パラパラパラ…とサイレンサーから吐き出される乾いたサウンドと白煙がファンを魅了する、2ストロークモデル。2ストローク好きにとってもエンジン好きにとっても、シンプルかつパワフルな2ストマシンをできるだけ多く後世に残して行くことが重要だ。そんな2ストロークモデル向けに高品質なチャンバーを開発しているのがケイツーテックである。マニアックなレプリカモデル向けにも製品開発を行う同社は、多くの絶版2ストオーナーの注目を集めている。
●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃) ●外部リンク:ケイツー・テック
素材と製法で選べる充実のラインナップ。レアなパラガン後期モデル用ストリート向けチャンバーが新登場
1983年に登場したスズキRG250ガンマは、レーサーレプリカブームの始祖として若いライダーを熱狂させ、数多くのチューニングパーツやカスタムパーツも発売された。だがその後、NSR250RやTZR250が登場すると徐々に優位性は失われ、それに伴ってアフターマーケットパーツも減少。結果、現在の絶版車市場でもNSRやTZRに比べてマニアックな機種という位置づけが定着している。
こうしたモデルにもスポットを当てて、2ストロークモデルに欠かせないチャンバーを開発しているのがケイツーテックである。同社が製造するチャンバーはストリートユースを考慮した中速域のトルクアップやレスポンスを重視している。
新製品はガンマ用の中でも特に珍しい排気デバイス付きの3型/4型に対応するもので、アフターマーケットチャンバーを探していたオーナーや、凹んだ純正マフラーを仕方なく使っていたユーザーに最適。膨張室下部からサイレンサー前端までつながる純正アンダーカウルも併用できるので、フルカウルスタイルをキープできるのも嬉しいポイントだ。
“部品があるか否か”は、絶版車にとって重要だ。2スト車の鍵を握るチャンバーをリリースするケイツーテックは、多くの2ストオーナーの頼みの綱となる存在である。
高級感溢れるポリッシュ仕上げが魅力のTYPE-2
サビの心配のないステンレス素材(SUS304)をさらに磨き上げて、アンダーカウルで隠すには惜しいほどの鏡面仕上げにした「鏡面ステンレスチャンバーTYPE-2」は、4種類のラインナップ中の最上位モデル。レーシーなルックスだが、中速のトルクを向上させたことで街中でも扱いやすいのが特長。
リーズナブルなスチール製TYPE-1
中速域でのトルクアップやレスポンス向上といった実用性の高さがありながら、スチール素材を使用し、エキゾーストパイプ部分の製法を工夫することでリーズナブルな価格を実現した「ストレートチャンバーTYPE-1」。純正マフラーの交換用としても魅力的な製品である。
現車ベースで開発される、実用性の高いストリート向けチャンバー
純正マフラーに対して実用性能で上回るだけでなく、製品開発時は純正カウルが装着できるようにエキゾーストパイプや膨張部を設計している。1980年代当時の社外品の中にはアンダーカウル装着不可という製品もあったが、ケイツーテック製なら心配無用だ。
1970年代絶版車用チャンバーも新規に開発
RZ250/350/TZR250(1KT/3MA/3XV)/R1-Zといった水冷シリーズだけでなく、それ以前のRD400/250用チャンバーも新規に開発。素材はスチールとステンレス、コストパフォーマンスに優れたTYPE-1と輪切りエキゾーストパイプのTYPE-2がある。チャンバー容量を確保し、アイキャッチにもなるクロスエキパイが特長。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
ツールトローリー:シースルーで中身が見やすく、折り畳めばコンパクト収納が可能 据え置きタイプのロールキャビネットに対して、作業場所に工具を引き寄せるツールトローリーはヨーロッパでポピュラーなスタイル。[…]
軽量さとハンドリングでエンジンパワーをカバー。オリジナルフレームの素性の良さを証明 鈴鹿8時間耐久レースやヨーロッパのシングルレース選手権など数々のレースに参戦してきたオーヴァーレーシングプロジェクツ[…]
多くのユーザーがリピートするセミシンセティックゾイル ホンダ スーパーカブというモデルの凄いところは、50年以上前に誕生しながら、今なお世界中のファンに愛され続け、数多くのモデルが“現役”で走り続けて[…]
メンテの頼りになるNTBの規格部品 使い勝手の良さと頑丈さを両立し、1億台を超える膨大な台数が160を超える国と地域に行き渡っているホンダスーパーカブ。実用車に必要な機能/性能/長年に渡って変わらぬデ[…]
友人に手伝ってもらいつつ、エンジンを乗せ換えました。その代価としてC50のエンジンは貰われていきました。もう後戻りはできません… このカブラを入手したのは2021年の11月。ヤフオクで発見し、気持ちが[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
汚れならミガキング、点サビならサビトリキング。状態に合った下処理の後に仕上げのメッキングを 金属素材の上に金属クロムを生成するクロームメッキには、マフラーやフェンダーなどのパーツに施される装飾メッキと[…]
唱えてますか?「ネンオシャチエブクトウバシメ」 突然ですが、愛車の点検していますか? 「車検パスしてるから問題なし」「普通にエンジンかかって走っているから大丈夫」・・・と思っている、そんな貴方にこそぜ[…]
C型フックと貫通シャフトを標準装備するガレージREVOは、サーキットでも便利 サーキットのスポーツ走行は、それぞれのサーキットや走行会などのルールや走るクラスにもよりますが、バックミラーを外してヘッド[…]
ビスを緩めるドライバー、電動ツールやショックドライバーも欲しい フロートチャンバーやトップカバーなど、キャブレターボディ外部に取り付けられた部品の多くはプラスまたはマイナスのビスで固定されており、ビス[…]
どうも! バイク好きの映画監督、ナカモトユウです。賃貸ガレージユーザーの僕は、自宅でバイクのカスタムや整備をすることが多いのですが、ここ最近願望がありまして…。それは…エアコンを設置したい!!! 9月[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
日本メーカーによる大排気量車ブーム、その先駆けが750フォア 「威風堂々!」 「世界を震撼させた脅威のスペック!」 「日本の技術力を名実ともに知らしめた記念すべき名車!」 1969年デビューのホンダC[…]
フレンドリーさそのままにタフな旅仕様へとカスタム!! フォーティエイトファイナルエディションが2022年の限定販売にて生産を終えて以来、中古車市場でますます人気の高い空冷スポーツスター。長きに渡り12[…]
ホイールでもステムベアリングでもない、シミーの原因はタイヤ!? そんなことある!? “タイヤの偏摩耗やホイールのアンバランス”は、シミーの原因として挙がる2大要因。だがタイヤは新品交換後数百kmで、明[…]
原点はノートンのフェザーベッド 2輪用フレームには、いろいろな形態が存在する。だから安易に一括りにはできないのだが、近年のオートバイの骨格の原点は、1950年にイギリスのノートンが単気筒レーサーのマン[…]
クールスの玉川さんにZ2カスタムを習う バイク雑誌でメカ解説とメンテナンス記事をうん十年と書いてきた私でしたが、その知識の入り口には初愛車だったZ2カスタムがありました。遊びながら構造と機能と効能を学[…]
人気記事ランキング(全体)
タイや欧州、北米で先行発表済みのW230とメグロS1 カワサキモータースジャパンは、新型モデル「W230」と「メグロS1」をタイ、欧州、北米に続き日本でも2024年11月下旬に発売すると発表。これと併[…]
エンジンもシャーシも一気に時代が進む 第1回の記事では、新型CB400がトータルバランス路線を取り、77psを発揮するカワサキZX-4Rのような高性能路線には踏み込まない…という情報に対し、プロは「バ[…]
メグロS1と共通イメージのタンクデザインへ 目黒製作所の創立100周年となる今年、最新モデルのメグロK3が初のデザインアップデートを受けた。昨秋のジャパンモビリティショー2023で参考出品されたメグロ[…]
先代譲りの緻密さは最新電脳で究極化?! 旧CB400はハイパーVTECやABSこそあったものの、従来型(NC42)の登場は2007年だけに、近年の最新電脳デバイスは皆無だった。しかし新型CB400は電[…]
ナチュラルカラーの「パールシュガーケーンベージュ」と「パールスモーキーグレー」を追加 ホンダは原付二種に人気モデル「CT125ハンターカブ」にニューカラーを追加、一部仕様を変更して2024年12月12[…]
最新の投稿記事(全体)
ローライダーSTカスタム:最新トレンドを反映し、パフォーマンスUPの持ち主だ!! スピードクルーザーとしての戦闘力を全面的にアップしているが、キモとなるのはやはり足まわりだ。見た目にも鮮やかなレッドで[…]
ヘルメット着脱の煩わしさ みなさんはバイクに乗る際、どんな種類のヘルメットを着用していますか。ヘルメットと一言で言ってもいろんなタイプのヘルメットがあり、着脱の手間や煩わしさも大きく変わってきます。わ[…]
125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり[…]
汚れならミガキング、点サビならサビトリキング。状態に合った下処理の後に仕上げのメッキングを 金属素材の上に金属クロムを生成するクロームメッキには、マフラーやフェンダーなどのパーツに施される装飾メッキと[…]
接地感とグリップ力は別のハナシ バイク乗りの皆さんなら、「接地感」という言葉を耳にしたり、口にしたりすることも多いと思う。この「接地感」、言葉通りに受け止めれば「タイヤが路面に接している様子を感じるこ[…]
- 1
- 2