
東京オートサロン2026のスズキブースで、一際異彩を放つマシンが登場した。カプコンの人気ゲーム『モンスターハンターワイルズ』とコラボした「DR-Z4S MONSTER HUNTER WILDS Edition」だ。新型DR-Z4Sをベースに、ゲーム内の相棒「セクレト」をイメージしたというこの一台。単なるラッピングに留まらない、細部までこだわり抜かれたそのディテールと背景をレポートする。
●文/写真:ヤングマシン編集部(石川順一) ●外部リンク:スズキ
新型DR-Z4Sがゲームの「相棒」へと変貌を遂げたコンセプト
このコラボモデルでモチーフとなったのは、『モンスターハンターワイルズ』に登場する乗用動物「セクレト」。セクレトは、プレイヤーが広大なフィールドを移動する際に騎乗する鳥竜種のようなモンスターで、モンハン世界の過酷な環境をともに駆け抜ける相棒だ。DR-Z4Sの持ち味であるデュアルパーパスとしての高い機動力とも、どこかシナジーを感じる。
スズキによれば、このマシンはセクレトのシンボルや色味を随所に散りばめ、まるでゲームの世界から飛び出してきたかのような仕上がりを目指したという。オフロードマシン特有のアップフェンダーが、どことなくセクレトのクチバシを彷彿とさせるのも、このベース車両が選ばれた妙といえそうだ。
ダメージ加工と独特なフォントが醸し出す世界観
外観でまず目を引くのが、その独特な質感だ。グラフィックペイントにはあえてダメージ加工風の仕上げが施されており、モンスターとの死闘や過酷な旅をくぐり抜けてきたようなリアリティを演出している。
車体側面に描かれた「DR-Z」のロゴも、標準モデルとは異なる手書き風の独特なフォントを採用。また、シートやサイドカバーの一部にはセクレトの背中の色味を再現したブラウンが配されている。全体的に、単なるキャラクタープリントではなく、ひとつの「道具」としての説得力を持たせるデザインワークが光っており、魅力的な仕上がりだ。
職人技を感じさせる専用装備とカラーアクセント
細部に目を向けると、この展示車のために特別に用意された装備が随所に見つかる。車体左側に装着されたスエード調レザーのサイドバッグは、セクレトが身につけているバッグをイメージしたものだ。ちなみに、ゲーム内のセクレトは右側に武器携帯用のバッグを装備しているが、このマシンではその位置にアップマフラーが備わっている。
さらに、ハンドルバーエンドやチェーンアジャスター部分には、鮮やかなオレンジ色のパーツが配されている。これはセクレトが身にまとっている装飾品や、バッグの留め具に使われているアクセントカラーを再現したものだ。こうした細かい金属パーツにまでキャラクターの記号性を落とし込む手法は、モンハンファンのみならずバイク好きの所有欲をくすぐるポイントだ。
足まわりにおいても、ディスクまわりにガードカバーが装着されている点が見逃せない。これはセクレトが砂漠地帯を走行することを想定し、砂の侵入を防ぐという実際の使用シーンを想定した機能性装備なのだ。
スズキとカプコンの深い縁が生んだコラボレーション
この異色のコラボレーションは、2023年の3月頃から両社の間で進められてきたプロジェクトだという。スズキの社内にも『モンスターハンター』シリーズのファンが多く、ゲームとオートバイという、どちらも「移動」や「冒険」を伴う趣味性の高いジャンル同士の親和性の高さが、今回の企画を後押しした。
「一旅いこうぜ!」というキャッチフレーズが掲げられた今回の展示では、DR-Z4Sだけでなく、同様のコンセプトを投影した「ジムニー」のカスタムモデルも併せて出品されるなど、スズキブース全体でモンハンの世界観を盛り上げていた。今後のコラボレーションにも期待だ。
会場では発売が予定されているGSX-8TTも展示。親子感が微笑ましい、同カラーのストライダーも並んでいた。
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