ニンジャZX-25Rの正式発表されたスペックは、クラス最強数値の45ps/15500rpmを示し、官能的な超高回転サウンドを約束している。一度は途絶え、現代に唯一の4気筒マシンとして蘇ったZX-25Rは、いかにして超高回転ハイパワーを得ているのだろうか。そしてクラス初採用のトラクションコントロールの威力とは?
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車種別アーカイブ:カワサキ ニンジャZX-25R
ボア×ストローク比[1.572]から45ps(ラムエア加圧時46ps)を発揮する!
国内仕様の最高出力は45psだが、インドネシア仕様では50ps/15500rpm(ラムエア加圧時51ps/15500rpm)を発揮する。この数値がこのエンジンの基本的なポテンシャルだと考えれば、まさしく史上最強の250cc4気筒エンジンといって差し支えないだろう。
このパフォーマンスを造り込むために各部へと投入した技術もまたハンパない。ピストンは軽量なアルミ鋳造で、アルミシリンダー内壁にはスーパーバイク世界選手権で5連覇中のチャンピオンマシン・ニンジャZX-10Rと同様のメッキ処理が施されている。また、カムシャフトは鍛造で製作され、排気バルブにはカワサキが誇るスーパーチャージドエンジンのニンジャH2と同じインコネル材を使用。バルブ挟み角は28度と立てられ、吸気ポートには10Rが採用している2段階の機械加工を施して混合気のスムーズな流れを促進。さらに燃焼室にも容量誤差を減らすための機械加工が行われる。
ZX-25Rのスゴさはエンジン内部にとどまらない。10Rと同じセンター吸気のラムエアインテークを配置しながら、フロントフォークの左側を迂回するニンジャH2と同様のダクトレイアウトを採用。ライドバイワイヤで駆動されるスロットルバルブはφ30mmという大径だ。250ccクラス初採用となるトラクションコントロールシステム(KQS=カワサキトラクションコントロール)は3段階に切り替え可能なほか、フルパワー/ローパワーを切り替えられるパワーモードも備える。SEに標準装備されるKQS(カワサキクイックシフター)は、ライドバイワイヤだからこそ実現できるアップ/ダウン両対応だ。
ほかにも、30段の大型ラジエターやアシスト&スリッパークラッチ、大容量チャンバーによって実現したショートマフラーなど、クラスを超えた装備は枚挙にいとまがない。
KTRC=カワサキトラクションコントロールは、250ccクラスに初めて投入された先進システム。3つのモードで幅広いライディング条件をカバーする。IMU(慣性計測装置)は搭載していないが、ソフトウェア的に車体の傾きなどを動的解析し、コーナーの傾きや勾配などに適応するというからスゴイ。
モード1はシステムの介入がもっとも少なく、コーナリング中のトラクションを制御。スポーツライディングで最も効率のいい駆動力を得る。モード2は、より早いタイミングでシステムが介入するバランス型だ。モード3では滑りやすい路面や悪路を想定した出力制御を行い、安心して走ることができるという。
オールアルミシリンダーに鍛造カムシャフト、インコネル製の排気バルブ!
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