

主催者は急遽日程を変更し、翌日開催としていたスーパーストックTTレース2を中止とし、その代わりとして再スタートとなるシニアTTとスポーツバイクTTレース2の開催を発表。しかし6日は折から天気予報は雨。当日のマン島は未明から雨が続き、主催者は早朝6時に3時間のディレイ(遅延)を発表。その後さらに2時間のディレイとしたが天候は回復せず、14時に今年のマン島TT終了が発表された。

再スタートが実現しなかったシニアTTは、1周目の順位がそのままレース結果となることも伝えられた(本来は6周だが、今年は日程変更により4周に短縮されスタートした)。

このようにして異例の事態のまま終了してしまったマン島TTは、あらためてモータースポーツとは天候次第、原則的には自然相手の競技である、ということをイヤというほど実感させられた。

そんな今年のマン島TTだったが、すばらしいトピックとしては中止が相次ぐなかにおいてもマイケル・ダンロップ選手が3勝を挙げ、TT通算勝利数を36に伸ばしたことだろう。ダンロップ選手に次ぐライダーは、現役ではジョン・マクギネス選手の23勝で圧倒的なリードを持っている。ダンロップ選手は偉大なる伯父であるジョイ・ダンロップ選手の記録である26勝を超えてなお、その勢いはとどまるところを知らない。

また、日本から出場している山中正之選手は、スポーツバイクTTレース1を見事に完走し、33位でフィニッシュした。今年は初めて走らせるパトン S1-Rに順応しつつの練習と予選走行となり、度重なる雨天で思うように走れない日が多かったが、2015年のマンクスGP(マン島TTの登竜門レース)に参戦以来、欠かさず毎年参戦してきた経験があってこその結果だ。


Supersport TT Race 1 Results (3 Laps)

順位ライダーマシン総合タイム平均速度(mph)
1マイケル・ダンロップパニガーレV253分46秒857126.318
2ディーン・ハリソンCBR600RR54分10秒327125.367
3ピーター・ヒックマンストリートトリプル765RS54分33秒833124.467
4ポール・ジョーダンパニガーレV254分45秒406124.029
5ジョシュ・ブルックスGSX- R75055分3秒948123.332
6ドミニク・ハーバートソンストリートトリプル765RS55分10秒708123.081
7ジェイミー・カワードCBR600RR55分16秒744122.857
8ショーン・アンダーソンGSX- R75055分17秒040122.846
9イアン・ハッチンソンパニガーレV255分19秒341122.76
10マイク・ブラウンYZF-R655分25秒500122.533


Supersport TT Race 2 Results (3 Laps)

順位ライダーマシン総合タイム平均速度(mph)
1マイケル・ダンロップパニガーレV253分11秒722127.669
2ディーン・ハリソンCBR600RR53分37秒849126.632
3ピーター・ヒックマンストリートトリプル765RS53分51秒386126.102
4マイク・ブラウンYZF-R954分10秒803125.349
5ポール・ジョーダンパニガーレV254分11秒731125.313
6ジョシュ・ブルックスGSX-R75054分13秒396125.249
7ドミニク・ハーバートソンストリートトリプル765RS54分31秒073124.572
8ジェイミー・カワードCBR600RR54分46秒844123.974
9ショーン・アンダーソンGSX-R75054分51秒820123.787
10イアン・ハッチンソンパニガーレV255分05秒033123.292

Sportbike TT Race 1 Results (2 Laps)

順位ライダーマシン総合タイム平均速度(mph)
1マイケル・ダンロップS1-R36分29秒328124.082
2マイク・ブラウンS1-R36分58秒103122.472
3ポール・ジョーダンRS66036分58秒767122.436
4ピーター・ヒックマンYZF-R737分26秒382120.930
5ジェイミー・カワードS1-R37分40秒420120.179
6ジョー・ヤーズリーYZF-R737分57秒100119.299
7ドミニク・ハーバートソンデイトナ66038分08秒037118.729
8バズ・ファーバーYZF-R738分14秒641118.387
9ミハル・ドコウピルRS66038分15秒960118.319
10マイケル・スウィーニーRS66038分25秒586117.825


Senior TT Results (1 Lap)

順位ライダーマシン総合タイム平均速度(mph)
1ディーン・ハリソンCBR1000RR-R16分44秒900135.166
2ピーター・ヒックマンM1000RR16分57秒360133.510
3ジョシュ・ブルックスCBR1000RR-R17分02秒997132.775
4イアン・ハッチンソンM1000RR17分10秒643131.789
5マイケル・ダンロップCBR1000RR-R17分14秒045131.356
6ジェイミー・カワードCBR1000RR-R17分24秒789130.005
7デイビッド・ジョンソンZX-10R17分25秒689129.893
8ネイサン・ハリソンCBR1000RR-R17分27秒178129.709
9マイク・ブラウンCBR1000RR-R17分27秒428129.678
10コナー・カミンズM1000RR17分27秒479129.671

スポーツバイクTTでパトン S1-Rを駆って勝利したマイケル・ダンロップ選手。※写真は予選走行中に撮影したもの

2レース行われたスーパースポーツTTで2連勝を決めたマイケル・ダンロップ選手(ドゥカティ パニガーレV2)

シニアTTで優勝したディーン・ハリソン選手(ホンダ CBR1000RR-R)

マンクスGPに2回、マン島TTに8回出場し、マン島レース経験を積み重ねてきた山中正之選手は、スポーツバイクTTレース1で33位完走を果たした

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