
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:榮技研
急がば回れの「ガソリンタンクのサビ退治」
「ガソリンタンクのサビ退治」つまりタンク内に発生したサビの除去作業以前に、必ずやらなくてはいけないのが、変質した残留ガソリンによるタールやワニス状汚れ除去である。
サビ取りケミカルは、タールやワニス系のガソリン汚れを溶解できないので、まずは中性洗剤+お湯や洗浄用灯油を利用して、これらの汚れを溶かし除去しなくてはいけない。タンク内板金のサビ取り作業におけるスタートラインは、油汚れの除去完了と考えよう。
カワサキ250TRを題材にガソリンタンクのサビ取り工程を紹介する。
まずはタンク内の洗浄から
燃料コックを取り外すと穴が出現する。ボルト2本で締め付け固定するタイプの燃料コックなので、厚さ2ミリの市販ゴム板を挟み、自作の鉄板で締め付ける固定栓を燃料コック孔に行う。汚れ取り、サビ取り作業時は液漏れに要注意。
20リッターのペール缶7分目程度まで水道水を入れ、投げ込みヒーターでお湯を作る。冬場の建築現場仕事用ヒーターなので、効率良く温まる。風呂のお湯より熱くなったらタンクへ流し込む。投げ込みヒーターがなければ、ヤカンなどにお湯を沸かそう。
燃料コック孔を塞いだらタンク内にビールコップに半分くらいの中性洗剤ママレモンを入れた。昔ながらの中性洗剤、ママレモンにはファンが多い。入れ過ぎには要注意。
せっかく作ったお湯をこぼさないようにオイルジョッキへ入れて、ジョウゴを使ってタンク内に流し込む。2リッター程度入れたら洗剤と攪拌して(ゆっくり混ぜる)、その後、口切り満タンにする。
お湯を口切り満タンまで入れたら、ゴムキャップ(机の脚栓)を押し込む。口金が円形なので、この手のゴム栓はホームセンターで購入できる。ブリーザー孔に詰まりが無いか、エアーガンで通気確認。
暖かいタンクを2枚の毛布でグルグル巻きにして保温し、ひと晩経過待ちした。翌朝、ペール缶にせっけん水を出すと、透明だったはずがカフェオレのような茶色に。果たして油汚れは落ちたのか?
タンクキャップ穴から指先を突っ込み、タンクの天井内側を擦ってみると、指先には除去分解できなかった油汚れがべっとりと……。中性洗剤で除去できるときもあるのだが、この250TRの汚れは酷かった。
洗浄で使った「汚れ灯油」がポリタンクに残っていたので、タンク内の油汚れ除去用に汚れ灯油を使うことにした。汚れ灯油と言っても、真っ黒ではなくまだまだ透明でコンディション良好。
タンクキャップにジョウゴを差し入れ、ポリタンクに入っていた灯油を6 ~ 7リッター注入。パイプ洗浄用ブラシを突っ込み、手あたり次第、タンク内板金をゴシゴシ擦ってみた。いい感じだ!!
タンクキャップ口金にゴム栓を差し込み、タンクを逆さまにしてタンク内の天井も揺すって洗浄。抜き取った洗浄灯油は真っ茶色になっていた。灯油を抜いてからタンク内天井もブラシでゴシゴシ。
汚れ落としの後は、サビ取りケミカルを投入
榮技研の花咲かGタンク・クリーナーでサビ取り実践に取り掛かる。クリーナー容器の明示を参考に、濃度を希釈して利用しよう。油汚れ除去後の鉄板は、酷いサビではなく20倍希釈でも十分と判断。
バケツ内で20倍に希釈した処理液を作り(60℃のお湯で希釈した)、オイルジョッキとジョウゴでタンク内に注入。毛布グルグル巻きの放置でも良いが、乾燥器を利用して温度維持した。時々タンクを揺すった。
設定温度(維持温度)は55℃に設定した。この状態で半日置き、夜間は電源を落として毛布を巻き、翌朝、再び55℃設定で夕方まで温度維持した。途中でゴム栓を抜いて指を擦れると内側はツルツルに!!
バケツに処理液を排出すると、新品だった透明の処理液が、それなりの茶色に変化していた。すべての処理液を抜き取ったら。水道ホースを差し込み、タンク内部を水道水でしっかり洗い流した。
中性なので人畜無害。廃棄できる処理液だが、汚れをろ過すればまだまだ使うことができる。サビボルトは、利用済みの処理液でサビ除去後に、ワイヤーバフで仕上げて再ユニクロメッキへ依頼している。
水道水でタンク内部を洗い流しつつ、ロングノズルのエアーガンを併用して、タンク内部を「うがい」させることで残留汚れを排出しやすくなる。タンク内の乾燥時も、ロングノズルエアーガンがあると便利だ。
金魚用の細かいナイロンネットでゴミをろ過しながらポリタンクに保管。ちょっとしたサビタンクの処理なら、中古液でもきれいに仕上げることができる。高性能ケミカルは無駄なく使おう。
タンク・クリーナーを10倍に希釈したリンス処理液をタンク内へ注ぎ入れ、全内面にグルッと回してから抜き取り、残留リンス液を天日で乾燥させる。このリンス処理によってサビの再発生が減るので確実に行い、しっかりと乾燥させたらサビ取り作業は完了だ。
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