
スズキは、11月4日よりイタリアで開催のEICMA 2025にて新型モデル「SV-7GX」を発表した。生産終了が告げられたばかりのSV650/Vストローム650と同じ645ccのV型2気筒エンジンを搭載し、GSX-S1000GXに続く前後17インチを採用するクロスオーバーモデルだ。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
名機と呼ばれるVツインエンジンを搭載!
今や希少な国内メーカー製V型2気筒エンジンを搭載するSV650/Vストローム650が生産終了となり、名機と呼ばれた645ccエンジンにひっそりと幕を下ろしたかに思えたが、スズキがやってくれた。
GSX-S1000GXに続き前後17インチホイールを採用したクロスオーバーモデルとして、新たにSV-7GXが登場したのだ。
エンジンは645ccの排気量をそのままに、電子制御スロットルを軸とした最新電子制御デバイスを採用。吸排気系の最適化などでリニアなトルクと高揚感をもたらすVツインならではの吹け上がりが次世代にも生き残ることになった。
特にVストローム650は、やや玄人好みのモデルながら“名車”の呼び声も高く、どこまでも走れそうな安心感と扱いやすさ、そしてほどよい高揚感がツーリングライダーを虜にしてきた。そのキャラクターの中核となっているのが645ccの90度Vツインエンジンなのだ。
真新しいSV-7GXは、ミドルウェイトのクロスオーバーカテゴリーに投入されるニューマシン。開発コンセプトは「With every beat, the experience expands(鼓動のひとつひとつで、体験はひろがっていく)」とし、Vツインエンジンの鼓動を強調したマシン造りがうかがえる。
スズキはクロスオーバーを「レスポンスの良いストリート志向のハンドリングを実現する前後17インチホイールと、快適性とコントロール性を両立するアップライトなライディングポジションを組み合わせたもの」と定義。SV650のスポーツ性と、Vストローム650の汎用性をいいとこ取りし、そこにGSX-S1000GXのスタイリングイメージを取り入れたのがSV-7GXというわけだ。ライディングポジションはVストローム650ほどではないがアップライトで、長距離ツーリングでの快適性&保護性能と、街乗りの扱いやすさを兼ね備えている。
エンジンは電子制御スロットルで進化!
645cc・90度Vツインのエンジンは、1999年の登場以来、25年以上にわたって50万台いじょうが生産された名機。そのスリムな設計とリニアなトルクにはファンが多く、モトアメリカのツインレースでチャンピオンを獲得したことも。
SV-7GXへの搭載にあたっては、電子制御スロットルを採用したことで後述するS.I.R.S.との統合を実現。ダウンドラフトの吸気レイアウトや再設計されたエアクリーナーまわり、2-in-1のエキゾーストシステムにより、加速性能と吸気音を向上するとともに排出ガスをクリーン化。WMTCモード燃費は23.8km/Lを実現する。
このほか、SCEM(Suzuki Composite Electrochemical Material)メッキシリンダー、コーティングピストン、L字型ピストンリングなどを採用し、摩擦を低減し長期的な耐久性を確保。マグネトーやトランスミッションギヤなどは、電子制御システムに対応するため各部がアップデートされている。
そしてスズキ・インテリジェント・ライド・システム (S.I.R.S.)も搭載。ライダーのスキルや状況に応じてパフォーマンスを最適化する電子制御アシストシステムであり、SV-7GXにおいてはミドルウェイトクロスオーバーのキャラクターに合わせた専用チューニングとされたことで、ライダーに過度な介入を感じさせない設定だ。
S.I.R.S.には、3つのモードを持つスズキドライブモードセレクター(SDMS)、3段階+OFFの設定が可能なスズキトラクションコントロールシステム(STCS)、エンジン回転はシフトアップ側2000rpm以上/ダウン側1700rpmで作動する双方向クイックシフトシステム統合。そのほか、ABSやスズキイージースタートシステム、ローRPMアシストなどひととおりの制御デバイスを備えている。
クロスオーバーならではの車体造り
SV650のスチール製トレリスフレームをベースとしており、ブラケットなどを大幅に補強・改良。ハーフカウルやツーリングスクリーン、キャリアなどの取り付けステーも増設した。タンデムやトップケース装着などに備え、シートフレームを強化。また大型のグラブレールも設置されている。
ライディングポジションは、SV650と比較して、ハンドル位置が17mm高く24mm手前に、フットペグが10mm低く設定され、よりリラックスしたアップライトな姿勢を実現。ライダーシートはSV650比で10mm、パッセンジャーシートは20mm厚みを増し、長距離での快適性を向上した。それでもシート高は800mm未満の795mmに抑えられ、良好な足つき性を確保している。
燃料タンク容量は17.4Lとし、計算上の航続可能距離・約414kmを確保。調整幅50mmで3段階に手動調可能なウインドスクリーンや、ナックルカバー、リヤキャリアといった快適装備も標準採用だ。シャープに突き出たフロントノーズやハーフカウルなどを採用するエアロダイナミクスは、Vツインエンジンならではのスリムさを生かした設計とされる。
サスペンションはフロントにφ41mmの正立フォークを採用し、ストロークは125mmを確保。リヤにはリンク式のモノショックサスペンションを採用し、ホイールトラベルは129mm、かつ7段階のプリロード調整を可能としている。
ブレーキはフロントにφ290mmダブルディスク+4ポットキャリパー、リヤにはφ240mmディスク+1ポットキャリパーと採用する。
灯火類はGSX-S1000GX譲りのデザインを持つ、コンパクトなデュアルLEDプロジェクターLEDヘッドライトを採用。「エアリアル配光」により、コーナリングで車体が傾いた際に路面を効果的に照らす設定とし、夜間の視認性も向上した。ウインカーやテールランプももちろんLEDだ。
メーターは4.3インチTFTディスプレイを採用し、昼夜モード切替や自動輝度切替、スズキ独自のアニメーション表示などを採用。Suzuki Ride Connect+ (スマートフォン連携機能)も搭載し、ターンバイターンナビゲーションや着信通知、天気や渋滞の警告、車両ログ情報などが表示可能だ。また、ディスプレイの左側付近には5V/3AのUSB-Cポートも備えている。
車体色は白×青、艶消しサンド、黒の3色をラインナップする。
日本にジャストサイズと言えそうなクロスオーバーだ。国内への導入などについては続報を待ちたい!
SUZUKI SV-7GX[2026 EU model]
主要諸元■全長2160 全幅910 全高1295 軸距1445 最低地上高135 シート高795(各mm) 車重211kg(装備)■水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ 645cc 73ps/8500rpm 6.53kg-m/6800rpm 変速機6段 燃料タンク容量17.4L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=160/60ZR17 ※諸元は欧州仕様
SV-7GXのディテール
【動画】SV-7GX | Official Promotional Video| Suzuki
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