
スズキが昨秋のEICMAで発表した「DR-Z4S」および「DR-Z4SM」は、今春のモーターサイクルショーで国内初披露。そして6月より、「スズキ モーターサイクルコレクション2025」にて跨り可能な展示を全国3都市に展開する。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●写真:箱崎太輔 ●外部リンク:スズキ
正式発表が待たれる400ccオフロード/スーパーモト
スズキは、昨秋のEICMA(ミラノショー)にて、新型400ccデュアルパーパスモデル「DR-Z4S」およびスーパーモトモデル「DR-Z4SM」を発表。今春のモーターサイクルショーでは国内初お披露目と跨り可能な展示をしている。さらに、6月以降には全国3都市の「スズキ モーターサイクルコレクション2025」にて展示予定だ。
そんな「DR-Z4S」「DR-Z4SM」は、かつて国内外で人気を博したDR-Z400SとDR-Z400SMの全面刷新版。DR-Z4Sは2025年4月より、DR-Z4SMは2025年5月より、北米・欧州市場を中心に各国で順次発売される予定だ。排ガス規制などに対応したグローバルモデルとしての復活であり、上記のように国内公開も済ませたことで、日本仕様の正式導入もカウントダウン状態になっている。
モーターサイクルショーで展示された車両は輸出仕様だが、DR-Z4Sについてはローシートが装着されており、日本国内のレギュレーションであるシート高900mm以下はこのローシート装着状態で実現するものと思われる。
ライディングポジション(身長170cm)
DR-Z4Sのシートはクッションが薄めだが、そのぶんシート高が下がっており、沈み込みが大きめの前後サスペンションもあいまって両足のツマ先が接地する。上体は起き、ステップ&ハンドル位置は自然だ。
DR-Z4SMは輸出仕様のシート高890mmの仕様のままと思われる。DR-Z4Sに比べて厚めのクッションの標準シートであり、シート形状はフラットで前後の移動やしやすそう。足着きはDR-Z4Sとほぼ同じ。ハンドル幅はややナローに。
車体はフレームから新設計、エンジンは電子制御の充実とユーロ5+適合
新型DR-Zシリーズの最大の進化点は、電子制御スロットルを中心としたスズキ独自の電子制御システム「S.I.R.S.(スズキインテリジェントライドシステム)」の搭載だ。これにより、ライダーの技量や多様な路面状況に合わせたきめ細やかなライディングサポートが可能になる。
S.I.R.S.には、エンジン出力を3段階で調整できる「SDMS(スズキドライブモードセレクター)」、オフロード走行も考慮したG(グラベル)モードを含む3段階(+OFF)から選択可能な「STCS(スズキトラクションコントロールシステム)」、そして解除モードを備えたABS(DR-Z4SはリアのみOFFも可能)が含まれる。特にトラクションコントロールのGモードは、オフロード走行時にある程度の後輪スピンを許容し、ライダーがマシンをコントロールする楽しみを損なわないよう、スライドコントロールをしやすい設定となっている。
エンジンは、実績のある水冷398cc単気筒DOHC4バルブユニットを搭載。電子制御スロットルの採用や吸排気系の最適化により、最高出力は従来モデルの40ps/7500rpmから38ps/8000rpmへと若干変更された(いずれも輸出仕様)ものの、低回転域のトルクを強化しつつ、高回転域までスムーズに伸びるフラットなトルク特性を実現した。
WMTCモード燃費はDR-Z4Sが28.4km/L、DR-Z4SMが29.4km/Lと良好で、容量8.7Lの燃料タンクにより約247kmの十分な航続距離を確保。また、スズキクラッチアシストシステム(SCAS)も採用され、クラッチ操作の負担軽減とスムーズなシフトチェンジに貢献する。
車体も全面的に刷新された。新設計のスチールパイプ製ツインスパーフレームに軽量なアルミ製シートレールを組み合わせることで、剛性バランスの最適化と軽量化を追求。サスペンションは前後ともにKYB製を採用し、フロントには圧側・伸側の減衰力調整が可能な倒立フォーク、リヤにはフルアジャスタブルタイプのショックアブソーバーを装備。ホイール径は、オフロード性能を重視するDR-Z4Sがフロント21インチ/リヤ18インチ、オンロードでの運動性能を高めたDR-Z4SMが前後17インチとなっている。
エクステリアデザインも一新され、エッジの効いたシャープでアグレッシブなスタイリングへと進化。灯火類はフルLED化され、特にバイファンクション式のコンパクトなモノアイヘッドライトは、現代的で精悍なフロントフェイスを印象付ける。メーターには、軽量コンパクトなLCD(モノクロ液晶)ディスプレイが採用され、速度、ギヤポジション、燃費、各種モード設定など、豊富な情報をライダーに提供する。
デュアルパーパスモデル「DR-Z4S」は“Ready 4 Anything”をコンセプトに、オンロードからオフロードまでライダーが望むあらゆるシーンで楽しめるパフォーマンスを追求。一方、スーパーモトモデル「DR-Z4SM」は“YOUR STREETS. YOUR PLAYGROUND.”を掲げ、ストリートを意のままに楽しめる自由度と高い運動性能を発揮してくれる。
これらの進化したDR-Z4シリーズは、現在は国内メーカーから姿を消している400ccクラスのトレールおよびスーパーモトの復活として、再び大きな注目を集めることになりそうだ。
SUZUKI DR-Z4S / DR-Z4SM[2025 model]
※写真はモーターサイクルショーで展示された輸出仕様
DR-Z4S
DR-Z4SM
| 車名 | DR-Z4S | DR-Z4SM |
| 全長×全幅×全高 | 2270×885×1235mm | 2195×885×1190mm |
| 軸距 | 1495mm | 1465mm |
| 最低地上高 | 300mm | 260mm |
| シート高 | 920mm | 890mm |
| キャスター/トレール | 27.5°/109mm | 26.5°/95mm |
| 装備重量 | 151kg | 154kg |
| エンジン型式 | 水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ | ← |
| 総排気量 | 398cc | ← |
| 内径×行程 | 90.0×62.6mm | ← |
| 圧縮比 | 11.1:1 | ← |
| 最高出力 | 38ps/8000rpm | ← |
| 最大トルク | 3.77kg-m/6500rpm | ← |
| 始動方式 | セルフスターター | ← |
| 変速機 | 常時噛合式5段リターン | ← |
| 燃料タンク容量 | 8.7L | ← |
| WMTCモード燃費 | 28.4km/L | 29.4km/L |
| タイヤサイズ前 | 80/90-21 | 120/70R17 |
| タイヤサイズ後 | 120/80-18 | 140/70R17 |
| ブレーキ前 | ディスク | ← |
| ブレーキ後 | ディスク | ← |
| 価格 | 未発表 | ← |
| 色 | 黄×白、灰 | 青、白 |
| 発売日 | 2025年4月以降 | 2025年5月以降 |
DR-Z4S / DR-Z4SM のディテール
水冷単気筒DOHC4バルブエンジンは、大部分のパーツをDR-Z400Sから再設計。最新排出ガス規制に適合しているほか、電子制御スロットル+FI、チタン吸気バルブ、中空排気バルブ、アシスト&スリッパークラッチなどの装備を奢る。
意外と異なる2車。フォークに対しオフセット量を調整することで、ホイールサイズと車両のキャラクターに合わせたトレール量に最適化。フロントフォークの圧側減衰アジャスターの位置も異なる。
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