
『YZF-R1に勝つ!』という強烈なテーマを掲げて初代が誕生して以来、600ccスーパースポーツの絶対王者として君臨し続けてきたヤマハの「YZF-R6」。公道モデルが姿を消した後もサーキット専用車として最前線を走り続けてきた名機が、ついに終焉の時を迎える。2026年7月1日、「YZF-R6 レースベース車」の期間限定での予約受注を発表し、今回のオーダーをもって生産終了とすることをヤマハが宣言したのだ。歴史に名を刻む孤高の4気筒マシンの、最後の勇姿を紹介しよう。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:ヤマハ
レースを戦うために研ぎ澄まされた、妥協なきスペック
「最新の電子制御と、エンジンを限界まで回し切る快感を両立した生粋のサーキット用レーシングマシンが欲しい」。そんなハードコアなスポーツ走行愛好家にとって、YZF-R6レースベース車はこれ以上ない選択肢であり続けてきた。
2020年モデルの欧州仕様をベースとしたこのマシンは、水冷4ストロークDOHC並列4気筒599ccエンジンを搭載。1万4500rpmで最高出力118.4PSを絞り出す超高回転型の心臓部は、官能的なエキゾーストノートとともに、乗り手の闘争心を極限まで高めてくれるはずだ。トラクションコントロールシステムやクイックシフターといった強力な電子デバイスが、シビアなスロットルワークを裏から支え、タイムアップに大きく貢献してくれることだろう。
兄貴分YZF-R1から受け継いだ、最高峰の足回り
サーキットでの圧倒的な速さは、エンジンだけでなく極められたシャシーと足回りの恩恵でもある。
この最終モデルには、上位機種である「YZF-R1 レースベース車(2024年モデル)」と同型のフロントサスペンションとフロントブレーキが継続採用されている。ハードなブレーキングからコーナーへ飛び込むアプローチにおいて、このフロント周りの剛性感とコントロール性はライダーに絶大な安心感をもたらすに違いない。一切の妥協を排し、勝つことだけを目的に作られたサラブレッドの血統がここにある。
さらば、至高の4気筒。新車で手に入れる最後のチャンス
WSSP(ワールドスーパースポーツ選手権)の主役が3気筒の新型マシンへと移り変わっていく中、時代の流れとはいえ、この名機がラインナップから完全に姿を消す事実は寂しい限りだ。
メーカー希望小売価格は137万5000円。第1次予約受付は2026年7月31日まで、第2次は8月31日までとなっている。ナンバープレートを取得して公道を走ることはできないが、サーキットを愛するライダーにとって、YZF-R6を新車で手に入れる本当に最後のチャンスだ。記憶に、そして記録に残り続けるこの不朽の名車を、ぜひその手で操ってほしい。
YAMAHA YZF-R6 RACEBASE (2027model) COLORS
【YAMAHA YZF-R6 RACEBASE】●マットダークグレーメタリック6(マットダークグレー)
YAMAHA YZF-R6 RACEBASE (2027model) SPECS
| エンジン形式 | 水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒 |
| 総排気量 | 599cc |
| 最高出力 | 87.1kW(118.4PS)/1万4500rpm (※2020年モデル参考値) |
| 最大トルク | 61.7N・m(6.3kgf・m)/1万500rpm (※2020年モデル参考値) |
| 全長×全幅×全高 | 2040×695×1115mm (※2020年モデル参考値) |
| 車両重量 | 190kg (※2020年モデル参考値) |
| シート高 | 850mm (※2020年モデル参考値) |
| 燃料タンク容量 | 17L (※2020年モデル参考値) |
| 発売日 | 2027年2月26日(第1次予約分から順次) |
※レースベース車は公道走行不可。エンジン出力や車体サイズなどのスペックはベースとなる公道向け最終モデル(2020年モデル)の数値を参考値として記載。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(レース)
世界選手権を戦うBMWオフィシャルチームを支えた25歳の若きメカニック 3位表彰台を獲得したBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM。いわゆる”ワークス”と呼ばれるこのチーム[…]
伝説のV3ワークス直系、プライベーターを支えた名車「ホンダ RS500R」の軌跡 1983年に発売されたRS500Rは、ホンダが世界タイトルを獲得したワークスマシン「NS500」の技術を継承して作られ[…]
まさに最強の盾と矛! ヤマハの本気度がヤバい ホルヘ・マルティン: 言わずと知れた2024年の世界王者。その圧倒的な一発の速さと、限界を超えて攻め抜くメンタリティは、現在のMotoGP界でも間違いなく[…]
小椋藍が最高峰で魅せた!王者マルケスを脅かす「25歳」の覚醒 MotoGP第9戦は小椋藍選手がポールポジションを獲得し、スプリントレース、決勝レースともに2位という素晴らしい成績を収めたレースです。決[…]
小椋藍、チェコGPで日本人6年ぶりのPPを獲得。フィニッシュでも2位! 見えてきた「夢の頂点」への課題 小椋藍選手(SuperFile Trackhouse MotoGP Team)が大活躍したMot[…]
人気記事ランキング(全体)
技術的チャレンジ精神の結晶 まずは、特徴的なスタイリングこそボーラの目玉。ウェッジシェイプの鋭利なプロポーションでありながら、ステンレス製ルーフの質感や柔らかなリアフェンダーの曲線に、ジウジアーロの気[…]
83馬力へと進化した、完全新設計の2ストロークVツイン まず注目したいのは、なんといっても現代の環境規制に適合しながら公道を走れる完全オリジナルの水冷2ストローク250ccVツインエンジンだ。 ヴィン[…]
立ち乗りも座り乗りも自由自在。免許不要で広がる行動範囲 「近所の買い物や通勤を楽にしたいけれど、ペダルを漕ぐのは疲れるし、バイクの免許は持っていない」。そんな悩みを吹き飛ばしてくれる有力な選択肢が、こ[…]
50ccで7.2馬力! 6速ミッションを操る快感 「50ccだからといって、走りに妥協はしたくない」。そんな熱い思いを持つライダーたちを、NSR50はたちまち虜にした。 心臓部には、最高出力7.2PS[…]
SHOEI最新作『Z-9』に早くも登場するオリジナルグラフィック 『Z-9 BURNSIDE』は、ストライプを基調としたシンプルなグラフィックが特徴だ。フェイスガードから頭頂部を通り、後頭部下端まで抜[…]
最新の投稿記事(全体)
1940年代の伝統と現代技術の結晶「Thunderstroke 116」 近年、世界的な排出ガスや騒音規制の強化により、大排気量の純空冷エンジンは絶滅の危機に瀕している。油冷や水冷機構を部分的に取り入[…]
純正ミラーを活かしながら後方視界をアップデート 純正ミラーのデザインは気に入っているものの、「もう少し後方が見やすければ」と感じたことはないだろうか。デイトナの「ハイビジ貼り付けタイプミラー」は、その[…]
すわカウルが資源になる時代到来か ※今回の内容は神奈川県相模原市を例に取り上げています。お住まいの地域のルールについては、各自治体のHP等をご確認ください。 バイク弄りをしていると、地味に処分に困るの[…]
秋のツーリングに備える「着る疲労回復ウエア」 バイクで長時間同じ姿勢をとり、風圧に耐え続けるツーリングは、思いのほか全身の筋肉を酷使する。特に秋シーズンともなると、日中は暖かくても、夕暮れ時や山間部に[…]
プレミアムな1台だからこその「安心&コミコミ」仕様! SS(スーパースポーツ)の最高峰だけに「万が一の転倒が怖い……」と足踏みしそうなところだが、今回のGSX-R1000Rレンタルは「プレミアムクラス[…]
- 1
- 2






























