
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
ブレーキランプが赤色である理由とは?
バイクやクルマのブレーキランプ。デザインやサイズはさまざまですが、色は決まって赤色です。これにはどういった理由があるのでしょうか? また、他の色に変更することはできるのでしょうか?
ブレーキランプが赤色以外になっているバイクやクルマを見たことがある人は、おそらくいないでしょう。これは、ブレーキランプの光色は赤色以外認められていないためです。
『道路運送車両の保安基準の細目を定める告示』第212条には、「制動灯(ブレーキランプ)の色は赤色であること」と明記されています。
したがって、赤色以外に付け換えて走行した場合、道路運送車両法第99条の2に違反したとみなされ、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
クルマであれバイクであれ、ブレーキランプの色は赤色と定められている。
また、色以外にもさまざまな保安基準が設けられており、これらをすべて満たさないと上記の違反に問われます。具体的には、”昼間に後方100mから点灯を確認でき、かつ照射光線が他の交通の妨げにならない”必要があります。
加えて、レンズの面積が20cm2以上であること/光源が15W以上60W以下*であること/光量はテールランプの5倍以上であること/取付位置がランプ上縁の高さが地面から1.5m以下/下縁の高さが地面から0.25m以上であることも求められます。
*60kW以下という制限は、2006年より前に製造された車体には適用されません。
また、レンズの著しい汚染や損傷も整備不良として違反対象となるため、日ごろから清掃や点検を怠らないことが重要です。
以上より、なぜ赤色でなければならないのか? という問いに対しては、「法律で決まっているから」という回答となります。
ただそれとは別に、生物学的観点からしても、後方に存在を気づかせること、注意を促すことを目的としたブレーキランプにおいて、赤色は合理的であると言われています。
というのも、赤色は可視光のなかで一番波長が長く、遠い場所からでも認識しやすいという特徴があります。また、人間の色を感知する細胞のなかで赤色を感知するものが一番多いことから、他の色と比べても赤色は識別されやすいとされています。
ブレーキランプに関する保安基準が制定される際、こうした生物学的な裏付けが考慮されていたかどうかは定かではありませんが、ランプの役割を考えると、赤色というチョイスは理にかなっていると言えるでしょう。
LEDライト換装は定番カスタム! 気になるメリットや注意点は?
赤色のみという制約はあるものの、ブレーキランプの変更はポピュラーなカスタムのひとつであり、特にLEDライト化は定番として人気を博しています。
理由としては、ハロゲン型に比べ高価ではあるものの、LEDを用いることにより以下のようなメリットが生じるためです。
まずひとつ目のメリットは、省エネ化です。一般的なハロゲンランプは消費電力が21W程度のものが多いですが、LEDは数Wと圧倒的に省エネです。
これによって電力に余裕が生まれ、バッテリー上がりのリスクを軽減できるとともに、グリップヒーターやUSB電源など、取り付けられる電装アイテムの幅が広がります。
ふたつ目のメリットは、光量の増加です。LEDはハロゲンに比べ省エネであるにもかかわらず光量が大きいため、昼間の視認性に優れています。
意匠性に関していえば、古いバイクに付け替えることで若返り効果も期待できます。また発熱量も少ないため、レンズの熱劣化も穏やかになります。
そして3つ目のメリットは、長寿命化です。
ハロゲンランプの寿命は数百〜数千時間であるのに対し、LEDは数万時間と、10倍以上長持ちです。これは、両者の発光原理の違いに起因します。
ハロゲンランプは白熱電球と同様、タングステン製のフィラメントに通電させることで発光しています。したがって、使用することによりフィラメントが徐々に消耗(蒸発)し、切断した時点で寿命を迎えます。
一方で、LEDはフィラメントのような消耗品を使用しません。半導体へ電流を与えることによって電子と正孔の結合状態が変化し、それによって生じたエネルギー差を光として利用しています。
結合状態は可逆的であるため、原理的には半永久的に使用することが可能と言われています。
色は赤色固定だが、カスタムによるブレーキランプのLED化は可能だ。
以上が、LED化によるメリットとして挙げられますが、運用にあたって注意しなければならない点もあります。
まず、基本的にLEDは振動に弱く、汎用品や格安品を使用するとすぐに破損してしまう可能性があります。そのため、高価にはなりますが、バイク専用の製品を取り付ける必要があります。
また、バルブがひとつでも点灯していなければ、整備不良となります。
LEDはひとつのレンズに複数のバルブが内蔵され、それぞれが独立して発光していますが、このうちひとつでも点灯していないと整備不良とみなされてしまい、交換が必要になります。
最後に、保安基準を満たしているか確認が必要という点です。
LED化に限った話ではありませんが、純正ランプから交換する際、明るさが適合範囲内であるか、ブレーキランプの光量がテールランプの5倍以上であるか、といった保安基準も確認する必要があります。
そのため、交換する場合はディーラーや車検を請け負っているバイクショップに依頼することが推奨されます。
このように、ブレーキランプは赤色でなければならないことが法律で定められていますが、比較的手軽にカスタムできるパーツでもあります。
取り締まられることを避けるためにも、カスタムによって生じるメリットとデメリットをしっかりと把握し、保安基準の範囲内で楽しむことが大切です。
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