
ホンダ公認のCBアンバサダーとしてその魅力を発信している我らが丸山浩。今回はバイクに乗るきっかけや、CB乗りとして名を馳せるのに貢献した、愛機CB900Fについて語ることにしよう。
●まとめ:宮田健一
高校の裏で見かけたFが僕をバイクの世界に導いた
僕が“CB”と初めて出会ったのは、高校生だった頃。学校の裏に停めてあったバイクに心を奪われてしまったんだ。第一印象は「とにかくデカイ!」。車名もエンジン形式なんかも、まだまったく分からないんだけどシートは腰上くらいの高さだし、エンジンはバーンと横にハミ出ている。そこから「バイクってスゲェ~」と興味を持ったんだ。
やがて黒いタンクに青ストライプ、サイドカバーに「900」の文字が入った件のバイクの名はCB900Fだと知る。でも最初に買ったバイクはCBではなかった。中型免許を取ったあと悩んだ挙句に選んだのは直4 のヤマハXJ400。次にΓ250に乗り、そのままレースの世界に突入してしまったんだ。
ようやくCBを手にしたのは1989年。ちょうどヤングマシンでテストライダーを始めた頃で、当時の今村編集長から「これからは大型バイクに乗るのも必要になるから取っておけ」と言われて限定解除したんだ。
で、国際A級に昇格した自分への褒美に大型バイクを買うことにしたんだけど、速いマシンはレースで十分だから公道ではそうじゃないのが欲しく思えた。それにレースでV型ばかり乗っているのに当時のホンダ車はV4が主力。他社大型車も心惹かれる決定打に欠けた…。と、言ったところで、ふと思い出したのが最初に憧れたCB-Fだった。
750Fでも良かったが、たしかサイドカバーに900と書いてあったなと900を探すことに。そうして手に入れたのが今も手元にある北米仕様のCB900Fだった。やがて今村編集長の予言どおり大型バイク時代が到来。僕もBIG-1でレースを始めることになるんだが、加えて僕とCBの結び付きをさらに強くする転機を与えたのがFだった。
僕の愛機。足まわりはBIG-1レーサーをベースに移植し、エンジンもフルチューン。購入時もスペンサーカラーだったが、再度全塗装を行っている。現在は再度カスタムする前段階で、いったん手直し中。
Fを追求することでCBファンとの絆が、より強固に
’90年代半ば、バイカーズステーション誌でCB-Fを一堂に集める特集に参加した際、その魅力を再認識したと同時に、状態の良い車両が既にほとんど残っていないことに気付かされた。そこで同誌と共に「レストアを超えて最高のFを作るには今が最後」とばかりに、1983年式のFD型で終わったCB-Fを僕が引き継いで完成形を作るという趣旨の“ファイナルF”なる連載企画を開始。
9年間乗ってきた僕のCB-Fは街乗り優先だが、峠に行けば今のマシンをカモれるようにと足回りを全交換してエンジンも1123ccまで拡大。徹底的に乗り込んでハンドリングもとことん仕上げて生まれ変わった。こうしてBIG-1という「当時最新」とFという旧車の両輪があったおかげで、僕とCBそしてCBオーナーとの結び着きを強めていくことができた。
そんな僕のCB900Fは、現在売りに出している。プライスは“2300万円”。これは冗談ではなく本気だ。これから1000万円以上かけて世界で最高のCB900Fに仕上げていく。と言うのも、僕が乗れなくなった後でも誰かに僕の分身のようなCBを受け継いでもらいたい、そのくらいの気概を持っている人の元で、しっかり残していってほしいと願っているからなんだ。
【CB1000F通信】僕のCB1000Fも発売日に納車されたぞ。さっそくJAMと共同でRAPiDBIKEによるレース用ECUチューンに着手!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
1986年、異端児の誕生。「融合」の名を持つスクーター ホンダの250ccスクーター「フュージョン」は1986年に登場しました。フュージョンは1970年代後期にかけて流行したジャズとロック、ラテンなど[…]
“過剰性能”というコンセプト 第18回モンキーミーティングの会場を沸かせたリトルカブベースのカスタムマシンがある。その核となるのは「過剰性能」という明確なコンセプトだ。通常の車両開発では、性能は用途に[…]
様々な可能性が試された個性の時代 現代から過去を振り返って見ると、今に連なるメインストリームのマシン達が当然のように歴史を作ってきたように錯覚してしまう。しかし時代の王道を行くマシンの影には、無数の異[…]
浪漫の塊だったレプリカ 年末、あるいは正月にフランスのパリをスタートし、アフリカ大陸を走破してセネガルのダカールを目指す「パリ・ダカールラリー」(2009年からはコースを南米に移して開催)。1978年[…]
再現という行為の本質 第18回モンキーミーティングの会場には数多のモンキー系カスタムが集まり、綺羅星のごとく会場を埋め尽くしたカスタムモンキーの中に一際目を惹く1台があった。 それは伝説的名車であるホ[…]
最新の関連記事(丸山浩[ヤングマシン])
新たなGSの扉を開く、完全新設計の「F450GS」誕生 アドベンチャーバイクの代名詞、BMWのGSシリーズにまた新たな仲間が登場した。その名もF450GS。排気量は420ccで最高出力48psは欧州だ[…]
僕のCB1000Fは店の中央で待っていた 去る2025年11月14日。僕はヘルメットやグローブ、ジャケットなどライディングウェア一式を担いで電車に乗っていた…。なぜかって? そう! なぜならその日は待[…]
昔ながらの直4っぽさに速く走る楽しみをプラスだ やっぱりCBはストリート=公道のヒーローだった。まず何が素晴らしかったかと言えば、低速域におけるトルク感とかあのドロドロっとした大排気量直4CBならでは[…]
どう計算したって同じようにはなれない 2025年のホンダ熊本イベントでフレディ・スペンサーと話せる機会を得て、あらためて彼は「天才」だと感じたね。僕が高校時代にバイクの免許を取った頃には、もうスペンサ[…]
フレディ・スペンサーが再び来日、天才の膝すりは健在だ! 5回目となるCBファンミーティング2026が開催された。来場者は700組以上、CBだけで600台以上が集まったという。袖ヶ浦マルッと耐久レース形[…]
人気記事ランキング(全体)
58馬力の直4エンジンが放つ、突き抜けるような高揚感 「ヨンヒャクでも胸のすくような直列4気筒エンジンの吹け上がりを、フルカウルモデルでとことん味わい尽くしたい」。そんなスポーツ志向のライダーの渇望を[…]
夏のツーリングを快適に変えるプロ仕様の冷却技術 猛暑のなかでのライディングは、想像以上に体力を消耗する。ジャケット内にこもる熱や、肌にまとわりつく汗のベタつきは、集中力を削ぐ大きな要因だ。快適な走行を[…]
58馬力を絞り出す新設計の直列4気筒エンジン 「もう一度、あの甲高い直4サウンドを響かせて走りたい」。そんなライダーの切なる願いに、ホンダの技術陣は新設計の399ccエンジンで完璧に応えてみせた。 最[…]
スロットル操作でシフトダウン!? 電子制御CVT「YECVT」の衝撃 「スクーターはアクセルをひねるだけで楽だが、スポーツ走行ではどうしても物足りない」。そんなライダーの不満を過去のものにするのが、ア[…]
ワークマンプラス上板橋店で実地調査! これからの「猛暑」あるいはそれを飛び越えた「酷暑」と呼ばれる夏の時期、上着なしの薄着でいたくなるのも確か。しかしバイクに乗る以上、「転倒」というリスクには常に備え[…]
最新の投稿記事(全体)
1986年、異端児の誕生。「融合」の名を持つスクーター ホンダの250ccスクーター「フュージョン」は1986年に登場しました。フュージョンは1970年代後期にかけて流行したジャズとロック、ラテンなど[…]
PMCが販売するADVANTAGE KYBフォークはカワサキZ系のレストアやカスタムに最適 逆輸入絶版空冷4気筒車が大人気となった1990年代初頭、フロントには倒立フォーク、リヤはアルミスイングアーム[…]
目を奪われる新色「マットファントムブルー×フルーレッド」の衝撃 「フルカウルのスポーツバイクに乗るなら、誰とも被らない個性的なカラーリングで個性を主張したい」。そんなライダーの所有欲を強烈に刺激するの[…]
ドゥカティしか実現できない豪華絢爛なゲストライダー陣 WDW(イタリア語ではヴーディーヴーと発音する)は、ドゥカティにとってホームともいえるミサノ・サーキットで行われる。ここは「ミサノ・ワールド・サー[…]
熊の出没が急増する季節、ライダーに求められる「万が一」への備え 熊の被害や出没件数は、これからの夏から秋にかけてまさに「本番」のピークを迎える。特に秋は冬眠に向けた過食期に入り、熊の行動が活発化するた[…]
- 1
- 2








































