
EICMA2025で初公開され、ホンダが欧州で販売を展開する「CB1000GT」は、CBR1000RR譲りの1000cc直列4気筒エンジンと電子制御サスペンションを組み合わせたクロスオーバーモデルだ。21Lの大容量燃料タンクや脱着式パニアケースを標準装備とし、長距離巡航機能とスポーツ性能を統合した、国内導入が待たれる1台の魅力を振り返ろう。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:ホンダUK
Fireblade由来の110.1kW直4と電子制御サス「Showa-EERA」の構造的整合性
CB1000GTのパワーユニットには、2017年モデルのCBR1000RR Firebladeにルーツを持つ1000cc水冷直列4気筒DOHCエンジンが搭載されている。スロットル・バイ・ワイヤ(TBW)およびPGM-FIの専用制御により、最高出力110.1kW(約149.7PS)/1万1000rpm、最大トルク102Nm/8750rpmを発揮。、整備質量229kgの車体に対し110.1kWの出力を組み合わせることで、パワーウェイトレーシオ2.08kg/kWを達成している。
この高出力特性を受け止めるべく、スチール製ダイヤモンドフレームをベースに、スイングアーム長をCB1000 Hornetの619mmから635mmへ16mmの延長も実施。直進安定性の向上に寄与した設計だ。
このシャシー骨格に対し標準装備されるのが、電子制御サスペンション「Showa-EERA」。6軸IMU(慣性計測装置)および車輪速センサーからの情報に基づき、サスペンション・コントロール・ユニット(SCU)が15ミリ秒(0.015秒)単位で減衰力を自動調整する。
フロント310mmダブルディスクとニッシン製ラジアルマウント4ピストンキャリパーによる制動時には、ノーズダイブを抑制する制御まで実施。減衰力特性は「STANDARD」「SPORT」「RAIN」「TOUR」の4モードと、ユーザー設定の「USER」モードから選択可能で、リアのプリロードは走行中に24段階で調整できるため、幅広い路面や走行シチュエーションに対応できる設計だ。
21Lタンクと脱着式パニアを標準装備するグランドツアラー機能
スポーツ性能を長距離巡航性能へ還元するため、車体各部にはツーリングを意識した仕様や機能がここぞとばかりに組み込まれている。
燃料タンクは容量21Lを確保し、WMTCモード燃費16.5km/Lの算出値により約340km(211マイル)の航続距離を提供。ウインドプロテクションを担うフロントスクリーンには植物由来樹脂「Durabio」を採用し、片手操作で可動域81mm・5段階の高さ調整が可能だ。シート構造はHornet比でメインシート厚を15mm、ピリオンシート厚を39.5mm増量し、着座時のクッション性を高めている。
積載面では、左右脱着式パニアケース(左37L / 右28L)を標準装備する充実ぶり。さらに作動領域50km/hから160km/hのクルーズコントロール、上下オートブリップ対応のクイックシフター、グリップヒーター、ナックルガード、センタースタンドを標準で備えており、長距離巡航の快適性を底上げしている。
5インチフルカラーTFTディスプレイは「Honda RoadSync」によるスマートフォン連携に対応。ナビゲーション表示や通話機能をハンドルスイッチで操作できるため、グローブの着脱の手間なく使える。
高出力直4と長距離巡航機能を1台に完結させた「CB1000GT」の価値
CB1000GTは単なるスーパースポーツの派生にとどまらず、長距離移動に必要な大容量タンク、脱着式パニア、電子制御サスペンション、そして6軸IMU連動のCornering ABSをすべて標準仕様として統合。オプションを追加することなく、車体単体で高速巡航性能とワインディングでの旋回性能を両立させるパッケージングを完成させている。
スーパースポーツ譲りのパワーユニットと、先進の電子制御・ツーリング装備を高い次元で結実させたCB1000GT。欧州市場で確固たる評価を確立するクロスオーバーモデルとして、日本国内市場への導入が強く待たれる1台だ。
HONDA CB1000GT (2026model / EU) COLORS
HONDA CB1000GT (2026model / EU) SPECS
| 項目 | 諸元 |
|---|---|
| 型式・年式 | 2026年モデル(欧州仕様) |
| 全長×全幅×全高 | 2,135mm×930mm×1,290mm |
| 軸距 | 1,465mm |
| シート高 | 825mm |
| 車両重量(整備質量) | 229kg |
| 燃料タンク容量 | 21L |
| エンジン型式 | 水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒 |
| 総排気量 | 1000cc |
| 最高出力 | 110.1kW(約149.7PS) / 1万1000rpm |
| 最大トルク | 102Nm / 8750rpm |
| 変速機形式 | 6速マニュアル(クイックシフター標準) |
| サスペンション(前) | Showa-EERA 電子制御倒立フォーク(ストローク130mm) |
| サスペンション(後) | Showa-EERA 電子制御Pro-Link(ストローク144mm) |
| ブレーキ(前) | 310mmダブルディスク+ラジアルマウント4ピストン(Cornering ABS) |
| ブレーキ(後) | 240mmシングルディスク(Cornering ABS) |
| タイヤ(前) | 120/70ZR17 |
| タイヤ(後) | 180/55ZR17 |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
現地で予約開始! 501cc空油冷単気筒「CB500」のメカニズム ホンダは2026年7月24日にインドで世界初公開した新型モデル「CB500」について、同年9月21日に現地価格を公表し、予約受付を開[…]
欧州で2027年モデル登場!新色をまとったCB750ホーネット ホンダが欧州市場に向け、ストリートファイター「CB750 HORNET」の2027年モデルを公開した。CB750ホーネットは、2023年[…]
二輪安全運転診断アプリの実証実験が開始 ホンダは、ライダーの安全運転を診断するスマートフォン向けアプリを開発中であり、ウーバーイーツジャパンと共同で実証実験を開始した。期間は2026年9月1日から28[…]
一度は希少になった「400cc×4気筒」が、いま再びアツい! いま、400ccクラスの4気筒エンジンに再び注目が集まっている。 そもそも400ccと4気筒の組み合わせは、日本のバイク史において決して新[…]
「Culture・Unique・Bikes」で原二ライフを変える「Cub HOUSE」とは 「Cub HOUSE」は、Culture(カルチャー)、Unique(ユニーク)、Bikes(バイク)という[…]
最新の関連記事(新型アドベンチャー/クロスオーバー/オフロード)
7月の欧州発表から待望の日本解禁!「SV-7GX」が10月13日発売 スズキは、2026年7月8日に欧州で公開されていた新型クロスオーバーモビリティ「SV-7GX」を、2026年10月1日に日本国内向[…]
日本のレースの原点、アサマレースウェイという「聖地」 イベントの舞台となったのは、群馬県長野原町に位置する「アサマレースウェイ」。ここは1950年代に「浅間火山レース」が開催された、日本のモーターサイ[…]
カワサキ「ヴェルシス1100 SE」2027年モデルは2026年10月17日発売!価格は212万3000円で据え置き カワサキが誇る大型クロスオーバーモデル「ヴェルシス1100 SE」の2027年モデ[…]
ダカールラリー直系の設計思想!ファクトリービルドで誕生した本格ラリーマシン 世界で最も過酷なラリーレイドであるダカールラリーにおいて、数々の金字塔を打ち立ててきたKTM。これまで多くのプライベーターや[…]
創立105周年の節目と未来へ繋ぐマンデッロ新拠点の完成を祝福 イタリア・レッコ県マンデッロ・デル・ラーリオにおいて、現地時間の2026年9月3日、モト・グッツィの新しい歴史の扉を開く特別なアニバーサリ[…]
人気記事ランキング(全体)
SV650/Xが絶版後も評価され続ける理由 スズキのミドルクラスを長年支え、2025年1月発売モデルをもって新規受注を終了した「SV650/X」だが、生産終了後もその価値は色褪せていない。1999年の[…]
現地で予約開始! 501cc空油冷単気筒「CB500」のメカニズム ホンダは2026年7月24日にインドで世界初公開した新型モデル「CB500」について、同年9月21日に現地価格を公表し、予約受付を開[…]
ズバ抜けた速さとピーキーさにシビレタ ’70年代、国内における250㏄クラスの人気は低迷していた。車検がないためコスト的に有利だが、当時は車体設計が400㏄と共通化されるのが普通で、多くのモデルに35[…]
大排気量V8の開発。極めて困難な挑戦に出たロータス 1990年代初頭、ロータスは激動の渦中にありました。長年エスプリを支えてきた直列4気筒エンジンは熟成の極みに達していたものの、フェラーリF355など[…]
60年の伝統を400ccへ! 398cc単気筒「TRシリーズ」と専用シャシーのパッケージング トライアンフがグローバルで6万台以上を販売した新世代400ccプラットフォーム。その展開において、60年以[…]
最新の投稿記事(全体)
Fireblade由来の110.1kW直4と電子制御サス「Showa-EERA」の構造的整合性 CB1000GTのパワーユニットには、2017年モデルのCBR1000RR Firebladeにルーツを[…]
ハーレーが仕掛ける異色の世界選手権 ハーレーダビッドソンは2024年から3年連続で、MotoGP日本グランプリに出展している。世界最高峰のロードレースに、なぜハーレーが? そもそもMotoGPのレース[…]
SV650/Xが絶版後も評価され続ける理由 スズキのミドルクラスを長年支え、2025年1月発売モデルをもって新規受注を終了した「SV650/X」だが、生産終了後もその価値は色褪せていない。1999年の[…]
大排気量V8の開発。極めて困難な挑戦に出たロータス 1990年代初頭、ロータスは激動の渦中にありました。長年エスプリを支えてきた直列4気筒エンジンは熟成の極みに達していたものの、フェラーリF355など[…]
現地で予約開始! 501cc空油冷単気筒「CB500」のメカニズム ホンダは2026年7月24日にインドで世界初公開した新型モデル「CB500」について、同年9月21日に現地価格を公表し、予約受付を開[…]
- 1
- 2








































