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DIY電気カスタムの実践で、避けて通れないのが配線構築。オス/メスを差し込むといっても、一致するギボシ端子がなければ配線接続できない。ここでは各種端子のカシメに必要不可欠な「電工ペンチ」に注目!!
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:デイトナ
カシメに必要不可欠な電工ペンチ
ギボシ端子カシメに使う圧着電工ペンチは様々なメーカーから発売されているが、今回紹介するデイトナ取り扱い製品は、様々な機能がオールインワンになっている。実際に作業を進めてみたところ、大きな不満はなく、安定した作業性を見せてくれた。ペンチのヒンジと言うか支点部分にガタが出てしまうと、カシメ精度や配線の被覆剥がし精度が落ちてしまい閉口するものだが、同製品の支点はしっかりした作りで、簡単にガタが出てしまう雰囲気はなく、オススメできる製品と言える。
【デイトナ 圧着電工ペンチ】一番先端がコード(配線) カッターで、次のギザギザが配線の太さに合わせたギボシ端子カシメと圧着端子カシメ。ペンチ支点周辺はM3~ M5のネジカッター→ターミナル圧着→配線被覆ストリッパーの順。機能満載だ。●価格:2750円
ギボシ端子をハート型にカシメるには、専用のカシメ部分(サイズも合わせるのが重要)を利用するが、端子のタイプやメーカーによってカシメ部の肉厚や形状が違っている(すべて揃っているわけではない)ことがあるので、いつもと違った端子をカシメる際には、本番作業の前にカシメのテストを行ってから、本番に取りかかるのが良いだろう。
また、コード被覆を剥がして銅線を出したら、必ず”二つ折り”にしてカシメよう。直線銅線のままカシメると、オス/メス端子を引き抜くときに、カシメ部分から配線がひっこ抜けてしまうことがあるからだ。このあたりの作業は徹底を。
【押し付けるだけ圧着固定できる】使用頻度が一番高いのはギボシ端子のカシメだが、次に多いのが圧着端子カシメ。圧着端子のカシメや接続スリーブのカシメで使う。このタイプのカシメ絶縁は収縮チューブを利用するのが良い。
折り曲げて潰すだけではダメ!!
被覆は12~13mm程度剥がし、露出した銅線をふたつ折りにしてセット。ふたつ折りにした先端側からカシメよう。カシメサイズを間違えてしまうと、丸めてカシメたはずの端子が折れてしまったり、平面に潰れてしまうこともある。
先端側のカシメはこのような感じになる。カシメ断面は「ハートマーク」のようになって正解だ。ストリッパーで剥がした銅線をふたつ折りにすることで、端子との接触面積が増えて通電性が向上するのと同時に、よりしっかり頑丈なカシメ状況を得ることができる。折らずにカシメると、引っ張ったときに抜けてしまうこともある。
電工ペンチは、何度も使っているうちに、どの場所でカシメると上手なハート型にカシメられるか、理解できるようになる。端子のタイプによっては、肉厚が異なるためカシメにくいこともある。都度、最適なカシメ箇所を選んで作業進行しよう。
2か所のカシメを終えたら、端子保護カバーをずらして、端子を完全に覆って完成。
配線追加時の”分岐配線”も自作できる
端部を剥いた2本のコードを重ね合わせたり、被覆ストリッパーでコードの途中を剥がして、ふたつ折りにすることでも分岐配線を作ることができる。2本の配線を重ねて「被覆の端部」を電工ペンチの刃が無い部分で少し押しつぶすことで端子にカシメやすくなる。
銅線部分はネジネジしてギボシ端子にセットする。被覆部分を押しつぶすことで端子エンドにも差し込むことができるようになる。
電工ペンチのハートカシメ部でギボシ端子をカシメて固定する。
単独配線(1本配線) 用保護カバーは2本配線では通らないので、収縮チューブをカットして差し込み、保護カバー代わりにする。
収縮チューブをヒーターで温めて縮めることで絶縁カバーになる。並列分岐や枝分岐など、いろいろ試して自作しよう。
えっ! ボルトをせん断カットできるの!?
各種ペンチやプライヤーの支点付近は、チカラが一番入りやすい。これはご存じテコの原理でもある。極細スクリューやボルトが長いため、短くカットして使いたいことが良くあるが、何とM5サイズのパンスクリューをカットできた!! セット穴がISOネジピッチになっているので、同ボルトやパンスクリューをギロチンカット。その後、抜き取り時にネジ山を再生する仕組み。まさかM5パンスクリューを楽々カットできるとは驚いた!!
様々な「端子」の使い分けで、よりシンプルな結線方法を目指そう!〈各種端子ラインナップ〉
電気部品の修理や配線の張り替え、カスタムウインカーに交換するときなどに、利用する機会が多いのがギボシ端子。実は、同じように見えても端子サイズには違いがあり、それを理解しないとトラブル発生!! ということになりかねない。そうならないためにもギボシごとの特徴をみていこう。
オスメスギボシに”太さ違い”がある! ホンダとスズキは細い!!
旧車やカスタムシーンでは、まだまだ数多く採用されているのがこのギボシ端子だ。単なるオス/メスに見えるが、実は太さが違っていて、ヤマハとカワサキと四輪系のギボシ端子に対して、ホンダとスズキ用はオスのΦ径が0.5mm細く、それに合わせてメス側も当然に細い。組み合わせによってはキツくて刺さらなかったり、細くてスカスカだったりなどなど、正しい接続ができない。このメーカー特有のサイズ違いを知らずにギボシ端子を使うと、しっくり接続できないことになるので要注意。サンデーメカニックなら、この事実をしっかり理解し、商品を使い分けよう。
【デイトナ ギボシ端子セット】●CA/CB103タイプ/CA/CB104タイプ ●価格:30個セット2310円/5個セット605円
ステーの穴を抜き差しできるカワサキ
70年代に入ってからカワサキは、ウインカーステーの穴の中を抜き差しできる太さの端子を利用するようになった。この端子を利用すれば、H1/H2/Z2/Z1のウインカーステーをショート化する作業も楽々だ。30個セットで販売。
簡単に分岐できるダブルギボシ
電気カスタム実践時には、電源を取り出したり追加したり、アース回路を追加することがよくあるが、そんな配線分岐の際に便利なのがダブル端子。これにもホンダ/スズキとヤマハ/カワサキ系があるので、購入時は要注意。
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