[警察に聞いた]マスツーリングでやりがちな「並列走行」は違反? どう走るのが正解?
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
複数人でバイクのツーリングに出かける「マスツーリング」は、初心者から上級者まで、多くのライダーに人気が高いツーリングのひとつです。経験豊富なライダーが同行してくれれば安心感を得られますし、彼らからバイクの乗り方などさまざまなことを学べるチャンスでもあります。
もちろん、バイクを通じた交友を深める機会でもあります。同じ趣味を持っているだけでも会話は弾みますし、旅先での食事や景色が一層楽しめるものです。
そんなマスツーリングの風景で、時たま目にするのがバイクの並列走行。道路の幅をうまく使っているといえばその通りなのですが、これは何かしらの違反に当たったりしないのでしょうか?
バイクの並列走行は違反になるのか?
単独で行う場合を「ソロツーリング」と呼び、複数台で行う場合を「マスツーリング」と呼びます。2〜3台でのツーリングをマスツーリングとは見なさないという意見もありますが、台数が増えれば増えるほど、走行する上での隊列が重要となってきます。そうなると、並列走行はお互いの位置関係がわかりやすくて良いような気もしてきます。
道路交通法第六十八条によれば、「二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を(中略)並進させる場合において、(中略)著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない」とされています。
つまり「違反行為にはあたらないが、推奨される行為でもなく、安全のために追い越し時以外は並列走行は避けた方がよい」といえます。ちなみに並列走行について、警視庁の交通相談コーナーの担当者に聞いてみたところ、次のような回答が得られました。
「バイクの並列走行は厳密に言えば道路交通法違反には該当しませんが、安全の側面から考慮すると『千鳥走行』の方がよりよいでしょう。複数人でツーリングに行く際は、並列するよりも、千鳥走行の方が車間距離と視野の広さを確保することができます」
マスツーリングは「千鳥走行」が基本!
「千鳥走行」は、リーダーが車線の右側を走っている場合、次のライダーはリーダーの左後ろを、続くライダーはその前のライダーの右後ろを走るというように、一台ごと左右にずれたままの隊列で走ること。隊列全体をある程度コンパクトに保ちつつ、視界も確保しながら適切な間隔を維持できるというメリットがあります。
千鳥走行のポイントは、前のライダーと後ろのライダーそれぞれがミラーを通じてお互いの顔が見える位置にいるようにすることです。こうすることで互いに死角に入ることなく、表情から相手の状態を把握しやすくなります。
ただし、カーブが多い道や幅が狭い道では、安全のために千鳥走行を解除し、一列で走る方がよいケースもあります。
カーブでは先が見えにくく、もし障害物があれば回避できない可能性が千鳥走行では高まるため、状況を見極めて早めに隊列を変更しましょう。
また信号で隊列が切れた場合は、追いつこうと無理な追い越しをしたり、信号無視をしてはいけません。安全な場所で待機する/最初に見つかるコンビニで待つ/目的地で合流するなどのルールを事前に設けておきましょう。重要なのは、メンバー間で合意したルールに従い、交通違反を避け、安心安全なツーリングを全員で楽しむことです。
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