
サンデーメカニックがリピーターとなって、使用前後の違いがクチコミで広がり、多くのユーザーに注目されているエンジンオイル添加剤・スーパーゾイル。エンジンオイルのチョイスが体感性能となって表れる事実は、ベテランライダーなら誰もが経験したことがあるはずだ。絶滅危惧種と呼ばれて久しい2サイクルエンジンは、4サイクルエンジンと比べてライフが短いことでも知られているが、高性能ケミカルの併用によってそのイメージは大きく変わるものでもある。ここでは水冷2サイクルスプリンターに注目しよう。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:パパコーポレーション
絶滅危惧種・2サイクルエンジンの心強い味方
エンジンに限らず、様々な部分にメンテナンスが必要な低年式モデル。たとえば、ホイールハブベアリングにガタがなかったとしても、旧グリースを洗い流して新しいグリースを封入塗布したい等、経験豊富なサンデーメカニックなら誰しも考えることだろう。また旧車でなくても、何年も不動車だった車両を目覚めさせる際には、車体の各パート、特に回転部分や摺動部分の分解メンテナンスは当たり前。そしてパーツ洗浄後には各種ケミカルで積極的にケアしておきたいものだ。
さて、レーサーレプリカ全盛時代に登場した2サイクルスプリンターのヤマハSDR200。ギヤオイルをしばらく交換していないので、ここでは100%化学合成オイルの4サイクル用シンセティックゾイルを利用し、ギヤオイル交換を実践した。
2サイクルエンジンの場合は、分離給油オイル以外に、トランスミッション用ギヤオイルが必要だが、このオイルには4サイクル用エンジンオイルも利用できる。こだわりのギヤオイルがある場合は、4サイクル用スーパーゾイルを添加しよう。
シリンダー内を潤滑する2サイクル用オイルタンク内を覗くと、オイル残量が半分程度になっていたので、これまで使っていたブランドオイルと50対50(半々)になるように、2サイクル用スーパーゾイルを注入。
すでにスーパーゾイル成分を添加済みの2サイクル用シンセティックゾイルもあるが、今回は、利用中のブランドオイルに2サイクル用スーパーゾイルを添加して利用することにした。
誰にでもこだわりたいブランドオイルがあるが、4サイクルでも2サイクルでも、こだわり派には添加して=混ぜて利用できるスーパーゾイルは心強い味方と言える。
エンジンは摺動摩擦部品の組み合わせで構成されており、摺動部には摩擦熱が発生する。その摩擦熱と反応し、金属表面の摺動抵抗を減らす働きをするのがスーパーゾイル成分の大きな特徴だ。
ツヤツヤに輝くエンジン部品でも、顕微鏡レベルで金属表面を見ると、想像以上にキズが多くザラザラなことに気が付く。そんな金属ただれのような表面でも、摩擦熱に反応したスーパーゾイル成分が金属化合物を形成し、結果的には摩擦熱の発生を抑制する働きをする。
つまり、スーパーゾイル成分が摺動抵抗を減らし、馴染みを高め、エンジン部品のライフを高める役割を果たしてくれることになるのだ。
機械遺産でもある内燃機。特に絶滅危惧種でもある2サイクルエンジンのライフを永らえるためにも、スーパーゾイルのラインナップは、期待できる添加剤だろう。
【スーパーゾイル for 2サイクル】これまで使ってきたエンジンオイルを引き続き使いつつ、スーパーゾイルの効能を体感したいユーザー向けの商品。利用当初は従来オイルと半々で使い、2回目以降はエンジンオイル5対スーパーゾイル1の比率で利用してみよう。●価格:450ml 4180円/100ml 1320円
利用中の2サイクルオイルがある場合は、混ぜて使う2サイクル用スーパーゾイルを利用すれば良い。混ぜる際には簡易的でもメスシリンダーなどを利用したいものだ。おおよその混ぜ具合は確認しながら作業しよう。
【100%化学合成エンジンオイル シンセティックゾイル 10W-40】4サイクルエンジン用として開発された、100%化学合成で浸透力が高いフルシンセティック仕様。2サイクルエンジン用としては、ギヤオイルとして利用できる頼もしいオイル。●価格:4000ml 1万8480円/1000ml 4730円
2サイクルエンジンには、分離給油のエンジンオイル以外にトランスミッションを潤滑するためのギヤオイルが必要になる。4サイクルエンジン用として開発されたシンセティックゾイルをギヤオイルとして利用することをお勧めしたい。駆動系部品のケアを期待できる。
SDRのギヤオイルドレンボルトは、クラッチカバーの下側、サイドに締め付けている。実に長いボルトだ。ギヤオイルの交換時には銅ワッシャーのガスケットも交換しよう。
ドレンボルトを抜いた時にオイルしぶきが飛び散らないように、不要な部品パッケージの透明樹脂板を使ってドレン穴の下にテープ固定した。作業現場は汚したくない。
オイルフィラーキャップの横にギヤオイルの注入量が記されている。車体を右に傾けてギヤオイルをしっかり抜き取ってから、明記された規定量を注入した。
確実にギヤオイルを抜き取り、規定量だけ新しいオイルを注入した。レベル窓にオイルが入ると、抜けが悪くオイルが滞留する状況だった。この窓部品には問題がありそうだ。
スーパーゾイル・フュエルチューナー ガソリン用も併用!
ガソリンスタンドで購入できる市販ガソリンには、清浄剤/酸化防止剤/金属不活性化剤/着色剤など、爆発燃焼効果向上を狙ったものから、決してそうではないものまで、様々な添加剤が含有されている。
実は、これらの添加剤が正常な爆発燃焼を妨げているケースもあることを知っておこう。フュエルチューナーは、燃料に含まれる様々な添加剤に対して、理想的な燃焼状態を作り上げることを目的に開発された。
4サイクルエンジンなら燃焼室内のデボジットやカーボン汚れの付着を防止。2サイクルエンジンなら燃焼効率の向上からノッキング防止に効果的との声が多い。特に、大排気量2サイクルエンジンの旧車や空冷旧車には効果的な燃料添加剤だ。
【スーパーゾイル・フュエルチューナー ガソリン用】●価格:80ml 1980円
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
コンパクトなのに3系統の電源が取り出せるキジマの「アクセサリーパワーユニット」 電気メンテやカスタムが得意なサンデーメカニックなら、電源の重要性は理解できるはず。USB電源やグリップヒーターを取り付け[…]
素材と製法で選べる充実のラインナップ。レアなパラガン後期モデル用ストリート向けチャンバーが新登場 1983年に登場したスズキRG250ガンマは、レーサーレプリカブームの始祖として若いライダーを熱狂させ[…]
6段引き出しを備えたガレージの据置ツールチェスト 部屋から駐輪場まで工具を持ち運ぶには、軽くて機動性重視の収納グッズが重宝するが、ガレージ内に据え置きするなら、あらかじめ収納力に余裕のあるチェストを用[…]
カスタムはもちろん廃番プロジェクトも大好評。積極的なパーツ開発でユーザーをサポート 2022年、日本自動車殿堂によって歴史遺産車として登録されたスズキGSX1100S/750S。2000年に1100台[…]
差込角1/2インチの12ポイントソケットで最大32mmのボルトナットに対応 ソケット差込角1/2インチのソケットレンチは、ボルトナットが大きく締め付けトルクも強い。エンジンや足まわりにはガッチリした作[…]
最新の関連記事(オイル/ケミカル)
エンジンと同時進行で開発されるオイルの重要性を再確認 シリンダーとピストンやクランクシャフトのジャーナル部分、クリアランスが狭い部分など、エンジンの隅々にまで行き渡って潤滑や冷却などの役割を果たしてい[…]
メッキのプロが開発したクロームメッキ専用品!! 鉄素材のさまざまな表面処理の中で光沢や質感、高級感のいずれにおいても秀でているのがクロームメッキだ。しかしながら近年では、メッキ工程で使用される六価クロ[…]
収納しやすく持ち運びやすいカード型くもり止めスプレー これからの時期、急に雨に降られて走行する際にシールドが曇りやすくなる。雨の中でシールドが曇ると余計に視界がなくなり、安全運転を阻害する要因となりか[…]
論より証拠! 試して実感、その効果!! 1947年カリフォルニア州ロングビーチで創業し、これまでにカーシャンプーやワックスをはじめ、さまざまなカー用品を手がけてきた「シュアラスター」。幅広いラインアッ[…]
“機械遺産”のコンディションをどう維持するか 電気自動車や電動バイクの普及が進めば進むほど、旧車や絶版車ムーブメントは一段と熱くなりそうだ。内燃機関に対する注目度が高まるのと同時に、ユーザー自身は“機[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
ヤフオクで入手したバイクのフレーム。ネジ穴に折れたボルトが詰まってた!? ヤフーオークションでとあるバイクのフレームを買ったところから話が始まります。 フレーム曲がりや大きな傷もなく、塗装面も小傷があ[…]
エンジンと同時進行で開発されるオイルの重要性を再確認 シリンダーとピストンやクランクシャフトのジャーナル部分、クリアランスが狭い部分など、エンジンの隅々にまで行き渡って潤滑や冷却などの役割を果たしてい[…]
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」。 今回は2気筒とは思えないほどスムースなエンジンが魅力のフルカウルス[…]
エンジンオイルにとって過酷な時期 オイル交換のタイミングって、地味に悩みますよね。「走行距離3000km~5000kmで交換が目安」とか「半年ごとに交換を!」なんて、よく聞くけれど、あくまでそれは“目[…]
メッキのプロが開発したクロームメッキ専用品!! 鉄素材のさまざまな表面処理の中で光沢や質感、高級感のいずれにおいても秀でているのがクロームメッキだ。しかしながら近年では、メッキ工程で使用される六価クロ[…]
人気記事ランキング(全体)
“次”が存在するのは確実! それが何かが問題だ 2018年に発売されたモンキー125以来、スーパーカブC125、CT125ハンターカブ、そしてダックス125と、立て続けにスマッシュヒットを飛ばしている[…]
特別な店舗のオープンに向けた特別な1台 関西/中部エリアで6店舗を運営するモトラッドミツオカグループ。新装オープンした堺店は、国内のBMW Motorradの正規ディーラーの中でも最新の内装と設備が自[…]
脇を冷やすことで全身を効率的にクールダウン 夏場にリュックを背負ってバイクで走っていると、背中や脇の蒸れが不快なものだ。そんな悩みを抱えるライダーにこそ、「ワキひえ~る」は、目立たず、効率的に全身をク[…]
欧州ヤマハとUSヤマハの連携で生まれたカスタムビルドのXSR900 GP ウェイン・レイニーがバイクでサーキットを走った! 往年のレースファンなら、それがどれほど特別なことか理解できるだろう。 199[…]
HAYABUSA X-1[2000]:世界最速マシンをレーサーレプリカ化 全日本ロードレース選手権で1999年に設立されたS-NK(Xフォーミュラ)に、ヨシムラは発売されたばかりのスズキGSX1300[…]
最新の投稿記事(全体)
ヤマハNMAX155試乗レビュー この記事では、ヤマハの原付二種スクーターから、NMAX ABS(125)の2018年モデルについて紹介するぞ。 ※以下、2018年7月公開時の内容に基づく 【NMAX[…]
6/30:スズキの謎ティーザー、正体判明! スズキが公開した謎のティーザー、その正体が遂に判明したことを報じたのは6月30日のこと。ビリヤードの8番玉を写した予告画像は、やはりヤングマシンが以前からス[…]
「バイクを文化に」を共有する 日本自動車工業会(自工会)と日本二輪車普及安全協会(日本二普協)は、共催で「8月19日はバイクの日 HAVE A BIKE DAY 2025」イベントを開催する。このイベ[…]
初の対米輸出車にして初の4ストビッグバイク 1966年から発売が始まったW1シリーズは、近年ではカワサキの歴史を語るうえで欠かせない名車と言われている。それはたしかにそうなのだが、W1シリーズの開発経[…]
白バイ警察官になるためのファーストステップ、必要なのは執拗なアピールや根回し!? 警察官になっても、すぐに白バイ警察官になれる訳ではありません。白バイ警察官になるには、まず「白バイ隊員になりたい」と希[…]
- 1
- 2