
伝説のライダー武石伸也(たけいし しんや)が、2000ccターボ仕様のハーレー・ローライダーSTで筑波サーキットに登場! ”92年の鈴鹿8耐でフレディ・スペンサーらを上回りポールポジションを獲得したレジェンドが、300kg超のモンスターマシンを操りトップでチェッカーを受けた!!
●文:今井伸一朗 ●写真:栗田晃、オレンジワークス ●取材協力:プライズバイクサロン
レジェンド、筑波へ帰還!
’92年鈴鹿8耐ポールシッター武石が、モンスターハーレーと共に筑波サーキットに帰ってきた!
あの武石伸也(たけいし しんや)が帰ってくる! 2000cc+ターボ仕様のハーレーで、MCFAJ クラブマンロードレース2026 第1戦 筑波サーキットに参戦すると聞けば、足を運ばない理由はなかった。
武石といえば、1992年の鈴鹿8時間耐久ロードレースで、日本人として史上初のポールポジションを獲得したレジェンドライダーだ。
“ファースト・フレディ”ことフレディ・スペンサーら、当時参戦していた世界のトップライダーたちを抑えた偉業は今も語り継がれ、歴史を変えたライダーである。
そんな武石が駆る今回のマシンは、プライズバイクサロン(静岡県浜松市)の小原氏が手がけた一台。ベースは2022年式のFXLRST ローライダーST。エンジンはノーマルながら、日本製「マンバ」のターボキットを装着し、最高出力133.62ps/5560rpm、最大トルク21.17kg-m/3460rpmを発揮する。車重は300kgオーバーという、まさに“モンスター”だ。
鈴鹿のストレートで250km/h到達!
バックギヤで名高い「マンバ」のターボキットをミルウォーキーエイト117エンジンに搭載。
武石がこのマシンに乗ったのは、事前の鈴鹿サーキットでのシェイクダウンのみ。その時点では、大柄な車体に大型カウル、さらにバンク時のケース接地の懸念など、不安要素が先行していた。しかし、走り出した瞬間にその印象は一変する。
「楽しい、そして速い」
巨体からは想像できない軽快さ。多少のポジション改善の余地はあるものの、それ以外は驚くほど自然なフィーリング。圧倒的なトルクは“暴力的”とも言える加速を生み出すが、現状ではクラッチが耐えきれずフルパワーは封印。それでもストレートでは250km/h到達のポテンシャルを感じさせた。
今回の参戦は、武石の恩師であるチーム・ブルーフォックス監督との縁から実現。開発初期から関わり、小原氏もその的確なフィードバックに強い信頼を寄せている。目指す方向性は明確で、アメリカのバガーレース文化――モトアメリカの「キング・オブ・ザ・バガーズ」に通じるスタイルだ。
前後サスはオーリンズ製をベースにセットアップ。前後17インチ化には、パンアメリカ1250STのホイールを流用し、バックステップはワンオフ。FRP製シートカウルも専用設計で、将来的には市販化も視野に入れている。
全長800㎜/ストローク120㎜、インナーチューブ径43mmの倒立式フロントフォーク「オーリンズFF520」をセットアップ。
久々の筑波、ハーレーで驚愕のハイペース
パンアメリカ1250STのフロントホイールを流用し、足まわりを前後17インチ化。サーキットに対応している。
迎えた予選。数十年ぶりの筑波サーキットでの走行にもかかわらず、武石は1分11秒770で5番手につけた。「1コーナーは左だったっけ?」と冗談めかしながらも、走行後には「筑波、楽しい!」を連発。かつての尖った印象とは異なり、純粋に走りを楽しむ姿が印象的だった。
決勝は5番グリッドからスタート。抜群のダッシュで一気に2番手へ浮上する。シフトストロークの大きさに苦戦しつつも、トップを追走。そしてレースは思わぬ展開へ。
エントリーしたのはMAX10クラス。タイム上限規定である“1分10秒”を破り、トップグループが次々と9秒台、さらには8秒台へ突入していく。
武石は最終ラップでトップへ、そのままチェッカー。結果はトップ5台すべてが賞典外となり、まさに“勝負に勝って、レースに負けた”結末となった。
しかし、武石の表情は終始笑顔。「一回、膝擦ったよ!!」と少年のように語る姿が、この日のすべてを物語っていた。
数十年ぶりの筑波サーキットでのレースを楽しんだ武石伸也。
次戦へ向けた確かな手応え
恩師、ブルーフォックス監督である岩崎氏との縁で実現したハーレーでのレース参戦。
短期間でこのモンスターハーレーを仕上げ、トップでゴールした事実に、プライズバイクサロンの小原氏とスタッフも確かな手応えを感じている。
次戦は富士スピードウェイ、そして最終戦は再び筑波サーキット。リミッターに縛られない本来の走りが解き放たれるとき、この超弩級ハーレーと武石伸也が、どんな走りを見せてくれるのか!! その瞬間が待ち遠しい。
オーリンズHD516(13.4インチ/341.5mm)をベースに、延長ロッドを製作し車高をアップ。ステップはOVER RACING(オーバーレーシング)製をモデファイした。
プライズバイクサロンの小原氏とスタッフ一同。確かな手応えを掴んだ!
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