
トライアンフが誇るミドルロードスター、トライデント660(Trident 660)が2026年モデルとして大幅なアップデートを果たした。エンジン内部にまで手を入れ、最高出力は一気に95psへ到達。足まわりや電子制御もクラスを超えた豪華装備で武装し、走りも質感も進化している。2026年3月中旬の発売を前に、その変貌ぶりを確認しておこう。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:トライアンフ
3連スロットルボディ採用で14psアップ! エンジンは別物に
2026年モデル最大の進化は間違いなくエンジンだ。660ccの水冷並列3気筒という形式こそ変わらないが、その中身は激変している。これまでのシングルスロットルボディを捨て去り、なんと各シリンダー専用の「44mm独立スロットルボディ」を3基搭載したのだ。
さらに、前方配置の大容量エアボックスを新採用して吸気効率を向上させ、シリンダーヘッドやカムプロファイルも見直し。これにより最高出力は従来の81psから14psも上乗せされ、1万1250rpmで95psを発揮する。レブリミットも20%引き上げられ1万2650rpmまで回るというから、高回転域での伸び切り感は現行モデルとは比較にならないだろう。
もちろん、トライアンフの3気筒らしい低中速トルクも健在だ。最大トルクは68Nmへと向上し、その80%を3000rpmから約1万2000rpmという広範囲で発生させる。下は粘り強く、上は突き抜ける。まさに死角なしのエンジンに仕上がっているといえる。
駆動系もしっかりとアップデート。6速ギアボックスはインプット/アウトプットシャフトが新設計され、ギア比と最終減速比が見直された。これに加えて、アップ/ダウン対応のクイックシフター「Triumph Shift Assist」も再調整され、よりスムーズな変速が可能になっている。
「走り」を支える足まわりと車体の進化
エンジンが強力になれば、それを受け止める車体も進化が必要だ。2026年モデルでは、フレームの改良に加え、サスペンションにもメスが入った。
リヤサスペンションには、ショーワ製の新しいモノショックユニットを採用。ストローク量は130mmを確保し、従来のプリロード調整に加え、新たに「リバウンド(伸び側)減衰力調整」が可能になった。
これはスポーツライディングを楽しむライダーにとってうれしい変更点。路面状況や好みに合わせてサスの戻りスピードを調整できるか否かは、コーナーでの安心感に直結するからだ。
フロントフォークは引き続きショーワ製のSFF-BP(倒立ビッグピストンフォーク)を採用し、120mmのストローク量を確保しているが、リアのグレードアップによって車体全体のバランスはより高次元なものへと引き上げられているだろう。
また、ライディングポジションに関わる部分では、ハンドルバーがよりワイドなものに変更された。これにより操作時のテコ効果が高まり、低速時の取り回しやコーナリング時の入力がしやすくなっている。シート高は805mm(プレスリリースでは810mm表記もあり、仕向け地や最終仕様で微差がある可能性あり)と、足つき性の良さは維持されている。
また電子制御パッケージの充実ぶりは前モデルから踏襲されている。このクラスでは省略されがちな「6軸IMU(慣性計測装置)」を引き続き搭載。これにより、バンク角に応じた最適な制御を行うコーナリングABSやトラクションコントロールが機能する。ライディングモード(ロード/レイン)の切り替え機能も健在だ。
外装一新、よりマッシブなロードスターへ
見た目の印象を変える外装類もアップデートされた。燃料タンクは幅を持たせた造形へと刷新され、ニーグリップ部分が深くえぐられた形状となった。これにより、ロードスターらしい筋肉質な(マッシブな)印象が強まっている。
ヘッドライト周辺やフライスクリーンのデザインも見直され、フロントフェイスの存在感が増した。カラーバリエーションは「コズミックイエロー」「ストーングレー」「スノードニアホワイト」の3色が用意され、それぞれに専用のグラフィックが施される。
気になる価格はカラーによって異なっており、104万9000円~106万9000円だ。昨今のバイク価格高騰を考えれば、装備内容の向上に対して価格上昇は最小限に抑えられていると言える。発売は2026年3月中旬を予定。
大型バイク初心者にとっての親しみやすさはそのままに、ベテランライダーでも満足できる走行性能を手に入れた新型トライデント660。ミドルクラスの注目モデルとなりそうだ。
TRIUMPH TRIDENT660[2026model]カラーバリエーション
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