秋はツーリングの季節! 安全に秋を楽しむための5つの注意点を知ろう【バイクビギナーの疑問】

●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
秋は1日を通して過ごしやすい日が多く、紅葉などの自然美を楽しめるため絶好のツーリングシーズンです。
季節を楽しみながら旬の食べ物を求めてツーリングするライダーは多く、たとえば関東近郊では下記のスポットが人気を集めています。
- 東京都(奥多摩):秋川渓谷
- 千葉県(南房総):筒森もみじ谷
- 栃木県(那須):那須茶臼岳
- 茨城県(高萩):花貫渓谷
- 群馬県(利根郡):尾瀬ヶ原
楽しいことばかりが待っているとはいえ、秋ツーリングを楽しく安全におこなうために心がけておきたいことがあることも事実。走行時の注意点について、確認しておきましょう。
安全に秋を楽しむための5つの注意点
秋のツーリングでは、下記の5点に注意しましょう。
1.日中との寒暖差
秋は日中と朝晩の気温差が激しい季節。特に朝晩は冷え込むことが多く、寒さ対策は必須です。防寒着を必要に応じて重ね着をおこなって温度変化に対応しましょう。防風性/保温性/透湿性/撥水性に優れた防寒着を用意するとさらに快適に過ごせます。
日によっては15度以上の寒暖差があることも珍しくないので、リュックやサイドバックなどを活用して、ホッカイロやアンクルカバーといった防寒対策グッズを多めに持参しておきましょう。
気温変化による体調管理も忘れずに。水分補給/休憩を、1〜2時間おきほどの間隔で取ることも忘れてはいけません。
2.道路上の落ち葉
また御存知の通り、秋は落ち葉が増える季節です。特に湿った落ち葉は非常に滑りやすいため、落ち葉の上を走行するとタイヤのグリップを取られ、スリップしてしまう危険性すらあります。
特に、カーブ/下り坂での速度調整は慎重におこなわなければなりません。スピードが出たままカーブを曲がろうとすると、強い遠心力によって曲がりきれない可能性があります。カーブに差し掛かる前に、ブレーキやシフトダウンを行い、十分に速度を落としておきましょう。
また、落ち葉や段差にも注意しましょう。落ち葉が溜まりやすくなっている路肩や歩行者側の白線近くをなるべく走らないようにしてください。
また段差/側溝が落ち葉で隠れていることも少なくありません。段差/側溝によってタイヤが取られてしまうとバイクが転倒する危険性もあるので、側溝が設置されていることの多いインコースを攻めすぎないことも心掛けましょう。
落ち葉は道路端に溜まりやすい傾向がある。注意して走行するとよい。
3.薄暮時間帯
そして秋は日が短くなるため、日没時間が早まります。中でも”薄暮時間帯”と呼ばれる日没前後の時間帯は急激に暗くなるため視界が悪くなります。
そのためツーリング計画を立てる際には、日没時間を考慮し、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。また自分の視界を良好に保つだけでなく、相手に自分がいることを知らせることも重要です。反射材がついたウェアの着用をしておくと、周囲のクルマからも視認してもらいやすくなります。もちろんスケジュールを調整して、敢えて薄暮時間は走らないといった選択をとるのもひとつの手です。
4.霧
さらに朝晩の気温が日中よりも低くなる秋は、内陸部で霧が最も発生しやすい時期とされています。実は、霧は雨天時よりも視界不良になる場合も多いのです。濃霧の場合、数十m先が見えないといったことも珍しくありません。
なお、見えないからとハイビームを使用すると、光が霧に乱反射してしまい、余計に自分の視界を悪くしてしまうため注意が必要です。ロービームを使用したり、不安を感じない程度の速度を保ちつつ、普段よりも慎重なライディングを意識しましょう。
霧が発生した道路の走行にはリスクが伴う。
5.野生動物
また、秋は冬眠などに備えて野生動物が活動的になる時期でもあります。特に山間部や田舎道では、鹿/猪/熊などの野生動物が道路に飛び出してくる可能性があるので、動物の出没注意エリアでは速度を落とし、周囲に注意を払いましょう。
また市街地に動物が出現する可能性もあるため、計画しているルートで目撃情報がないか事前に確認することも大切です。
まとめ:対策を講じて安心安全な秋ツーリング!
これらの注意点を理解して対策を講じておけば、秋のツーリングを安全に楽しめるようになるでしょう。事前準備をしっかりしてから出発してくださいね。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(Peacock Blue K.K.)
複数人でバイクのツーリングに出かける「マスツーリング」は、初心者から上級者まで、多くのライダーに人気が高いツーリングのひとつです。経験豊富なライダーが同行してくれれば安心感を得られますし、彼らからバイ[…]
冬場であっても、たまにはツーリングに出かけたい! というよくばりさんなライダーもいるはず。 ただし冬だからと言って、「とりあえず着込め!」だけじゃ不十分です。寒い冬のツーリングを快適にするためには、ど[…]
高速道路の中央分離帯に植物が植えられているワケ SAやPAなど、高速道路の至るところに存在する大小さまざまな緑地。特に走行しているとしばしば目に入ってくる中央分離帯の緑地は、いつ見てもきれいに整備され[…]
一人でふらりと出かけて自由気ままにワインディングや食を楽しむソロツーリングもいいですが、家族やパートナーと出かけるタンデムツーリングもまた乙なもの。慣れ親しんだ道端の風景や行きつけのお店でも、誰かと一[…]
夏場のライディングは暑さ対策ばかりに目が行きがちですが、男女関係なく日焼け対策も同時に講じておくと安心です。 日焼けと聞くとシミ/シワの原因になるもの、と捉えている人も多いかもしれませんが、そのほかに[…]
最新の関連記事(ビギナー/初心者)
クラッチレバーをグリップに当るまでフルに切るのは丁寧なのではなく、ギヤに衝撃を与えるラフな操作になってしまう! 大切な愛車、バイクの運転はまだ慣れていないので上手くはないけれど、操作は慎重で丁寧であり[…]
力むとライダーの荷重がタイヤに対し遅れて上下! よくバイクに乗るときは、力んだりせずにチカラを抜いてリラックスするようにいわれる。 もちろん緊張をほぐして余裕をもって操作しようという気持ちの部分もある[…]
「ETC専用化等のロードマップ」の現状 2020年に国土交通省が発表した「ETC専用化等のロードマップ」。その名の通り、高速道路の料金所をETC専用化にするための計画書だ。これによると、ETC専用化は[…]
使わないのは「どうせ利かない」もしくは「踏んでもよくわからない」…… リヤブレーキをかけているライダーは、驚くほど少ない。 ブレーキペダルを踏んでも利いているかわからない、すぐABS(アンチロック)が[…]
見晴らしがいい! オンロードバイクとアドベンチャー/オフロード/クロスオーバーなどの大きな違いのひとつは、走破性をよくするために車高が高くなっていること(最低地上高も同時に高まる)だろう。加えて、ステ[…]
最新の関連記事(ツーリング)
「ETC専用化等のロードマップ」の現状 2020年に国土交通省が発表した「ETC専用化等のロードマップ」。その名の通り、高速道路の料金所をETC専用化にするための計画書だ。これによると、ETC専用化は[…]
房総半島の意外な魅力「素掘りトンネル」 東京から小一時間で行けるのに意外と秘境感あふれる千葉・房総半島。ここには味わい深い素掘りのトンネルが多数存在する。そんな異次元空間を求めて、半日だけショートツー[…]
2年に一度、世界各国から勝ちぬいたGSライダーが競う祭典への道 BMWモトラッドは、「インターナショナルGSトロフィー2026」に出場する日本代表選手を決定する国内選考会を2025年10月11日(土)[…]
いまも動き続ける伊豆半島。地形も人の営みもつくった 伊豆半島の「田方(たがた)平野」という地名は、当地を訪れるツーリングライダーにどれぐらい認知されているだろうか。ちなみに筆者は知りませんでした(爆)[…]
犬吠埼を目指し、走景に染まるハーレー乗り かつてはハーレーは、乗り手を育てる乗り物だった。走っている途中で不調を訴え、時には急に呼吸を止めたりもした。だから乗り手は路肩にバイクを寄せ、工具を片手に処置[…]
人気記事ランキング(全体)
振動の低減って言われるけど、何の振動? ハンドルバーの端っこに付いていいて、黒く塗られていたりメッキ処理がされていたりする部品がある。主に鉄でできている錘(おもり)で、その名もハンドルバーウエイト。4[…]
エクステリアはより力強く、そして個性的に 今回のモデリスタのコンセプトは、その名も「Dandy mode(ダンディモード)」だ。彫刻的な立体表現を随所に用い、街中はもちろんのこと、オフロードにおいても[…]
一回の違反で免許取消になる違反 交通違反が点数制度となっているのは、よく知られている。交通違反や交通事故に対して一定の基礎点数が設定されており、3年間の累積に応じて免許停止や取消などの処分が課せられる[…]
動きが渋い鍵穴に潤滑剤はNG! ・・・の前に ちょっと前に「キーの回りが渋くなってきた鍵穴に、潤滑剤を吹きつける(注入する)のはNG!」という情報がネット上で広く流れました。その理由は一時的に動きが滑[…]
足着きがいい! クルーザーは上半身が直立したライディングポジションのものが主流で、シート高は700mmを切るケースも。アドベンチャーモデルでは片足ツンツンでも、クルーザーなら両足がカカトまでベタ付きと[…]
最新の投稿記事(全体)
8耐の熱い走りを思わせるライムグリーンと赤の差し色 2020年モデルの発売は、2019年9月1日。250ccと基本設計を共通化した2018年モデルにおけるフルモデルチェンジ時のスペックを引き継ぐ形で登[…]
【本田技研工業 電動事業開発本部 二輪・パワープロダクツ電動事業開発統括部 CUV e: LPL(開発責任者) 後藤香織さん】2006年入社。以来一貫して2輪車開発に従事し、おもに車体設計としてEV-[…]
スズキRG250Γ(ガンマ):レーサーそのものの仕様に大歓喜 1983年、ようやく運輸省(当時)がカウリングとセパレートハンドルを認可。Γ(ガンマ)は、その恩恵を受け、車体を一気に”近代化”した第1号[…]
クラッチレバーをグリップに当るまでフルに切るのは丁寧なのではなく、ギヤに衝撃を与えるラフな操作になってしまう! 大切な愛車、バイクの運転はまだ慣れていないので上手くはないけれど、操作は慎重で丁寧であり[…]
走り続けるため、戦い続けるためのエンジンカバーセット 「F.C.C./TSR エンジンカバーセット CBR1000RR-R(SC82)」は、世界耐久選手権(EWC)で戦い続けてきたTSRならではの製品[…]
- 1
- 2