
あなたが初めて「バイクに乗りたい」と心が震えた瞬間はいつだっただろうか。擦り切れるほど読んだ漫画の1ページか、スクリーンを駆け抜ける映画のワンシーンか、それとも1枚の鮮烈な写真だったかもしれない。バイカーズパラダイス南箱根は開業7周年を迎え、ライダーたちの“原点”を呼び覚ます特別企画展「バイクが好きになる、この空間へ」を2026年7月5日(日)まで開催されている。名作カルチャーと実車が融合した、熱量を放つ空間となっているぞ。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:バイカーズパラダイス
バイクに惹かれた「あの日の衝動」をもう一度
「なぜ、バイクに乗るのか」。効率や快適さだけを考えればクルマという選択肢がある中で、あえて風を切り、剥き出しの鉄の馬に跨る理由。それは理屈ではなく、かつて何かの作品に触れた時に生まれた「憧れ」や「衝動」が根底にあるはずだ。
2019年のオープン以来、バイク文化の発信地として多くのライダーに愛されてきたバイカーズパラダイス南箱根。その7周年を記念して開催される本企画展は、まさに私たちの心を揺さぶった「カルチャー」と「実車」を掛け合わせた空間となっている。
ただバイクを並べるだけの展示ではない。漫画、映画、写真といった作品群を通じて、眠っていたバイクへの情熱を再燃させ、あるいは未来のライダーに「きっかけ」を与える、熱のこもった5つのテーマゾーンで構成されている。
実車×最新VRで『バリバリ伝説』の世界へダイブ
中でも目玉となるのが「バリバリ伝説ゾーン」だろう。名作漫画『バリバリ伝説』の世界観を、現代の最新テクノロジーで体感できるこのブースは、バイク王とプロトタイプ社の共同企画によるものだ。
主人公の愛車としておなじみの「CB750F」が劇中そのままの姿で鎮座しているだけでなく、なんとこの実車に跨り、実車センシング型VRシミュレーター「2X Freedom」と二輪レースゲーム(RIDE5)を連結させた没入型体験「バリバリ伝説 VR RIDE」を楽しむことができる。
視覚だけでなく、車体の鼓動や傾きまでもが連動するこのシステムは、読者であれば誰もが夢見た「あの世界に入り込んで走る」という願望を現実のものにしてくれる。さらに、作中に登場する「NS400R」の特別展示や、SHOEIの過去のコラボヘルメットの展示も、当時の熱狂を知る世代にはたまらない演出だ。
スクリーンから飛び出した名車たちとの対面
名作の息吹を感じたいなら、「キリンゾーン」と「逮捕しちゃうぞゾーン」は見逃せない。 「キリンゾーン」では、映画『キリン POINT OF NO-RETURN!』で実際に使用されたSUZUKIのGSX1100S KATANAと、劇中使用車レプリカのHAYABUSAが並ぶ。銀幕の中で圧倒的な存在感を放っていたマシンを間近で見上げれば、あの焦燥感とスピードに魅入られた男たちの生き様が脳裏に蘇るだろう。
一方、「逮捕しちゃうぞゾーン」では、劇場版プロモーション用に製作された「モトコンポ ポリス仕様」が展示されている。見どころはそれだけでなく、ICOMA社が手がける令和の折りたたみ式電動バイク「TATAMEL BIKE」の藤島康介先生コラボ・ポリス仕様車も同時展示されている点だ。
時代を象徴する2台のモビリティが共演する姿は、バイクカルチャーが過去の遺物ではなく、未来へと進化し続けていることを教えてくれる。
写真が切り取る「熱量」と「日常の美しさ」
そして、バイクの魅力はフィクションだけにとどまらない。「ROAD RACING フォトゾーン」では、40年以上にわたりモータースポーツの最前線を撮り続けてきた赤松孝カメラマンの珠玉の作品が並ぶ。一瞬の隙も許されない極限の緊張感と、ライダーの息遣いまで聞こえてきそうな臨場感は、見る者の心を激しく揺さぶるだろう。
対照的に「モトクル ゾーン」では、一般のライダーたちが日常のツーリングで切り取った「バイクのある風景」が展示される。写真共有アプリ「モトクル」のフォトコンテスト入選作品50点は、等身大のバイクライフの素晴らしさを伝えてくれる。「次は自分もこんな景色を見に行きたい」と思わせてくれる、温かい共感に満ちた空間だ。
この春、最高のツーリング目的地として
バイカーズパラダイス南箱根の7周年企画展「バイクが好きになる、この空間へ」は、2026年7月5日(日)まで開催される。
あの頃の憧れを胸に秘めたベテランライダーはもちろん、バイクの免許を取ろうか迷っている友人やパートナーを誘って訪れるのにも最高の舞台だ。箱根の美しいワインディングを駆け抜けた先に待っているこの特別な空間は、きっとあなたの「バイクが好き」という気持ちを、さらに深く、熱くしてくれることだろう。
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