
原付二種クラスで不動の人気を誇るホンダ「グロム」。その軽快な走りをサーキットでさらに研ぎ澄ます、モリワキエンジニアリングのグロム専用スリップオンマフラーが仕様変更を受けて登場した。2026年の新音量規制に対応しながら、加速性能の向上とセッティングの自由度を高めた一品を紹介しよう。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:モリワキエンジニアリング
12インチホイールと103kgの軽さが生み出す無類のファンライド
ホンダのグロムは、12インチの小径ホイールと車両重量103kgという圧倒的な軽さにより、初心者からベテランまで純粋な走る喜びを味わえるファンバイクだ。最高出力10PSを発揮する123ccの空冷単気筒エンジンに5速マニュアルトランスミッションを組み合わせ、小排気量ならではの「エンジンを回し切る快感」を存分に楽しめる。
この基本設計の良さから、公道だけでなく「HRC GROMCUP」をはじめとするミニバイクレースのベース車両としても絶大な支持を集めている。
2026年の新音量規制をクリアしつつ加速性能を向上
レースシーンにおける環境配慮が求められる中、モリワキが開発した新たな「ZERO Racing」マフラーは、サーキットにおける2026年の新音量規制(5,300rpm時で95dB未満)にしっかりと適合するよう設計された。音量を抑えながらも、「加速性能と高回転域の伸びを犠牲にしないこと」を絶対の命題として開発が進行。シャーシダイナモでの検証とサーキットでの実走テストを繰り返すことで、低中回転域のトルクアップを果たし、スロットル開け始めのレスポンスやギアチェンジ後の加速特性を従来品よりも向上させている。
緻密な燃調セッティングを可能にするA/Fセンサー用ボスを標準装備
エキゾーストパイプへのA/F(空燃比)センサー用ボスも標準装備。近年、サーキット走行においてドロガーなどのデータロガーを用いて細かな燃調セッティングを行うライダーが増加している。本製品は新設計のヒートシンク型A/Fセンサーボスを採用しており、高温下でのセンサーの不具合を軽減。
さらに流路型の内部構造により、走行中でも安定したA/F値の計測が可能となった。ロガーを使用しない場合のために、専用プラグも付属する親切なパッケージとなっている。
排気抵抗を最適化したテールパイプとステンレスの輝き
センサーボスを追加したことによる排気流路の変化も見逃していない。排気抵抗がどのように変わるかを綿密に計算し、それに合わせてテールパイプの形状を最適化。実績のあるサイレンサー「ZERO」と組み合わせることで、厳しい音量規制をクリアしつつ確かなパワーアップを実現した。
パイプとサイレンサーの材質には耐久性に優れるステンレスを採用し、美しいステンレスポリッシュ仕上げがレーシングマシンの機能美を引き立てる。マフラー単体の重量は1.9kgに抑えられ、車体の軽量化にも貢献する。
装着時のバックステップ干渉や純正ステップ不可の注意点
本製品はHRC GROM(適合型式JC92)専用のレース用部品であり、公道での使用は禁止されている。取り付けに関してはいくつか注意が必要だ。まず、純正ステップは使用不可となっている。
さらに、A/Fセンサーのコードがステップ周辺にレイアウトされる関係上、モリワキ製のSPEC3(品番05060-101Z2-00)以前のバックステップ、および他社製のバックステップを使用している場合、コードが干渉するおそれがある。購入前に自身の車両のステップ周りのクリアランスを十分に確認しておこう。
レースシーンで勝つためのポテンシャルを秘めた本格エキゾースト
レースの世界では、コンマ1秒を削り出すためのセッティングパーツが勝敗を大きく左右する。モリワキの新しい「ZERO Racing」マフラーは、排気効率の向上という物理的なアドバンテージだけでなく、データに基づく正確な燃調セッティングへの道を開くことで、ライダーに確かな武器をもたらす。価格は55,000円(税込)。愛車とともにサーキットでの自己ベスト更新を狙うグロムオーナーにとって、見逃せないアップデートパーツとなるはずだ。
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