ライポジ変更でスポーティになり、スマホ連携/クルコン/Qシフターも獲得

カワサキ新型「Z900RS」ついに正式発表! 5psパワーアップして火の玉「SE」はドラレコ装備、黒い火の玉「ブラックボールエディション」も新登場だ!

カワサキ新型「Z900RS」ついに正式発表! 5psパワーアップして火の玉「SE」はドラレコ装備、黒い火の玉「ブラックボールエディション」も新登場だ!

カワサキは、ジャパンモビリティショー2025で世界初公開した新型の「Z900RS SE」および「Z900RS CAFE」、そして「Z900RS ブラックボールエディション」の詳細をついに正式発表。発売日は2026年2月14日と決定した。エンジンは新たに電子制御スロットルを採用し、双方向クイックシフターとクルーズコントロールを獲得。メーターはアナログスタイルのままスマホ連携になり、IMUも搭載。ネイキッドのRSはライディングポジションも見直されている。


●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:カワサキモータースジャパン

火の玉「SE」と「ブラックボールエディション」、ビキニカウルの「カフェ」が登場

カワサキモータースジャパンは、ジャパンモビリティショー2025で世界初公開した新型「Z900RS」シリーズについてスペックと発売日を正式発表。もっとも大きな変更はエンジンまわりのアップデートだが、ライディングポジションやメーター機能、電子制御も追加あるいは変更を受けている。それでも優れたデザインはそのままだ。

Z1からインスピレーションを受けたスタイリングはそのままに、初代Z1を思わせる火の玉カラーを「Z900RS SE」に、また火の玉と同じ塗分けパターンを黒系で表現した「ブラックボールエディションが新たに登場。これに、ビキニカウルや専用のハンドルバー&シートを採用する「Z900RSカフェ」というラインナップになっている。

エンジン出力は5psパワーアップ&高回転側に寄った設定になったが、そのぶんリヤスプロケットの歯数を増したことで加速力を強化している。

エンジンでは、ETV(電子制御スロットル場r部)を採用し、低回転域の滑らかさと高回転域の胸のすくような吹け上がりを両立。圧縮比は10.8:1から11.8:1へと高圧縮化され、カムプロフィールは作用核とリフト量を増加させる方向で再設計。さらにクランクシャフトのフライホイールマスは従来比で約10%削減され、小気味よいレスポンスと高回転域の力強くスポーティなフィーリングを実現した。

これらにより、最高出力は従来の111ps/8500rpmから5psアップの116ps/9300rpmに。また最大トルクはピーク値10.0kg-mこそ同じだが発生回転数は6500rpm→7700rpmへと高回転化された。

吸気ファンネルは1/4番を112mm→51.5mmへと短縮、2/3番を150mm→151.5mmとわずかに延長することで、これも高回転パワーと低中速のパフォーマンス向上を支えている。リヤスプロケットは42T→43Tとショート化したことも加速力に寄与する。

排気系にも変更が加えられ、エキゾーストパイプはヘッダ形状を見直すことで従来モデルよりもエキゾーストパイプが前へ張り出すレイアウトに。またサイレンサーは従来よりも70mm延長された新しいテーパード形状のメガホンタイプに。また、新設計のボルトオン式ステンレス製エンドピースを採用した。これらに合わせてプリチャンバーはコンパクト化されるとともにサブ触媒を内蔵する。

メーターはスマートフォンアプリ「RIDEOLOGY THE APP MOTORCYCLE」に対応。

電子制御スロットルバルブの採用とともに、ボッシュ製IMU(慣性計測装置)を新たに搭載。これにより各種電子制御が強化され、KCMF(カワサキコーナリングマネジメントファンクション)やABSのコーナーブレーキングマネジメント機能が追加された。また1500rpm以上で動作可能なシフトアップ/ダウン対応のKQS(カワサキクイックシフター)、クルーズコントロールも新採用した。

メーターは従来通り2眼式の砲弾アナログタイプだが、スマートフォン接続機能(スマートフォンアプリ「RIDEOLOGY THE APP MOTORCYCLE」に対応)が追加されたことによって、接続のインジケーターが追加されている。このスマートフォン接続は音声コマンド機能とナビ機能にも対応する(ナビ表示機能なし/ライセンス登録が必要)。

ハンドルまわりのポジション新旧比較。

RSはユーザーインターフェースまわりにも手が入れられた(カフェを除く)。ハンドルバーは新設計のナロータイプになり、グリップ位置が内側に50mm、下方に38mm移動。シートはタックロール形状が見直され、ロール部にウレタンフォームを追加することで快適性を向上している。

タックロール部分にウレタンを盛り込んだことでクッション性を向上。その代わり標準仕様に相当するブラックボールエディションで従来のシート高800mmから新型では810mmに、Z900RSは810mm→820mmなっているが、クッションストロークを大きめに取ってあることから足着き性に大きな変化はない。この点についてはカワサキ社員で現行モデルのオーナーという方が証言してくれた。

ファイヤーボールとブラックボール

モデルバリエーションは“素のまま”のZ900RSがなくなり、火の玉(ファイヤーボール)の「Z900 SE」と、新たな「Z900RS Black Ball Edition(ブラックボールエディション)」、そしてビキニカウル付きの「Z900RS CAFE」がラインナップされる。2026年モデルにおいてはブラックボールエディションが標準仕様という扱いになる。

従来同様「Z900RS SE」はハイグレードモデルという位置づけで、フロントにはブレンボ製φ300mmダブルディスクとM4.32ラジアルマウントキャリパーを実装。これに小径のニッシン製ラジアルポンプマスター式マスターシリンダーとステンレスメッシホースを組み合わせる。リヤにはオーリンズ製S46ショックアブソーバーを搭載し、優れたグリップ感と快適な乗り心地を約束。リモート式プリロードアジャスターも備え、タンデムや荷物の積載に応じた調整が容易に行える。

Z900RS SE[2026 model]

外観では、オーリンズロゴを刻印したプレートやフロントフォークのアウターチューブ、ホイールをゴールド仕様とし、専用サイドカバーエンブレムを採用(“RS”部分を赤仕上げ)するなどしてSEモデルならではの特別感を演出している。

火の玉カラーは2018年モデルのグラフィックを踏襲しつつ、彩度と明度を高めたオレンジとメタリックブラックにより、コントラストと存在感を際立たせている。

また、SEはUSB-C電源ソケットやGPS対応前後2カメラのドライブレコーダーを標準搭載しているのも嬉しいポイントだ。

“黒い火の玉”といえそうな「Z900RSブラックボールエディション」は(素のままのZ900RSはラインナップにないものの)スタンダード仕様ベースで、メーターベゼル、ヘッドライトリム、ハンドルバー、ブレーキ&クラッチレバー、フロントフェンダーステー、ラジエーターシュラウド、ニーグリップカバー、燃料タンクキャップ、チェーン、前後ホイールをブラック仕上げに。左右のエンジンカバーには「DOHC」デザインのアルミ製エンブレムがあしらわれ、サイレンサーエンドキャップとエキゾーストヒートガードには新開発のマットブラック塗装が採用されている。

カフェレーサースタイルの「Z900RSカフェ」は、特徴的なフロントカウルのほかブラック塗装のローポジションハンドルと専用設計のシートを装着。燃料タンクにはカワサキの伝説的なモデル「マッハシリーズ」へのオマージュとしてレインボーラインのグラフィックを新採用し、KAWASAKIロゴは転写フィルムで表現。サイドカバーのエンブレムもブラック仕上げとしている。

Z900RS CAFE[2026 model]

価格については、装備追加もあって「Z900RS SE」は従来モデルより13万2000円プラスの183万7000円に。新規追加のブラックボールエディションは、従来のスタンダード比で4万4000円プラス、かつイエローボールエディションからは3万3000円ダウンの152万9000円も設定された。Z900RSカフェは2万2000円プラスの154万円だ。

いずれも2026年2月14日発売予定で、全グレードがETC2.0車載器を標準装備、カワサキケアモデル指定となっている。

KAWASAKI Z900RS SE[2026 model]

主要諸元■全長2100 全幅815 全高1135 最低地上高140 軸距1465 シート高820(各mm) 車重217kg(装備)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 948cc 116ps/9300rpm 10.0kg-m/7700rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L■タイヤサイズ120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:183万7000円 ●色:赤×黒 ●発売日:2026年2月14日

Z900RS SE[2026 model]メタリックスパークブラック(BK1)

Z900RS SE[2026 model]メタリックスパークブラック(BK1)

KAWASAKI Z900RS Black Ball Edition[2026 model]

主要諸元■全長2100 全幅815 全高1135 最低地上高135 軸距1465 シート高810(各mm) 車重216kg(装備)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 948cc 116ps/9300rpm 10.0kg-m/7700rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L■タイヤサイズ120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:152万9000円 ●色:黒 ●発売日:2026年2月14日

Z900RS Black Ball Edition[2026 model]エボニー(BK2)

Z900RS Black Ball Edition[2026 model]エボニー(BK2)

KAWASAKI Z900RS CAFE[2026 model]

主要諸元■全長2100 全幅845 全高1190 最低地上高135 軸距1465 シート高820(各mm) 車重218kg(装備)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 948cc 116ps/9300rpm 10.0kg-m/7700rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L■タイヤサイズ120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:154万円 ●色:黒 ●発売日:2026年2月14日

Z900RS CAFE[2026 model]エボニー(BK1)

Z900RS CAFE[2026 model]エボニー(BK1)

Z900RSシリーズ 詳細カット

Z900RS SE

円形LEDヘッドライトは従来通りZの伝統を再現。

電子制御スロットルバルブ(ETV)を採用したことでアクセルワイヤーがなくなった。

メーターはアナログのままスマートフォン連携機能を獲得。ETC2.0車載器を標準搭載し、ETCカードの挿入を知らせるインジケーターも備える。

KQS(カワサキクイックシフター)は全グレードに標準装備。

SEは右手側スイッチボックスの内側にUSB Type-C電源ソケットを標準装備。SEのみGPS対応前後2カメラのドライブレコーダーを標準装備する。

SEのリヤショックアブソーバーはオーリンズ製S46で、リモート式プリロードアジャスターを備える。リヤにもドラレコのカメラがある。。

SEはフロントにブレンボ製ディスク&モノブロックキャリパーを装備。ゴールドのホイールが誇らしい。

電子制御スロットルバルブ(ETV)を獲得し、扱いやすさと高回転パフォーマンスを両立する。

エキゾーストパイプの取り回しが変わり、エンジン下はやや前に突き出た格好に。サイレンサーは70mm延長された。フロントマスターシリンダーはラジアルポンプ式。

火の玉カラーの色味はより深みを増した。

リヤショックが存在感を放つ。タックロール部分のクッションが厚くなったシート。

Z900RS Black Ball Edition

ブラックボールエディションのサイレンサーエンドとヒートガードは専用の艶消しブラックとし、かなり異なったスタイリングに見えるように。

足まわりの基本スペックは従来型を踏襲。ブラックボールエディションは黒で統一される。

サイドカバーのエンブレムは『900 DOUBLE OVERHEAD CAMSHAFT』だ

Z900RS CAFE

ビキニカウルを装着。メーターはシリーズ共通だ。

往年のマッハを彷彿とさせるカラーリング。

シートは専用デザイン。シングルシート風に見える造形だ。

足まわりもスタンダード(2026シーズンはブラックボールエディションが相当)に準じたスペック。

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