●文:モーサイ編集部(原久三) ●写真:八重洲出版 ハーレーダビッドソン
ハーレーダビッドソンは3輪モデルも作っている
「いつかはハーレー」などと言われるように、憧れのバイクメーカーとして知られるハーレーダビッドソン。
多くの人にとって、ハーレー=大型バイクのイメージしかないかもしれないが、じつはハーレーは3輪モデル「トライク」も作っている。
日本では、大型自動二輪免許を持っていなくても普通自動車免許を取得していれば乗れるので、トライクは二輪免許の取得をためらっている人などから支持されているモデルだ。
だが、昔のハーレーダビッドソンの3輪モデルは現在の豪華なスタイルとは違っていて、それは市民のための“簡素な働く乗り物”だった。言わば日本の“軽トラ”のような存在で、配達用の商用車/広告宣伝車などさまざまな場面で大活躍していたのだ。
当記事では、そんなハーレーダビッドソンが作った3輪モデル・サービカーについて紹介しよう。
自動車ディーラーなどに向けた出張修理用車両として、1932年に登場
世界恐慌による不景気が蔓延している中、ハーレーダビッドソンは1932年にユニークかつ簡素的な構造の3輪モデル「サービカー」を発表した。
サービカー登場以前にも、サイドカーのカー側を荷台として配達などに使用する「サイドバン」という存在はあったが、サービカーは自動車ディーラーや修理工場のサービスマンが出張修理に使うことを想定し、牽引用のアタッチメントもオプションで設定されていた。「サービカー」というネーミングは、サービスカーをもじって付けられたものなのだ。
サービカーは、当時登場間もないベビーツインの750ccフラットヘッドのVツインエンジンを搭載し、配達用商用車/広告宣伝車/警察の駐車違反車両取り締まり用としても数多く採用された。一日中低速走行してもオーバーヒートが少なく、タフな低圧縮型エンジンの利を生かし、使い勝手に優れた実用車としてさまざまな場面で活躍していたのだ……
※本記事は2022年3月25日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モーサイの最新記事
キャストでもスポークでもない独自構造のホイール 国産の2輪車にキャストホイール車が登場し始めたのは、1970年代後半のこと。当初は一部の高級モデルにのみ採用されたこともあり、ワイヤースポークとは違う新[…]
イラスト入りのカントリーサイン カントリーサインとは、正式には「市町村案内標識」といい、町と町との境界に設置されています。 市町村案内標識自体は日本各地にありますが、そのほとんどが都道府県章や市町村章[…]
切符処理されないケースもある?! いきなりパトカーからスピーカーで呼び止められたり、旗を持った警察官に停止を求められたりして「違反ですよ」と言われると、誰でも「やってしまった…」と焦るはず。 ところが[…]
一回の違反で免許取消になる違反 交通違反が点数制度となっているのは、よく知られている。交通違反や交通事故に対して一定の基礎点数が設定されており、3年間の累積に応じて免許停止や取消などの処分が課せられる[…]
マルチフューエルストーブならば、白ガスと赤ガスどちらも使える 本記事のお題は“赤ガス使用可能なアウトドアギア”だが、具体的には「マルチフューエルストーブ」と呼ばれるモノのことである。“ストーブ”と言っ[…]
最新の関連記事(バイク歴史探訪)
軽二輪の排気量上限=250ccスクーター登場は、スペイシー250フリーウェイから ホンダPCXやヤマハNMAXなど、ボディサイズは原付二種クラスでありながら排気量150〜160ccの軽二輪スクーターを[…]
1965年までは“クルマの免許”に二輪免許が付いてきた 80歳前後のドライバーの中には、「ワシはナナハンだって運転できるんじゃよ、二輪に乗ったことはないけどな(笑)」という人がいる。 これは決してホラ[…]
ホークシリーズ登場後、すぐにホークIIIを投入。“4気筒+DOHC”勢に対抗したが… 1977年の登場から1〜2年、扱いやすさと俊敏さを併せ持つホークシリーズは一定の人気を獲得したが、ホークII CB[…]
生産台数の約7割を占めた、ハーレーの“サイドカー黄金時代” 1914年型のハーレー初のサイドカー。ミルウォーキーのシーマン社がカー側を製作してハーレーに納入。マシン本体にはカー用のラグが設けられており[…]
1960年代末から、大排気量大型車で世界の2輪業界をけん引する立場になった日本勢だが、オンロードスポーツ車に続き新たに力を入れ始めたのが、オフロードの分野である。 もっとも、1969年にヤマハがDT-[…]
最新の関連記事(ハーレーダビッドソン)
新規ハーレーオーナーも多いX350&500。そんなオーナーと交流したい。10月1発目は「Webike Festival2024」が会場だ! モリワキ初のハーレー用マフラーを装着した『ウィズハー[…]
ローライダーST:従来のウェットカーボンとは異なる最新技術 高品位なカスタムパーツのおかげで、ローライダーSTのスタイリッシュさがいっそう際立っている。ハイクオリティなドライカーボンパーツとアルミビレ[…]
ニューフリスコスタイルのカスタムコンプリートをリグニスにて受注開始 「プロトカスタムコンプリート フリスコ」は、1996〜99年までのソフテイル中古車をベースとして、エンジンをフルオーバーホール。新車[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc 400ccクラスは、普通二輪免許を取ってから間もないビギナーも選ぶことができる排気量帯で、16歳から乗ることができる。 そんな400cc[…]
人気記事ランキング(全体)
125ccスクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限[…]
1441cc、自然吸気のモンスターは北米で健在! かつてZZ-R1100とCBR1100XXの対決を軸に発展し、ハヤブサやニンジャZX-12Rの登場からのちにメガスポーツと呼ばれたカテゴリーがある。現[…]
バランス重視キャラでコストと性能を両立か 「カワサキとの真っ向勝負は避けるとしても、出力的に70ps程度は出してくるだろう。フレームは軽量化のため、ダイヤモンド型を採用する可能性が高い」 ヤングマシン[…]
スタイリッシュな250ネイキッドでのキャンプツーリング記 夏の早朝。日が出る前に、ボクはブリクストンがリリースする「クロムウェル250」で走り始めた。スチール製セミダブルクレドールフレームに空冷250[…]
国内導入予定はないけれど……のZ125プロ カワサキは北米で2025年モデルを続けざまに発表している。ここで紹介するZ125プロは、金色に輝く倒立フロントフォークに加えて2025年モデルの濃緑にはゴー[…]
最新の投稿記事(全体)
ブランド・ストア『FREUDE by BMW』内「CAFÉ & BAR B」にて10月28日まで ビー・エム・ダブリュー株式会社は、本日10月3日(木)から10月28日(月)の期間[…]
BIGなCBとBIGな企画 ビッグマック! ビッグサンダー! ビッグカツ!! てんちょーもBIGになってバイクをもっと布教したい! そう、目標はホンダのBIG-1ぐらい大きくなきゃね。え、BIG-1っ[…]
アラを探しても見つからない!? 完成度の高い並列4気筒エンジン 1980年代以降、250~750ccまでステイタス性とパフォーマンスの両面で高性能の代名詞となっていたのが並列4気筒エンジンです。とくに[…]
新規ハーレーオーナーも多いX350&500。そんなオーナーと交流したい。10月1発目は「Webike Festival2024」が会場だ! モリワキ初のハーレー用マフラーを装着した『ウィズハー[…]
レース用ではなく、公道で楽しむためのパーツ 長年にわたり、公道で気持ちよく安全にバイクを楽しめるパーツを作り続けてきたアエラ。レーシングパーツ、つまりサーキットではなくステージはあくまでも公道。そのた[…]
- 1
- 2