
トライアンフがフラッグシップ・アドベンチャー「タイガー1200」の2027年モデルを発表した。1160cc並列3気筒エンジンは158PSへと進化を遂げ、足回りには停車時に自動で車高を30mm下げるSHOWA製の最新セミアクティブサスペンションを世界初投入。さらにBosch製前後レーダーによる高度な運転支援システムも完備する。扱いやすさと長距離適性を極限まで高めた注目の新型モデルを紹介しよう。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:トライアンフ
158PSへ進化を遂げた1160cc 3気筒エンジンと可変ジオメトリーの進化
トライアンフが誇るアドベンチャーモデル、新型タイガー1200の心臓部には大幅な刷新を受けた1160cc水冷並列3気筒T-Planeエンジンが搭載されている。
シリンダーヘッドの新設計をはじめ、ピストンの見直しや軽量な吸排気バルブの採用、燃焼効率を高めた吸排気系の最適化により、最高出力は従来型から8PSアップとなる158PS/9250rpmを達成した。最大トルクも130Nm/6750rpmを発揮し、より低い回転域から力強いトルクを湧き出させる特性に仕上げられている。
さらに、クランクシャフトやバランサーシャフトの回転質量を最適化し、1速から3速のギア比を見直したことで、極低速域での扱いやすさが飛躍的に向上。時速6km程度でも滑らかな徐行が可能となっており、Uターンや狭い路地での取り回しにおいて高いコントロール性を提供する。
6速トランスミッションとシャフトドライブの駆動系も静粛性と変速精度を高めており、クラッチ操作なしでシフト上下ができる最新のトライアンフ・シフトアシストとともに、長旅での疲労を大幅に軽減してくれるだろう。
シャシー面では、従来モデルでホイールサイズが分かれていたラインナップを見直し、全4モデル(GT Pro / Rally Pro / GT Explorer / Rally Explorer)でフロント19インチ・リア17インチのホイールセットと200mmのサスペンションストローク量に統一した。
GT系にはスポーティな鋳造アルミホイールを、Rally系にはオフロード走行に適したワイヤースポークホイールをそれぞれ装着する。オンロードでの軽快でダイナミックなハンドリング性能を底上げしつつ、未舗装路での踏破性を高次元でバランスさせたアプローチだ。
車高30mm自動ローダウンと足つき性の劇的向上
車体制御の要となるのが、トライアンフとしては初搭載となるSHOWA EERA HEIGHTFLEXセミアクティブサスペンションだ。49mm倒立フロントフォークとリアショックは、6軸IMU(慣性計測ユニット)などのセンサー群から得られるリアルタイムデータに基づき、減衰力を自動で連続制御する。減衰力モードは「Firm」「Medium」「Soft」の3種類から専用ボタンで独立選択が可能だ。
そして最大の注目といえる機能が「自動車高制御(Auto Ride Height)」である。車両が停車体勢に入ると、油圧制御によってリアサスペンションのプレロードを自動的に調整し、シート高を30mm引き下げる。走り出せば数秒で元の最適な走行車高へ復帰する仕組みとなっている。
標準のシート高調整機構(20mm幅)や、アクセサリー設定されるローシートを組み合わせることで、停車時のシート高は最低790mmまで低下する。これまでビッグアドベンチャーのシート高に不安を抱いていたライダーに、この自動ローダウン機能は絶大な安心感をもたらしてくれることだろう。
また、センタースタンドの掛けやすさをサポートする「センタースタンドアシスト」機能も見逃せない。スタンドを展開する際、一時的にリアのプレロードを高めて車体後部を持ち上げることで、荷物を満載した状態でも少ない力で立てられるよう配慮されている。
前後レーダーと7インチHDタッチスクリーンが誇るARAS&デジタル装備
安全装備の面では、Boschと共同開発した前後レーダーセンサーに基づく進化した運転支援システム(ARAS)を網羅した。フロントレーダーを活用した「アダプティブクルーズコントロール」は、前走車との距離を保ちながら加減速を自動制御する。「グループライドアシスト」や「前方衝突警報」「緊急ブレーキアシスト」も備え、安全確認を多角的にサポートする。
リアレーダーは、後方の死角にいる車両を検知してドアミラーの警告灯で知らせる「ブラインドスポットアシスト」や「後方距離警報」を実現。これらの機能はコーナリングABSやトラクションコントロールと高度に連携し、バンク角や速度に応じた精密な制御を行うため、安全性の向上に寄与する。
コクピット中央には、防塵・防水規格IP6K9Kをクリアした7インチHDタッチスクリーンTFTメーターを採用。トライアンフ初となるApple CarPlayおよびAndroid Autoへの完全対応を果たした。
スマートフォンを燃料タンク上部の冷却ファン付き防水ストレージに収納し、USB-Cポートで給電しながら、ナビゲーションや音楽再生を液晶画面やハンドルスイッチ、音声操作で快適にコントロールできる。夜間走行時には、バンク角に応じて照射エリアを広げるアダプティブLEDコーナーリングライトがクリアな視界を確保してくれる。
158PSの力強い3気筒パワーと高度なレーダー技術、そして足つき性の不安を根本から解消する自動車高調整サスペンションを高次元で融合させた新型タイガー1200。航続距離を重視するなら30Lタンクを備えるExplorerモデル、軽快感を重視するなら20LタンクのProモデルという選択肢が用意されている。日本国内での発売時期や価格の正式発表を楽しみにしておこう。
TRIUMPH TIGER 1200 (2027model / EU) COLORS
TRIUMPH TIGER 1200 (2027model / EU) SPECS
| 項目 | 諸元 |
|---|---|
| エンジン種類 | 水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ |
| 総排気量 | 1160cc |
| ボア×ストローク | 90.0mm × 60.8mm |
| 圧縮比 | 13.2:1 |
| 最高出力 | 158PS (116.2kW) / 9250rpm |
| 最大トルク | 130Nm / 6750rpm |
| 燃料供給方式 | 電子制御燃料噴射 |
| 走行モード | GT Pro / GT Explorer:7モード(Road, Sport, Rain, Eco, Off-road, Rider A, Rider B)Rally Pro / Rally Explorer:8モード(Road, Sport, Rain, Eco, Off-road, Off-road Pro, Rider A, Rider B) |
| エキゾースト | ステンレス製3in1エキゾーストシステム |
| 駆動方式 | シャフトドライブ |
| クラッチ | 湿式多板スリップ&アシスト |
| 変速機 | 6段リターン(Triumph Shift Assist装備) |
| フレーム | 鋼管スチールフレーム(鍛造アルミ製アウトリガー付)、ボルトオンアルミ製リアサブフレーム |
| スイングアーム | Tri-Linkアルミニウム製スイングアーム |
| フロントホイール | GT Pro / GT Explorer:キャストアルミホイール(10スポーク)19 × 3.0インチRally Pro / Rally Explorer:ワイヤースポークホイール 19 × 3.0インチ |
| リアホイール | GT Pro / GT Explorer:キャストアルミホイール(10スポーク)17 × 4.5インチRally Pro / Rally Explorer:ワイヤースポークホイール 17 × 4.5インチ |
| フロントタイヤ | 120/70R19 |
| リアタイヤ | 170/60R17 |
| フロントサスペンション | Showa EERA Heightflex 49mm倒立フォーク(半自動調整セミアクティブ、ホイールトラベル200mm) |
| リアサスペンション | Showa EERA Heightflex モノショック(半自動調整セミアクティブ、自動車高調整機能付、ホイールトラベル200mm) |
| フロントブレーキ | 320mmダブルディスク、Brembo M4.30 Stylema 4ピストンモノブロックラジアルキャリパー、コーナリングABS、Magura HC1ラジアルマスターシリンダー |
| リアブレーキ | 282mmシングルディスク、Brembo シングルピストンキャリパー、コーナリングABS |
| メーター | 7インチHDタッチスクリーンTFTディスプレイ(Apple CarPlay / Android Auto対応) |
| 全長 | 2258mm |
| 全幅(ハンドガード部) | GT Pro / Rally Pro:981mmGT Explorer / Rally Explorer:991mm |
| 全高 | 1449mm(サスペンションローダウンオフ、スクリーン低位置時) |
| シート高 | 810mm – 860mm(自動車高調整機能動作時&ローシート装着時最低790mm) |
| 軸間距離 | 1567mm |
| キャスター角 | 24.3° |
| トレール | 115mm |
| 車両重量 | GT Pro:250kgRally Pro:255kgGT Explorer:260kgRally Explorer:268kg |
| 燃料タンク容量 | GT Pro / Rally Pro:20LGT Explorer / Rally Explorer:30L |
| 燃料消費率 | 5.3L / 100km |
| CO2排出量 | 120g/km (EURO 5+) |
| 点検整備周期 | 1万6000km または 12ヶ月 |
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