
2025年11月14日より市販開始となったCB1000F。ホンダ・スポーツバイクラインナップの「進化する基準」として定義づけられた“CB”ブランドの新時代フラッグシップは、これまで鉄馬レースなどでの高いスポーツ性能にも注目が集まっていた。けど、レースで全く使わなかった“味わい深さ”こそ、実は“CBらしさ”の真骨頂だったのだ。丸山浩が公道インプレ!
●文:宮田健一 ●写真:長谷川徹 ●外部リンク:ホンダ
昔ながらの直4っぽさに速く走る楽しみをプラスだ
やっぱりCBはストリート=公道のヒーローだった。まず何が素晴らしかったかと言えば、低速域におけるトルク感とかあのドロドロっとした大排気量直4CBならではのフィーリングが、ちゃんと受け継がれていたこと。
排気音もバラけた感じに聞こえてくるところなんか、わざわざ左右気筒でバルブタイミングをズラした設計にしてある。
これはベースとなったCB1000ホーネットにはなかった部分で、ちゃんと作り分けている。レトロなスタイルを再現するだけだったら別にホーネットエンジンそのままでも良かったはずなのに、そうしなかったところにホンダのこだわりが伝わってくる。
クランク自体の重さはホーネットとほとんど変わらないはずなのだが、昔ながらのクランクの重いゴロゴロ感まで適度に演出。2~3000rpmくらいで街中を走っていても非常に気持ちいい。
『空冷いいよね、キャブ車いいよね』と言ってる人が求めるようなものが詰まっており、古いCB乗りが乗ってもスンナリ受け入れられると思う。
ストリート中心ながら、より1つ上の楽しみへとライダーを誘う
だが、ここからが従来までの大排気量CBとは違うところ。味わい深さを持ちつつも回せば速いエンジンだし、車重が214kgと一気に軽くなったので、スロットルを捻ってやればすごく“前に”出る。つまり良く加速してくれるのだ。これが実に楽しい。高速道路や道が開けたところでは無意識にちょくちょくスロットルを捻ってみたくなるはずだ。
ワインディングでも味わうだけでなく速く走ろうという気にさせてくれる。これが車重250kgを超えてくると、いくら馬力があってもなかなか加速してくれないし、逆にブレーキでなかなか止まらない。従来のCBは味わいに重点を置く代わりに、速く走ることを諦めていたと思えてくるくらいなのだ。
ただしスポーツ性を高めたものの、あくまで立ち位置をストリートから外さないでいるのもCB1000Fのこだわりポイントだ。サスペンションの標準セッティングは街乗りの乗り心地とワインディングのスポーツ性をちょうど良くバランスさせたという感じで、シートも長時間ツーリングでも疲れないことを優先して前方はあまり絞られていない。
走行モードも「SPORT」と「STREET」の差は大きくなく、ちょっとバイクに慣れている人なら最初から「SPORT」で走りたくなるようなセッティング。あくまですべてはストリートを中心にこれまでの味わいに加え、より1つ上の楽しみへとライダーを誘おうとしているように見受けられる。
全方位で高いバランスが印象的
開発者たちはCB1000Fをバイク作りにおける新たな標準ベンチマークとなるよう設計したと言うが、従来のCBは王道にこだわるが故に価格も乗る人もだいぶ限定してきたかなと思う。それをグッと引き戻したというか、ビギナーだけじゃなく本当にバイクのど真ん中に持ってきた、戻したなって感じ。
これ1台で街乗りからツーリングにワインディング、その気になればカスタムしてレースにだって挑戦できる。大型二輪免許を取り立てのライダーに対しても、これを薦めずして他に何を薦めるのって言いたくなるくらい全方位で高いバランスが印象的だったぞ。
タンデムなど全方位で高いバランスが印象的。
【ライディングポジション】広めのシートとステップがやや当たるにも関わらず、足着きは両かかとがやや浮く程度と良好。ライポジは王道ネイキッドのそれだが、従来CBよりコンパクトだ。(身長:167cm 体重:61kg)
【小鳥遊レイラのタンデムインプレッション】シートは広くて硬さも適度。タンデムステップも膝の曲がりは自然。それにSSのように苦労せずライダーの後からスンナリ跨れるのが楽でいい!サスペンションが結構沈むのでハンドリングが変わって困るなら、そこは調整してみてね♥
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