
バイクが大好きな人のうち、今現在サーキットへ足を運ぶ割合はいったいどれほどだろうか? 全身を震わせるマフラー音、命懸けの白熱バトル、各社が威信をかける技術革新、さらには仲間/ライバルと育むかけがえのない絆…これらはレースでしか体感できないものだ。今回は、プロレーシングライダーにはどうしたらなれるのか。現役ライダーにきいてみた。
●まとめ:宮田健一(ヤングマシン編集部)
そもそもプロレーサーって何でしょう?
そもそもプロレーサーって、レースだけで収入の全てを賄っている人というのが一般的なイメージなんでしょうけど、残念ながらそういった人は全日本でもほんの一握り。では、プロレーサーって何でしょう?
それは金銭面はもちろんパーツ1つでも、カンパではなくちゃんとスポンサーと契約を交わしてその期待に応える責任が発生したときにプロになったのだと思います。
単に好きだからだけでは許されず、常に自分の価値を高めていく必要があります。その最たるものはレースでの成績ですが、最近ではスポンサーの宣伝に貢献するため、SNSをはじめとする発信力も重要視されてきた感じです。
まずはレーシングスクールから!
さて、プロを目指すにはいろんな道筋があって、まだ子供なら私のようにポケバイ・ミニバイク・MFJのロードレースアカデミー〜といったようにステップアップしていくのが王道パターン。
既に大人になっているなら、MFJのフレッシュマンライセンスで地方戦から始めるのが一般的でしょうか。フレッシュマンから次の国内ライセンスへは公認サーキットで3時間走行すればいいだけなので割と簡単です。
でも、そこから先の国際ライセンスはきちんとレースで成績を残していく必要があり、ここからが本番。クラスも限定されていて、ST1000/ST600/J-GP3/JP250のいずれかでないと国際には上がれないので注意してください。
実は地方戦の600が国際に上がりやすい穴場と言われているんですが、いざ国際に昇格して全日本に出てみるとあまりのレベルの高さについていけないという話もよく聞くので、結局は実力がないとダメですね。
私としては、まず何より一番最初にサーキットで開催しているレーシングスクールで学ぶことをお勧めします。プロライダーの講師に基礎から学べ、正しい走り方を身につけられるので、得るものがとても大きいと思いますよ。
【レーシングライダー:岡崎静夏】全日本選手権J-GP3で活躍中のトップガールズレーサー。2025年7月からは岐阜県大垣市の「奥の細道むすびの地 大垣 交流大使」にも就任。
ミニバイクも普段の練習に効果あり!
普段の練習も欠かせない!
プロになるには普段からの練習も欠かせません。参戦用マシンでの練習以外に私は今でもミニバイクを使った8の字練習をよく行っています。ミニといえどフルブレーキ&ヒジスリ鬼バンクでの8の字は極限時に起きる挙動や、とっさの対処法を身につけるのにいいんですよ。
フィジカルトレーニングも大事です。「バイクを操るのに力は必要ない」と言う人もいますが、これを間に受けちゃいけません。言ってる本人はしっかり身体が出来上がっているので気付いてないだけなんです。体幹を中心にトレーニングをがっちり採り入れたら、見る見る成績につながった私が言うので間違いありません!
トラブル時の原因を迅速に見極められるようメカ知識も基本メンテが行えるくらいは欲しいかな。これはレーシングチームやバイクショップに所属して学ぶといいでしょう。レースと街乗りではイジる内容が異なってくるのでショップの場合はレースに詳しいところにしてくださいね。
いずれにせよ、プロを目指すなら「今できることはすべてやる」ということを念頭にしておいてください。「必要になったからやる」ではダメです。
それに時間もお金も有限。フリー走行を使い独学で腕を磨く方が1回の金銭面では助かるかもしれないけれど、レーシングスクールで同じ時間と同じお金をかけた場合、何倍も効果は違うと思うんです。常に最短で最大限の効果につながる道筋を探すようにしましょう。
あと最後に、私は家族の協力が無かったらプロレーサーになれなかったと思います。友達も含めてもし協力してくれる味方がいるなら、ぜひ大切にしてくださいね。
常に全力投球。時間は有限です!
メカを担当している弟の“しんしん”をはじめ、今も家族全員がバックアップしてくれています。みんな本当にありがとう〜♡
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(レース)
【1950〜60年代】初任給の15倍!? 有力チームだけに許された伝説の「CRシリーズ」 市販レーサーではあるものの(CR110/93は保安部品付きも存在)、この4台を入手できたのは有力チームのライダ[…]
予測不能な雨の鈴鹿、極限状態に挑む熱気 2026年7月5日、「2026 FIM世界耐久選手権 “コカ・コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第47回大会」が開催された。昨年に続き2度目の観戦となる若月[…]
悪天候を吹き飛ばすステージの盛り上がり メインステージではIKURAさんを筆頭に数々のライブや、会場に並べられたカスタムマシンの紹介やアワードなどで盛り上がり、グランドスタンド裏はガレージセールや有名[…]
GPZ250Rなど80年代のマシンも参戦 2026 もてぎ7時間耐久ロードレース“もて耐”が7月18日(土)、19日(日)に開催されました。1998年からスタートし、コロナ禍でも中止を免れ、今年で29[…]
600台が夢を追った”アマチュアの甲子園”と彼女たちの夏 1980(昭和55)年にスタートした「鈴鹿4耐ロードレース」は、またたく間にバイクブームに沸く若者たちの情熱の受け皿となった。1980年代後半[…]
最新の関連記事(岡崎静夏[ヤングマシン])
1位は「未舗装路で遊びたい」あのモデル ──2025年に乗ったモデルのうち、ベスト3を挙げるなら何でしょう? ホンダCRF250ラリーかなあ。普段、オンロードで重たいバイクばっかり乗っているからか、も[…]
実用できるバイクとして、なるべくコンパクトに! 49cc空冷単気筒エンジンだったかつてのMonkeyの特徴だった、愛らしいフォルムを継承する原付二種レジャーモデルとして、’18年7月に登場したのがMo[…]
十分な機動力を備えるけどちょこまかしすぎない走り 我が家には以前から、原付二種クラスのスズキ・アドレスがあります。これは基本的に母の愛車。身長148.5cmの小柄な体格なので、2スト時代のアドレスV1[…]
適度なパワーと車格がもたらす、公道での爽快なスポーツ性 250ccクラスでは久々となる4気筒エンジン搭載の新型として、2020年9月に新登場したのがNinja ZX-25R。2023年型で熟成が図られ[…]
雑味のないクリアな鼓動感は同じ! デビューから約5年経っても色褪せないエンジンの心地よさ シンプルで親しみやすいロードスポーツ系として、ʼ21年春にデビューしたのがGB350シリーズ。ʼ24年秋にはG[…]
人気記事ランキング(全体)
激動の物価高を乗り切る「価格据え置き」の価値 世界的なインフレによってあらゆるパーツや原材料が高騰するなか、スズキは2026年8月発売の新型でも、2025年7月18日発売の前年モデルの価格である98万[…]
7.0リッターV8ツインターボ×軽量カーボンボディ まずは、750馬力を絞り出すエンジンこそサリーンの真骨頂かと。フォード製の巨大な7.0リッターV8エンジンに、ギャレット製のターボをツイン装備。しか[…]
カフェレーサーから市販レーサーへの変化 今後の主役はイレブン。ヤマハが’78年に発売したXS1100が、欧米で大ヒットした時点で、おそらく他の国産3社はそう感じたに違いない。 事実、当時のスズキとカワ[…]
スマートさでエレクトロタップを圧倒するのがギボシ端子による接続 スマートフォンより大きな画面で情報が読み取りやすく、ドライブレコーダー一体式の製品もあり、価格的にもスマホよりリーズナブルなものも多いこ[…]
時代を先駆けた動力性能と信頼性の歴史を辿る:『カワサキ650-W1の系譜』 最初の紹介記事は、約9年間に及ぶ販売期間の中で生産されたW1シリーズの変遷を体系的にまとめた「W1の系譜」だ。W1の人気が最[…]
最新の投稿記事(全体)
オイルフィルターとフィルターレンチのラインアップが豊富 メンテナンスの第一歩で最も重要な項目が、エンジンオイル交換とオイルフィルター交換だ。潤滑や放熱によって劣化するオイルと、エンジン内部のゴミや異物[…]
4スト4気筒に匹敵する扱いやすさを目指して ’69年末から開発が始まった新世代のGTシリーズは、同年10月の発表と同時に世界を震撼させた、ホンダCB750フォアを仮想敵に設定していた。 もちろん、直接[…]
「稲妻の閃光」と偉大なる総帥へのオマージュ カウンタックから連綿と続くウェッジシェイプは、誰がどう見てもランボルギーニそのもの。社内のスタイリスト、ミティア・ポルケルトによると「もちろん、ガンディーニ[…]
【1950〜60年代】初任給の15倍!? 有力チームだけに許された伝説の「CRシリーズ」 市販レーサーではあるものの(CR110/93は保安部品付きも存在)、この4台を入手できたのは有力チームのライダ[…]
スマートさでエレクトロタップを圧倒するのがギボシ端子による接続 スマートフォンより大きな画面で情報が読み取りやすく、ドライブレコーダー一体式の製品もあり、価格的にもスマホよりリーズナブルなものも多いこ[…]
- 1
- 2








































