
2026年5月のホンダ関連ニュースは、盤石な二輪事業をベースとした未来への経営戦略の発表をはじめ、最新技術の市販車への積極的な展開が目立つ1ヶ月だった。原付二種クラスにおける定番スクーターや人気ファンバイクの熟成に加え、400ccクラスへの「E-Clutch」搭載モデルの投入など、ライダーの利便性と操る喜びを両立させる進化が続いている。熱狂的なファンイベントや異業種コラボまで、多角的な動向をヤングマシンの記事とともに振り返ろう。
●文:ヤングマシン編集部
定番原付二種スクーターに渋い新色
毎日の移動を支える原付二種スクーター「Dio110・ベーシック」の2026年モデルが発表された。装備重量96キログラムという圧倒的な軽さと、荒れた路面でも安定した走りをもたらす前後14インチの大径ホイールが最大の特徴だ。約18リットルのシート下収納やシャッター付きキーシリンダーなど実用性も高く、最高燃費は55.6km/Lを誇る。
そうした使いやすさはそのままに、2026年モデルでは従来の2色に加え、落ち着いた大人の雰囲気を放つ「マットテクノシルバーメタリック」が新たに追加され全3色展開となった。価格は据え置きの25万800円に設定され、圧倒的なコストパフォーマンスを維持している。
毎日の移動、もっと身軽に楽しみたいあなたへ 朝の慌ただしい時間帯。重いバイクを狭い駐輪場から引っ張り出すだけで、どっと疲れてしまうことはないだろうか。渋滞路のストップ&ゴーや、ちょっとした段差での車体[…]
二輪が支えるホンダの未来と最新戦略
5月14日に発表されたホンダの最新経営戦略にて、四輪事業の再構築を強固な二輪事業の収益力が支えている構図が明確に示された。2029年3月期には過去最高水準となる営業利益1兆4000億円以上を目指し、最大の市場であるインドでの生産能力を2028年までに約800万台へと大幅に拡大する方針だ。
また、「Honda E-Clutch」に代表されるライダーの疲労軽減と操る楽しさを両立させる独自技術の積極的な展開や、環境規制を見極めた柔軟な電動化の推進も明言された。この強靭な事業基盤を背景に、将来に向けた魅力的な次世代モデルの開発と投入が約束される内容となっている。
「二輪のホンダ」が支える、揺るぎない安心感 今回のホンダの発表において、全体の軸となっているのは「四輪事業の再構築」だ。足元の環境変化に対応し、ハイブリッド車へのリソース集中などを行い収益の改善を図る[…]
大人気ファンバイクに鮮烈な新色登場
コンパクトな車体で絶大な人気を誇る125ccファンバイク「グロム」の2026年モデルが6月19日に発売される。12インチホイールと103キログラムの軽量車体がもたらす軽快な走りはそのままに、カラーリングが鮮やかな3色へと一新された。特に注目すべきはホンダのレーシングスピリットを体現する「ゲイエティーレッド」であり、このモデルにのみスポーティなアンダーカウルが標準で装備される。価格はブルーとブラックが42万3500円、カウル付きのレッドが44万円に設定された。燃費性能も67.8km/Lという驚異的な数値を維持し、日常からツーリングまで幅広く楽しめる。
名車のシートが極上スツールへ新生
廃棄対象となっていたスーパーカブの未使用シートをアップサイクルした家具「スーパーカブチェアークラシック」が100脚限定で発売される。本田技研工業の社内有志プロジェクトと静岡県の木工職人が協業して生み出した公認ライセンス商品だ。カブ特有の快適な座り心地をそのまま家の中で味わうことができ、ブナ材を用いた脚部はレッグカウルを模した美しい湾曲形状に仕上げられている。ホンダの企業カラーである紅白の塗装やロゴ入りプレートなど所有欲を満たす意匠が随所に施されており、価格は4万9500円で総合通販サイトにて予約受付が開始されている。日常にカブの息吹をもたらす特別な一脚だ。
愛車と過ごす時間を、家の中まで拡張する ガレージに停めたスーパーカブを眺めながらコーヒーを飲む時間は、オーナーにとって至福のひとときだ。「この普遍的なデザインを、家の中でも楽しむことはできないだろうか[…]
400ccへ画期的な自動クラッチ搭載
クラッチレバー操作を自動化しつつシフトペダルでの変速を楽しめる画期的な機構「Honda E-Clutch」が、400ccクラスに初めて搭載された。5月21日にフルカウルスポーツの「CBR400R」、6月18日にクロスオーバーの「NX400」がそれぞれ発売される。
重量増をわずか2〜3キログラムに抑え、発進や変速時の半クラッチ操作を電子制御で自動実行するため、渋滞時の疲労やエンストの恐怖からライダーを解放する。任意のタイミングで手動のレバー操作にシームレスに切り替えることも可能であり、スポーツ走行の限界とツーリングの快適性を同時に引き上げてくれるぞ。
疲労ゼロと操る歓びの融合。Eクラッチの真価 クラッチ操作の自動化といえば、ホンダにはすでに「DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)」という確立された技術がある。しかし、DCTが約10kgの重[…]
新時代を築く旗艦モデルの精緻な造形
新世代のフラグシップネイキッドとして誕生した「CB1000F」のディテールを改めて解説。スーパースポーツ由来の999cc水冷直列4気筒エンジンを搭載しながらも、不等間隔バルブタイミングの採用によって往年の空冷モデルのようなエモーショナルな鼓動感を実現している。
専用設計のシートレールやスポーティな倒立サスペンションを備え、最新の6軸IMUによる先進の電子制御が走りをサポートする。上級仕様のSEにはクイックシフターやグリップヒーターが標準装備されており、伝統の意匠と最新技術が高度な次元で融合した、あらゆるライダーを魅了するパッケージングに仕上がっている。
現代におけるバイクのど真ん中を目指した これがホンダ・スポーツバイクの新基準! 1959年に誕生したCB92から続くホンダの最長ブランド“CB”はその時代、その時代における“Creative Benc[…]
熱狂の4ミニ文化、560台超が集結
東京サマーランドの特設会場にて、モンキーやゴリラ、スーパーカブなどの小排気量車を対象とした「第18回モンキーミーティング」が開催され、全国から560台を超える車両が集結した。会場には新車同様のオリジナル車両から、3DプリンターやCADを駆使してパーツをワンオフ製作したフルカスタムマシンまで、多様な車両が並んだ。
SNS全盛の時代にあっても、実車を前にして改造のノウハウや苦労を直接語り合うリアルなコミュニティの熱量は極めて高い。メーカー主導のイベントでありながら多様なカスタム文化を尊重しバックアップするホンダの姿勢も、この奥深いカルチャーを支える大きな要因となっている。
モンキーを中心に4ミニが560台超も集まる 新緑の香りが心地よく残る東京サマーランドの特設会場。今年もこの場所に、日本全国から規格外の情熱を持ったミニバイクたちが集結した。熱いモンキー愛を持つオーナー[…]
まとめ:先進技術と普遍的カルチャーの融合が進む
5月は、伝統的な名車のDNAを継承しつつ、次代を見据えた最新技術が次々と具現化された1ヶ月であった。特に「Honda E-Clutch」の400ccクラスへの拡大は、より多くのライダーに疲労軽減とスポーツ性を両立する新たな価値を提供することになる。また、モンキーミーティングの圧倒的な熱量やカブのシートを家具化する試みからは、ホンダのバイクが単なる移動手段を超え、深い愛着をもたらすカルチャーとして定着していることがうかがえる。来月以降も、経営戦略で示された柔軟な電動化へのアプローチや、グローバル市場から波及する魅力的な新モデルの動向に引き続き期待したい。
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